高円寺にある山形県飯豊町アンテナショップ。人気は米沢牛とつや姫のおにぎり

東京の高円寺駅のそばにある山形県飯豊町のアンテナショップには、多彩なおにぎりが並びます。今回は、薬膳アテンダントの池田陽子さんが、米どころ飯豊町のおいしいお米グルメを教えてくれました。

気を補うお米でパワーをチャージ

山形県飯豊町アンテナショップ「IIDE」
山形県飯豊町アンテナショップ「IIDE」

 薬膳において、お米は人間の重要なエネルギー源である「気」を補うための基本ともいえる食材です。気はパワーの源。気が充実していれば元気、気が不足していると疲れやすい、だるい、免疫力が下がるなどの不調があらわれ「病気」になるリスクが高まります。主食をお米にすることで、おのずと気を補い、健やかな体づくりに役立つのです。

 また、もち米には気を補うとともに、気が目減りするのを防止する働きがあります。疲れ果てたときにはぜひ、取り入れてください。 今回は山形県飯豊町アンテナショップ「IIDE」のお米グルメをご紹介します。

山形県ブランド米「つや姫」のおにぎりが大好評

飯豊町のお米を使った絶品おにぎり
飯豊町のお米を使った絶品おにぎりが、ズラリと並ぶ

 東京の高円寺駅から徒歩3分に位置する、山形県飯豊町アンテナショップ「IIDE」。高円寺の小学生たちとの農業体験交流がきっかけで、2014年にオープンしました。飯豊町は山形県南西部、最上川の源流部に位置し、総面積の80%以上が山林という緑豊かな町。飯豊連峰の山々に抱かれ、雄大な白川が流れる田園地帯は良質なお米の産地として知られています。
 IIDEではおいしい飯豊産のお米とともに、多彩なラインナップのおにぎりを販売中。

 メインのおにぎりに使われているのは、山形県が誇るブランド米「つや姫」。平成22(2010)年のデビュー以来、12年連続食味特Aランクという高品質なお米です。その品質や生産量を維持するために、生産者認定制度を設けていて、県知事が認定した高い技術力をもち、一定の規定を満たした生産者のみしかつくることができません。

 粒ぞろいがよく、つややかな炊きあがりが特長のつや姫は、ひと粒ひと粒から感じられる甘味と粘りのバランスが優れていることが魅力。冷めてもおいしく、おにぎりやお弁当にぴったりです。IIDEでは、飯豊町の清らかで滋養あふれた水源で、米づくりの技術に長けた生産者が育んだ、つや姫を、毎日店内で精米。ふっくらと炊き上げ、おにぎりに仕上げます。食味のバランスがよい飯豊町産つや姫は、どんな具材とも相性バツグン。

いちばん人気は「米沢牛しぐれ煮」おにぎり

米沢牛しぐれ煮
「米沢牛しぐれ煮」(340円)

 IIDEにずらりと並んだおにぎりのなかでもいちばん人気なのが「米沢牛しぐれ煮」(340円)。飯豊町は日本三大和牛でもある「米沢牛」の4割を生産する、いわば米沢牛のふるさと。きめ細かい霜降りと、うま味と香りがある上質な脂がある牛肉は、とろけるような味わいです。
 A5ランクの米沢牛を店内で煮込んだしぐれ煮を具にして、有明産ののりを巻いたおにぎりは、しっかり立ったお米のもちもち感、かみごこちのよさ、そしてやさしい甘味とうま味にうっとり。こくうまで、ショウガがきいたしぐれ煮と一緒になると、より豊かな甘味で口の中が満たされます。1個で大満足できる、「魅惑のおにぎり」です。

プチプチもっちり! ブランド玄米「金のいぶき」のおにぎり

大葉じゃこ
「大葉じゃこ」(280円)

 IIDEでは、飯豊町産のブランド玄米「金のいぶき」を使ったおにぎりも人気商品(数量限定販売)。精白米にしなくても食味に優れ、炊きあがったご飯が金色に輝くことが名前の由来という玄米は、胚芽が大きいのが特徴で、一般的な玄米より栄養豊富なのだそう。
 今回チョイスしたのは「大葉じゃこ」(280円)。プチプチっとした独特の食感と、もっちりした炊きあがりの玄米と、じゃこのうま味、大葉の鮮やかな香りは最高のマッチング! いつまでも「かみしめていたい」おいしさです。

しょうゆ、みそ、クルミ入りの素朴なもち菓子「ゆべし」

くるみゆべし
「くるみゆべし」(170円)

 IIDEのカウンターで愛らしい、もち米を使ったお菓子を発見。飯豊町の老舗菓子店「香月」の「くるみゆべし」(170円)です。東北全般で愛されるゆべしは、もち米の粉にみそ、しょうゆを加えたもち菓子。

くるみゆべし
甘じょっぱい味わいはクセになる!

 創業100年を迎える香月の初代が考案したというゆべしは、渋味の少ないオニグルミをたっぷり入れ、やわらかいけれど歯切れのよいすっきりとした食感に仕上げてあります。しょうゆのせいか、香ばしい風味、そしてふかっとした食感。そこにクルミがこくとうま味をそえた甘じょっぱい味わいが、なんだかクセになる素朴なおいしさです。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)