「心の不調を予防したい」下諏訪の女性がカードリーディングで小商い

―[しもすわで小商いヤッテミレバ]―

地域おこし協力隊を卒業し、長野県下諏訪町でまちづくり会社を設立した今野由香里さんと綿引遥可さん。毎回、さまざまな小商いに挑戦する人を取り上げています。今回は卒業メンバーで「オラクルカードリーディング」を始めた女性の活動を紹介します。

オラクルカードリーディングで心の不調を予防

オラクルカード

自分らしく仕事を始めるためのセミナー「小商いヤッテミレバ!キャンプ」。2期生のたまちゃんは、会うといつもまわりを明るくしてくれるムードメーカー。初めて会う人とも、スッと仲よくなってしまいます。そんなたまちゃんが始めた小商いは「オラクルカードリーディング」。たまちゃんにオラクルカードの説明をしてもらうと、こんな答えが返ってきます。

2期生たまちゃん

「たとえば、かぜっぽいなと思ったらかぜ薬を早めに飲むように、心の不調を予防するためのようなものです。悩みを抱えて誰にも言えず、1人で海の底に沈むように落ち込む前に、本当の自分を見つめる勇気さえもてれば、変わることができる。オラクルカードリーディングで、自分と向き合うための、そのときどきの最適なメッセージをもらい、背中を押してもらうイメージです」

 ぜひ気軽に使ってもらいたいというたまちゃんがこの小商いを始めた原点は、傾聴ボランティアの経験でした。

オラクルカードの的確さとおもしろさに、ワクワク

セッションの様子

 子育てがひと段落し、漠然と「人の役に立つことをしたい」と思い始めた頃、たまちゃんと話すと元気になると言ってもらうことが多く、まわりのすすめでカウンセラーの資格をとりました。

 心療内科に通い、何年も薬を飲んでいる人たちの話を聴くボランティアでは、話をしてそのときはすっきり帰る人でも、同じ不安や悩みで何度も通って来る状態を見て、自分がしていることに疑問を感じたそう。

「結局、自分を変えられるのは自分でしかない」ということを学び、自分自身が楽しいと感じることで人と関わりたいと、いろいろな勉強をします。

 ある日オラクルカードに出会い、実際にセッションを受けてみると、「自分のことが手に取るようにわかる! 素直に自分の気持ちを受け入れられる!」という実感が。聞きたいことに対してカードを引くと、おもしろいように答えが出ます。

 早速購入し、初めは自分のために使っていて、家族や友人にも使ってみると、カードの説明や表現が自然に出てきて、伝えることも楽しめるように。なによりみんなが元気になったり、自分自身に気づきを見出したりする様子を見て、ワクワクとうれしさを感じることできたそう。

一歩を踏み出し、小商いヤッテミレバ!キャンプへ

セッションの様子

 毎日の仕事は疲れるばかりで、やりたいことができていないもどかしさを感じていました。「仕事を辞めよう」という気持ちのあと押しがほしいときに、オラクルカードに「このままこの仕事を続けたら私はどうなるか?」と「仕事を辞めて本当にやりたいことをしたら自分はどうなるか?」の2つの質問をしてみます。
 
 1つ目の質問に出たメッセージは「迷宮の世界に入り自分を見失ってしまう」。2つ目の質問には「自分の才能を発揮して楽しみ、まわりも幸せにしている」でした。そのメッセージに勇気づけられ、仕事を辞めることを決心。そこで「小商いヤッテミレバ!キャンプ」に出会い、「とりあえずやってみよう!」と参加してくれました。

 はじめは「好きを小商いにできるか心配」という気持ちもありましたが、ワクワクを仕事に、というコンセプトのもと、「オラクルカードを仕事にしてみよう」と意識するように。そこからキャンプと並行して、オラクルカードのレッスンを受けたり、仲間と情報交換をして、今まで知らなかった町のイベントやお店に足を運んだりと、アクションを続けていました。

 キャンプ終了後も、「自分がワクワクする方向へ、とりあえず『ヤッテミレバ』の精神で動き、それを繰り返す。そんな小商いスピリットで行動して、好きなことで生きていくと決断したら、あれよあれよと自分も周りも変わって、新しい出会いがいっぱいに。小さい積み重ねが今に繋がっているなと思うとまたがんばれる」、と話してくれました。

小商いも住んでいる町も楽しく!

屋号の月光花

 屋号も決め、ご縁と行動力で活動する場所も少しずつ開拓中。じつは屋号の「月光花」を決めるときもオラクルカードを引いて、自分自身の思いを確かめたそう。

「お客さまと呼吸を合わせ、対話を大事にしながら、必要なときは厳しい言葉が出ることもあるけど、帰る頃には軽い気分と笑顔になってもらえるようなセッションをしたい」としながらも、「同じセッションはなく、逆に自分が気づかされることもたくさん。セッションを通して感謝の毎日です」と自分の成長も感じているそう。

 たまちゃんを見ていると、冒頭で答えてくれた説明の言葉に説得力を感じます。「月光花」の活動、ぜひのぞいてみてください。

月光花
もろずみ たまみ

―[しもすわで小商いヤッテミレバ]―

今野由香里さん 綿引遥可さん
長野県下諏訪町の地域おこし協力隊として、2017年から在住。2020年、合同会社 chiokoを設立し、下諏訪を「小商い=自分らしい暮らし方・働き方の育つ場所にしたい!」と奮闘中。