最近すぐ疲れるし、足腰がだるい。シワや白髪も増えた…。そんな気になる状態におすすめのフードアイテムを、薬膳アテンダントの池田陽子さんが大分県アンテナショップで見つけました。
若々しさの秘訣は「腎」の働きが大切
老化は中国伝統医学の中医学において「腎」とよばれる臓器と深い関わりがあります。腎は人の成長や発育、生殖、老化をつかさどり全身のエネルギーをためておく臓器。ここが弱ると肌が乾燥して白髪が増え、耳が遠くなり、足腰が曲がって弱くなる、歯がもろくなる、記憶力が低下する…といった老化現状が加速。若々しさを保つならば、とにかく腎の働きを高める食材を取り入れることが大切です。
おすすめは、エビ、ニラ。そして、すっぽんもおすすめ。滋養強壮のイメージが強いですが、アンチエイジングに役立ち、美肌効果も極めて高く美肌におすすめです。今回は、大分の食の幸がそろう、有楽町「おおいたアンテナショップ温泉座」を訪ねて、エビ、ニラ、すっぽんグルメを紹介します。
姫島のクルマエビをまるごと使った「癒やし系かりんとう」
大分県国東半島沖に位置する姫島。周防灘を望む姫島近海は、絶好の漁場で豊富な海の幸が水揚げされています。また、恵まれた環境で盛んにおこなわれているのが「クルマエビ」の養殖。「姫島車えび」の名前で全国に知られ、鮮度と品質が高い評価を受けています。歯ごたえのある食感、豊かな甘味が魅力。島の旅館や飲食店では、さまざまなクルマエビ料理を楽しむことができます。
そのおいしさをギュッと閉じ込めたのが、姫島ならではの食材を使ったグルメを販売する姫島村「おおいた姫島」の「車海老かりんとう」(648円)。鮮度バツグンの姫島車えびを、まるごとたっぷり生地に練りこんでつくった、風味豊かなかりんとうです。
国産アオサや、昆布の粉末を加えてコクのある姫島車えびのうま味を、より感じられるように仕上げてあります。製造はすべて、島のお母さんたちの手作業。丁寧につくり上げた生地を平たくのばしてから切り、ひとつひとつひねってリボンのような形状に整えてカラリと揚げます。
パッケージをあけるとなんとも愛らしいかたち。ポリポリほろりとした、しなやかな感触のかりんとうは、エビの深いうま味がいっぱい。「えびせん」のような感じではなく、ほんのり甘くて優しい味わいです。ビールのおつまみにもよいのですが、ミルクと一緒にいただくと、ほっこり笑顔になる「癒やし系車えびおやつ」。お母さんたちの温もりを感じる逸品、ぜひお試しを。
シャキシャキ感がたまらない! ニラの茎を使った「ニラ醤油」
大分県は西日本有数のニラ生産地。大分市、臼杵市、佐伯市、由布市などがおもな産地で濃い緑、肉厚でやわらかく香りが強いのが特長です。そんな大分のニラの茎だけを使った、珍しいグルメを発見。大分市「Logstyle Create」の「必然のニラ醤油 premium」は、ニラの茎を独自配合で調合した醤油だれに漬け込んだ商品です。Logstyle Createは、宮崎発祥の「辛麺」人気店「元祖辛麺屋桝元」の大分県内店舗を運営。
「必然のニラ醤油」の開発は、店舗で使用しているニラがきっかけ。ニラの茎は異物混入、土汚れを落とす手間がかるために廃棄していましたが、スタッフの「もったいない」というひと言をきっかけに、有効活用を模索。試行錯誤の結果誕生したのが、「必然のニラ醤油」(1204円)です。使用するニラはすべて大分市産。ニラ専用の洗浄機で汚れを落とし、茎の部分は手作業で細かくカット。国産丸大豆しょうゆ、北海道産昆布粉末、鹿児島県産黒糖、国産米油をブレンドして、ニラの風味を引き立てる味わいに仕上げたしょうゆだれに1週間漬け込んで仕上げます。
びんのフタをあけると、ガツンとニラの香り! 食べてみると、特製しょうゆがニラのうま味や甘味を引き立て、パンチはあるけれどマイルド。さらに、爽快なまでのニラのシャキシャキ感が心地いい! 使い方は、ご飯や麺類に、冷ややっこに、納豆、焼き魚や刺身、チャーハンや餃子に、とさまざまな料理に使えます。マヨネーズに混ぜて「ニラタルタル」風にするのもおすすめだそう。
これもおすすめという「必然のニラ醤油 たまかけごはん」にトライしてみました。ニラ醤油にとろりとした卵がからむと、コクうま。たしかにごはんが無限になりそう。オリーブオイル、酢と混ぜても、食をそそるドレッシングに変身しました。ニラのアクセントで、いろいろな料理の味変を楽しんでみては?
温泉育ちのスッポンを使ったゼリー
大分県北部に位置する宇佐市安心院(あじむ)は、スッポンの養殖が盛ん。作家・松本清張も好んだという、美しい清流と温暖な気候が育んだ極上のスッポンを味わえるスポットも多く、給食にも、スッポンが登場するほどです。美容にも役立つスッポンを手軽においしくいただけるのが、「アンフィニプロジェクト」の「おおいた 美・すっぽんぜりー」(390円)。
安心院に自噴する温水を利用して養殖されたスッポンを使用。通常、スッポンは冬眠しますが、通年水温を保つことができるため体重が減ることなくすくすくと成長します。健やかに育ったスッポンに大分ならではの香酸かんきつカボスをプラスしてスティックタイプのゼリーに仕上げてあります。とろんとしたゼリーは、カボスのさわやかな香りと酸味で軽やかな味わい。なんだか、細胞にしみこんでいく感じ。冷蔵庫で冷やすと、さらにおいしくいただけます。
池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)