大分アンテナショップで見つけた鶏肉&シイタケグルメ。カレーや煮込みで味わう

 少しずつ気温も上がり過ごしやすくなってくると、だるさや眠気を感じることも。今回は薬膳アテンダントの池田陽子さんが大分県のアンテナショップで見つけた、春をすっきりと過ごすためのおすすめグルメを教えてもらいました。

気を補う食材で春を元気に

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おおいたアンテナショップ温泉座

 春を迎えてなんだか、やたらと眠い…。中国伝統医学の中医学において、過度な眠気は、人間のエネルギー分である「気」がたりていない「気虚」の状態の場合に現れると考えます。気虚では、眠気に加えて疲れやすい、だるい、朝なかなか起きられない、胃の調子が悪いといった不調も見られます。中医学において、春は身体が活性化する季節。暖かくなり草木が芽生え始めると、人間の体も活発に動き始め、体内を巡るエネルギーも高まります。気虚の場合、この変化に体がついていかず、春はとりわけ眠気がひどくなりやすいのです。
 
 また、疲労感も強くなりがち。そこで気を補う食材を取り入れて、新しい季節を快適にのりきりましょう。おすすめは鶏肉、そしてシイタケ。どちらもすみやかに気を補うのに役立ちます。今回は大分の食の幸がそろう、有楽町「おおいたアンテナショップ温泉座」で見つけた、鶏肉とシイタケグルメを紹介します。

希少な鶏肉「豊のしゃも」使用使った薬膳カレー

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「大分地鶏 豊のしゃも 地鶏出汁スパイスカレー <健康薬膳>」(¥694)

 大分県は、鶏肉の消費量が日本でもトップクラス。郷土料理「とり天」、「鶏めし」「鶏汁」や、「鶏の唐揚げ」などさまざまな鶏肉料理で親しまれています。「大分地鶏 豊のしゃも 地鶏出汁スパイスカレー <健康薬膳>」(694円)は大分県特産の希少な地鶏「豊のしゃも」をふんだんに使用したスパイスカレー。豊のしゃもは大分県畜産試験場で昭和60年以来繰り返し試験をして誕生させたシャモの素質50%の地鶏。地鶏独特の弾力と歯ごたえがあり、コクとうま味に優れているという特長があります。

 宇佐市「天峯ファーム」の広々とした農場でストレスを防ぎ、寒さと暑さに注意をしながら大切に育てた豊のしゃもの鶏肉とガラスープを使用。そのおいしさを生かすために、ガラスープと鶏肉をじっくり煮込んでうま味を引き出し、シャモならではの肉感を堪能できるように、鶏肉をさらに後入れしてあります。

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着色料、増粘剤、人工甘味料は一切不使用
  
 豊のしゃものおいしさをいかすために、ベースは小麦粉を使わずに、タマネギのみ。九州産のトマト、レンコン、ニンジン、ゴボウ、カボチャ、リンゴを加え、さらに39種類ものスパイスを使用。スパイスの風味と薬効成分をいかすためにスパイスはホールから焙煎、ブレンド、熟成とじつにていねいに時間をかけるこだわりぶり。

 ひとくち目は、まず豊のしゃもの味わいを感じてもらいたいと、米粉をプラスして少しまろやかさを出し、じわりとしたうま味、そしてスパイスを感じる流れまで考えて設計されています。着色料、増粘剤、人工甘味料は一切不使用、ヘルシーで低カロリーなカレーは、鶏のストレートなうま味と、野菜やフルーツの豊かな甘味、多彩なスパイスが口の中で弾けるような味わい。爽快な食べ口なのに、深い印象を残す「また食べたい…」とクセになるような味わいです。ラインナップはそのほか「コクうまカレー」「健康カレー」の3種類。それぞれの味わいで豊のしゃものうま味を楽しんでみては?

しっとりなめらか。やみつきになる「鶏のレバー煮」

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「やみつきレバー煮」(¥417)

 大分温泉座で人気を誇る鶏グルメが大分市「大分からあげ」の「やみつきレバー煮」(417円)。大分からあげは、県内最大のからあげ専門チェーン。冷凍ではなく、九州内の農場で飼育された生の鶏肉、風味がよく体に優しい国産米油を使用、すべて手造りで仕上げた唐揚げが大人気。

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クセがまったくなく、こっくり、まろやかな味わい

 やみつきレバーも、そのこだわりをいかした総菜。一度も冷凍していない国産鶏のレバーを丁寧に下処理。オリジナルのタレで甘辛く仕上げてあります。ほどよくこってり感のあるレバーは、衝撃的なほど「しっとり、なめらか」。もはや「食べるレバーパテ」状態。クセがまったくなく、こっくり、まろやかな味わいだけに集中できるおいしさです。まさに、「レバーが苦手な方にこそ食べてほしい」逸品。やみつきになること間違いなし!

「どんこ椎茸」がまるごとごろりの大満足カレー

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「ぜいたくどんこ椎茸カレー」(¥694)

 大分県は乾シイタケが、全国の約4割を占めるという日本一の生産地。大分県山間部は夏冬の寒暖差が大きく、湿度も高い一方、冬は雪が降り寒さが厳しいという、シイタケ栽培には恵まれた気候。肉厚で香りのよいシイタケを栽培することができます。全国乾椎茸品評会では25年連続57回の団体優勝! まさに質・量ともに日本一を誇る「乾シイタケ県」です。

 別府市「上田椎茸専門店」の「ぜいたくどんこ椎茸カレー」(694円)は、昭和23年創業の椎茸専門店が手がけたカレー。上田椎茸専門店は、大分県の乾シイタケのおいしさをいかしたさまざまな商品を開発しています。「ぜいたくどんこ椎茸カレー」には、冬の終わりから春にかけて収穫された「どんこ椎茸」を使用。香り、うまさ、味わいは格別とされる高級品です。

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20種類以上のスパイスが入った本格派

 シイタケのだし汁に、どんこ椎茸の味わいをいかすコリアンダー、ターメリック、クミンなど20種類のスパイスを加えて仕上げてあります。そして、じっくりと煮込んだどんこ椎茸がまるごと、ごろり! ルーはさらさら系。いただくとスパイスの風味が華やかに広がりますが、ベースにある「どこか懐かしく、力強い味わい」はたしかに、シイタケならではのコクとうま味。「カレーだから当たり前」といわれるかもしれませんが、ご飯とのフィット感がきわめて良好! なんだかさらさらお茶漬けのように食べてしまうという「魔性のカレー」。そして、まるごとのどんこ椎茸のおいしさといったら! もはや「牛肉!?」のような、力強い味わいは感動モノです。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)