人も街も元気に。自分サイズの小商いができる場所を仲間とオープン

―[しもすわで小商いヤッテミレバ]―

地域おこし協力隊を卒業し、長野県下諏訪町でまちづくり会社を設立した今野由香里さんと綿引遥可さん。2人が取り組んできた小商いの講座「小商いヤッテミレバ! キャンプ」では、受講生が活躍する場所(お店)まで、初めて手づくりできました。

まずはヤッテミレバ!の精神で小商いキャンプを企画

小商いヤッテミレバ!キャンプの様子

 好きなことで自分らしい仕事をつくる講座「小商いヤッテミレバ!キャンプ」も気がつけば第4期がスタート。今回も「以前から気になっていたんです! 」という熱意ある参加者がいらっしゃいました。着実にヤッテミレバ! の精神が浸透しているなあ、ワクワクを形にし続ける方が地域に増えてきたなあと、しみじみ実感しています。

 一方で、地方の顔が見える関係性のなかで育っていく小商いだからこその課題も。現状では規模が大きい地域の出店イベントは激減。お店をもたずに活動している受講生も多いので、対面で小商いができる機会に恵まれずに、悲しい思いをすることも。

 私たちとしても講座だけでなく、どうにか小商いメンバーが活躍する場をつくりたいと、常々考えていました。そんな受講生と私たちの思いをまずは小さくかなえよう、とりあえずヤッテミレバ! ということで、新企画「小商いヤッテレミバ!キャンプdays」をスタートさせました。

小商いができる場所を自分たちの手でオープン

チオコバの会場

「小商いヤッテレミバ!キャンプdays」では、大きな催しは難しくても、下諏訪町内の御田町商店街の中にある私たちの事務所、通称チオコバを会場に、自分たちサイズの催しを自分たちでつくりました。日替わりで小商いのメンバーが登場し、販売やワークショップを開催しています。だから、毎日会える人も物も違います。ひとりひとりの力は小さくても、各メンバーのつながりでお客さんが集まり、夏休みということもあってお子さんを連れてくるメンバーもいました。

お客さんが買い物をする様子

 商店街の店主さんたちも「事務所だけでなくてお店をやっているとにぎわってうれしい」と声をかけてくれたり、近所の方々も立ち寄って喜んでくれたり。みんなのやりたい! という気持ちが、地域の豊かさにもつながっていることを実感します。これぞ小商いの醍醐味!!

小商いの仲間が集えば、アイデアがわいてくる

店頭の様子

 期が違うメンバーもみな仲間。第1期~第3期のメンバーが一緒になってお店に立ち、お客さんがいない時間には、ワイワイとアイデアセッションが始まるのも、仲間同士で出店する「小商いヤッテレミバ!キャンプdays」のいいところ。私たちが大事にしていることのひとつに「みんなでワイワイ生み出す」ということがあります。

 自分のやりたい! が出発点ではありますが、だれかの困りごとや「こうだったらいいな」という気持ちがかけ合わさったときに、小商いが生まれます。だから仲間たちからのアイデアは宝物。扱う商品やサービスは違えど、好きなことを形にしたいという熱い気持ちは同じ仲間。小商いメンバー同士でお互いに高め合える関係性ができていることに、いつも感激してしまう私たちなのです。

 私たちのチオコバも、小商いメンバーからのアイデアをもらって生まれたもので、みんなの「こうだったらいいな」をかなえる場所になりつつあるというワクワク感があります。今後は毎日のように、だれかしらがチオコバを使ってくれるようになったらいいな…なんて夢を描いていたりもするこの頃です。

回を重ねるごとにパワーアップ

手づくり品が並ぶ店内

 最初は自信がない、と言っていたメンバーもいましたが、やっぱりお客さんの生の声が聞けるのはうれしいもの。完璧じゃないかもしれないけど、やってみたことでもっとこうしたらいいのでは? という改善点も見えてきます。

 最初はおぼつかなかった「小商いヤッテレミバ! キャンプdays」も、回を重ねるごとにパワーアップ! 商品や見せ方がどんどん変化しているところにもおもしろさが満載です。楽しみに顔を出してくれるご近所さんも現れるようになり、まだまだ伸びしろいっぱいの小商いメンバーです。

 私たちもチオコバをもっとワクワクする場所に育てていくべく、サービスを広げようともくろんでいるところ。不自由な世の中でも、自分たちのやりたいをかなえ続けていきます!

小商いヤッテミレバ!

―[しもすわで小商いヤッテミレバ]―

今野由香里さん 綿引遥可さん
長野県下諏訪町の地域おこし協力隊として、2017年から在住。2020年、合同会社 chiokoを設立し、下諏訪を「小商い=自分らしい暮らし方・働き方の育つ場所にしたい!」と奮闘中。