私たちの生活に大きな変化を与えた新型コロナウイルス。しかし、この厳しい状況下でも地方自治体は前向きに「まち」のため、活動を行っています。今回は、そんな取り組みをまとめて紹介している「地方創生図鑑」から、いくつか事例をご紹介します。
コロナ対策で使われる「地方創生臨時交付金」
「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(地方創生臨時交付金)は、地方公共団体が地域の実情に応じて、きめ細やかに必要な事業を実施できるように創設されたもの。したがって、コロナ対応のための取り組みである限り、原則として地方公共団体が自由に使うことができます。
各自治体、この地方創生臨時交付金を使って独自の取り組みを行っているのですが、日本各地で行っているため、知りたい情報を探すのはひと苦労…。そこで、役立つのが地方自治体の取り組みをまとめて紹介している唯一の政府公式サイト「地方創生図鑑」です。
取り組みを知りもっと身近に地域を感じるサイト
コロナ禍において自治体が感染症とどのように向き合い、どのように取り組んでいるのか紹介している「地方創生図鑑」では、(1)自治体の取り組みを探す、(2)自治体特徴を知る、(3)注目されている取り組みを知ることができます。
コロナ禍における全自治体(47都道府県1741市区町村)の取り組みの閲覧や、全国6万5000以上の事業からフリーワード、政策分野などで気になる事例の検索。そのほかにも、首長・議長からの思いがこもったメッセージや、自治体間で注目している「注目事業(約50事業)」の概要や有識者コメントなども併せて読むことができるなど、地域の情報が盛りだくさん。
どのページも写真と文章で分かりやすく紹介されているので、まずは自分が住んでいる地域などを検索してみるのがオススメです。住んでいるのに意外と知らなかった! といった新たな発見もあるかもしれませんね。
コロナ禍で実現した画期的な取り組みがたくさん
また、地方創生臨時交付金を使い多くの自治体が民間企業と連携し、コロナ対策や地域の将来を見据えた取り組みを実施しています。「地方創生図鑑」では、そんな“官民コラボ”の一部も掲載。気になった取り組みをご紹介します。
【羽咋市×日本旅行が実現した“空”の修学旅行】
新型コロナウイルスの影響で修学旅行を中止にする学校も多々ありました。学生時代の大切な思い出だからこそ、生徒のためにもなんとか実施したいと考えた羽咋市教育委員会は、日本旅行の協力を得て、安心・安全でありながら、コロナ禍でしかできない「空の修学旅行」を計画。
運休となっていた国際線の航空機をチャーターして、富士山や能登半島などの上空を周遊し、通常の飛行機では通ることができない羽咋市の上空も、1200mまで高度を落として何度も旋回飛行。上空から見た「ふるさとの景観」は、生徒たちの忘れられない思い出となり、住んでいる羽咋市の魅力も再発見できました。
そのほかにも、日本航空社員による職業教育「空育」として、空港アナウンスや機体整備などの学習・体験が行われ、この「空の修学旅行」は、全国ニュースでも放映されて羽咋市内外からも「すばらしい修学旅行」という声が寄せられたそうです。
【長洲町×日本郵政が実現した“伝統産業”の可能性】
各地のイベントが自粛されたことによって、日本の伝統産業である養漁業も窮地に立たされていました。そこで、深刻な経営不調の状況にある養魚業の活性化を図るため、熊本県長洲町は、日本郵便とコラボ。
熊本県内市町村や企業、学校等に対して、イベントなどで金魚すくいセットの提供をスタートし、熊本県北部地区内すべての郵便局82か所の窓口ロビーに長洲金魚水槽セットを設置。伝統産業である長洲金魚のPRと生産者の販売促進につなげました。
金魚が郵便局にいることで、心が和んだり、金魚に興味をもった人も多く、地域の人から好評な取り組みに。今後も長洲金魚ブランドのより一層の定着・拡大を図るために協力していくようです。
今回紹介した事例は「地方創生図鑑」の本の一部にしかすぎません。こうした自治体の取り組みを知ることで、関心のある自治体がもっと身近な存在になるのでは? 新しい発見もたくさんあること間違いなしの「地方創生図鑑」のサイトを一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
提供/内閣府 地方創生推進室
<文/カラふる編集部>