インスタ活用ポイント4つ 素敵な風景写真だけじゃ観光客は来ない

[勝手に地方創生SNSコンサルvol.1/生駒幸恵]

さまざまな自治体が、観光スポットや地元の特産品などの写真をインスタグラムにアップして頑張って発信していますが、読者にはなかなか届きません。そこには「惜しいインスタグラム」の要素が……。ここでは、SNSコンサルタントの生駒幸恵さんが勝手にアドバイス。第一回目は「群馬県庁」のインスタグラムを例に、自治体だけじゃなく、一般の人でも使える「インスタグラム活用術」を紹介していきます。

インスタグラム
世界とも繫がれ、インバウンド効果も見込めるインスタグラムは地方創生との相性もいい

魅力的なスポットを効果的に見せる方法

 今や地元の魅力を伝えるため、SNSの活用は地方創生にとって、たいへん重要なポイントになっています。特にインスタグラムは美しい風景の観光スポットや、美味しい地元グルメや特産品を紹介するのにピッタリ! 

 私は数年前、長野県庁さんのインスタグラム活用に関するアドバイザーを務めて思ったのですが、なかなか忙しいなかで、インスタグラムを運用していくというのは大変なことです。でも、こんなに魅力的なスポットがあるのに、上手く活かしきれていないというのが印象的でした。インスタグラムを活用すれば、日本中から観光客も訪れるでしょうし、世界とも繋がっているので外国人の方もたくさん来てくれます! なのに、実際はただ風景を載せていたり、よくわからない情報を載せていたり……。そんなことではフォロワー数もいいね!もいただけません。

 そこで、フォロワー数やいいね!を増やす方法を考えていきたいと思います。

群馬県庁が運営する公式インスタグラム
群馬県庁が運営する公式インスタグラム

 今回は「群馬県広報課」さんのインスタグラムについて。群馬といえば、草津温泉をはじめとした温泉大国。秋ともなれば、山々の紅葉がきれいに彩り、訪れる人たちの心を癒してくれます。公式インスタグラムにも、素敵な紅葉写真がたくさんアップされていますが、私からすると「もったいない」と思えてしまいます。では、どこがもったいないのでしょうか? 今回は1回目なので、インスタグラムの基本中の基本についてのみ書かせてもらいますね。少し辛口になってしまったら、群馬県庁さん、ごめんなさい!

プロフィール
プロフィール部分も重要に

【Point1】アカウント名は英語も併記する

 基本中の基本ということで、まずはアカウントから説明していきます。「群馬県広報課【公式】」と書かれていますが、ここがちょっともったいないですね。県庁のルールなどもあると思いますが、一般的なフォロワー獲得のための施策を書いてみます。

 現在、インスタグラムの国内月間アクティブアカウントは3300万人(’19年11月時点)。一方、世界には推定10億人のインスタグラムユーザーがいます。インスタグラムが効果を発揮するのは写真、つまり観光スポットの紹介などです。外国人観光客を呼び込む、インバウンド効果には絶大な力を秘めているんです。ここには英語表記をしたほうがいいですね。

 さらに、「kouhou」と「広報課」。さきほども書いたように、県庁のルールかもしれませんが、私なら、アカウント名は「@gunma_official」や「@gunma_japan」「@gunma_prefecture」。名前には英語表記も加えた「群馬県公式 GUNMA JAPAN」や「GUNMA prefecture」なんかはいいんじゃないと思ってます。

勝手なこと言って、すみません。

【Point2】フォローするかどうか、よく検討する

 2019年12月3日時点の「群馬県広報課【公式】」のフォロワー数は6,388、フォロー数は274となっています。フォローしている人がちょっと多いかもしれません。フォローしている人を見てみると、「ぐんま好き」「ぐんまの写真撮っている人」などなど。この記事を書いている時点でインスタキャンペーンをやっていらっしゃるし、群馬好きの人をフォローしたい広報の方の気持ちはわかります。でも、このアカウントを観に来た人からしたら必要なのかどうか…。
 フォローをタップしてせっかく見に来てくれた方がほかのアカウントへ離脱したり、ちょっと違うなと思う可能性がゼロではないので、ここはフォローしない方がいいと思います。

【Point3】プロフィール部分には絵文字や英単語を使って楽しく簡潔に

 インスタグラムを見るのは、基本的にスマホです。スマホでプロフィール部分を読むとき、ひらがなと漢字の固い日本語の文章だけだと読みにくいです。絵文字を使ったり、英単語を使ったり……さらに簡潔に改行多めに短く書くのが鉄則です。

例えば、

群馬県庁の広報課が発信するアカウントです。ここでは特産品や観光スポット、グルメ情報などを写真とともに紹介。群馬県に来たくなるような写真をたくさんアップしていきます。

群馬県の魅力、ググっとぐんま公式インスタグラム。
Welcome to Gunma prefecture!!

 と、シンプルかつ海外にも伝える文章で、2〜3行程度がおすすめです。文章で書くのではなく、端的に書いたほうが伝わります。魅力は文章ではなく、投稿する写真で伝えます!

写真の配置
写真の配置ひとつで魅力的なコンテンツに見えるかどうかが決まる

【Point4】写真は縦で撮影する

「群馬県広報課【公式】」ですので、さまざまな群馬好きの方たちが写真を投稿してくれてますね。そのため、横写真があったり、縦写真があったりバラバラ。せっかくの素敵な写真をトリミングするのは忍びないですが、見てもらうことを優先したほうがいいかもしれません。

 インスタグラムを見るのはスマホです。スマホにはスマホの見やすい構図というのがあります。それは間違いなく縦型の構図。たとえ一眼レフで撮影したとしても、縦写真で撮ってもらい、Instagramには4:5、ストーリーには19:6でトリミングして投稿。リポストするときも縦型の写真をシェアするのがおすすめですし、白い余白がある写真などはチョイスしないのがアカウントの見栄えがよくなるのでベターです。

 今回は基本中の基本として「アカンウトの見栄え」について、解説してみましたが、世界で10億以上のアカウントがある中でフォローされるかどうか。初めてプロフィール欄に訪れた人たちは、プロフィールをみたときのパッとみの第一印象で判断しますので、「アカンウトの見栄え」が非常に重要になります。

 ちょっとしたことで、インスタグラムのフォロワー数は増えていきます。ぜひみなさんも試してみてください。

【今回のおさらい】
1)外国人にも見てもらえるように英語も表記する
2)フォロー数は増やしすぎない
3)プロフィールには絵文字と英語を
4)写真は縦で撮影する

[勝手に地方創生SNSコンサルvol.1/生駒幸恵]

生駒幸恵さん
生駒幸恵(いこまさちえ)さん
現在は株式会社IFPARKMEDIA(イフパークメディア)代表取締役。1986年生まれ。アパレル企業でSNS PRを担当し、WEBマーケティングチームを引率。TBS「マツコの知らない世界」にゲスト出演したことをきっかけに多数メディアに取り上げられる。著書に「ステージを上げるSNS絶対6ルール」現在はTV出演や、県公式Instagramアカウント、アパレル、美容系など多くの企業へのコンサルタントとして活動中。またSNSの講演、講義なども行う。