エビ、うどん入りも。全国のチョコが集まる「Tokyo Chocolate Salon」

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第62回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て現在はスイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーとして全国で活躍する木村彩乃アナが新たに出合った国産食材の魅力が光るチョコレートを紹介します。

国内40社が集まった「Tokyo Chocolate Salon」

木村アナ

 2023年9月、東京で「Tokyo Chocolate Salon -All About CACAO-」というイベントが開催されました。北海道から沖縄まで40社のチョコレート関連会社が集い、普段なかなか聞くことができないカカオ生産者やチョコレートのつくり手、業界の裏方を支える人々の声など多面的な切り口で紹介する濃い内容で、チョコレートオタクの筆者は大興奮でした。なかでも地方の食材を活用したチョコレートが印象的だったので、ご紹介します。

北海道の食材をふんだんにつかったチョコレート

北海道のSATURDAYS

 まずは、北海道の【SATURDAYS】。札幌にある工房で小規模生産し、品質を追求する会社です。札幌駅直結のビルにもカフェがあるので、筆者は出張の際は必ず訪れています。
 ブースにはBEAN TO BAR(ビーントゥーバー)がずらりと10種も並んでいました。BEAN TO BARとは、カカオ豆から自社内で一貫して製造した板チョコレートのこと。

12商品が並ぶ様子

 とくに気に入ったのは「北海道ホワイト・きなこ&キヌア」。北海道のミルクパウダー・てんさい糖で仕上げたホワイトチョコレートに、本別町産の白大豆「ユキホマレ」と音更町木野産の黒大豆「いわくろ」をブレンドしたきなこ、剣淵町のキヌアが入っていて、1枚で北海道をたっぷり堪能できます。

 思ったよりもサクサクと食感がよかったので、製造している秋元早苗さんに伺うと「キヌアはカカオバターなど油脂分の吸収力がライスパフよりも弱いので、サクッとおいしく仕上がりました」と教えてくれました。

イチゴのチョコレート

「北海道ホワイト・Wストロベリー」は無着色ながらもとってもきれいなピンク。「千歳市の小川農場で収穫されたアルビオンという品種のイチゴは色が濃いのです」とのこと。もうひとつのイチゴは、けんたろうという品種で、甘さがしっかりいかされていました(現在は販売終了)。

 この2種のイチゴは、イチゴ狩り農園で地面に落ちてしまったものや、市場に出回らず破棄されてしまうものを買い取って、フリーズドライにして使っています。

 コロナ禍のときに、「北海道に来られない状況でも全国の方に道産食材を楽しんでほしい」という思いが強くなったそうで、ほかにも佐呂間町のパンプキン、滝上町の和ハッカ、八雲町の塩など、道内のいろいろなエリアの味を見つけることができました。

沖縄県で国産カカオと地元のフルーツを融合

沖縄カカオのブース

 隣には、沖縄県【OKINAWA CACAO】が。筆者は東京の催事で買える際は必ずと言っていいほど訪れる大好きなお店です。東京出身の川合径さんが、地方創生・地域の担い手づくりに興味をもち、2016年に大宜味村で起業しました。

 沖縄では農業用ビニールハウスでカカオをつくっています。現在は海外のカカオに沖縄の素材を合わせていますが、毎年、少量ながらも国産カカオの収穫ができるようになってきており、近い将来、商品化も見込まれているそう。

シークワーサー、月桃、パイン

 ブースでは月桃、シークワーサー、パイナップルなど沖縄産フルーツの展示を行っていて、いい香りが漂っていました。

「沖縄食材を知って味わってほしいので、板チョコとドライフルーツのチョコがけの2種をつくっています。生の果物は収穫してすぐ売れないとダメになってしまうでしょ? ドライフルーツのチョコがけなら多くの部分を果物が占めるから、地域の農園から定期的に買い取り続けられる。そうすれば地域の方とずっと繋がっていられるし、地域を循環させることができる。消費者とのかけ橋になることも心がけています」と熱~い地域愛を聞かせてくれて、これまで見てきたラインナップに納得でした。

フルーツのチョコ掛け

「サンドルチェ」「ボゴール」「Nパイン」と3種のパインを食べ比べられるチョコレートなど、まさに川井さんならではの商品です。
「4種持ってきたけれど、1種は売りきれちゃいました。生産者さんあってのものづくりなので、伝えられてよかったです」

ドライフルーツのチョコ掛けアソート

 以前購入したドライフルーツチョコレートアソート(※中身が一部変更)は今回も大人気で、どんどん消費者へ渡っていました。筆者が食べたときはスイカ、シークワーサー、パイナップル、島バナナのドライフルーツでした。珍しさはもちろんのこと、それぞれぎゅ~っと果肉のおいしさが凝縮されていて、チョコの風味と相まってとってもおいしいんです。

モリンガ

「カカオ黒糖モリンガ」は初めて購入しました。黒糖は今帰仁村で加工黒糖を製造する共栄社のもの。直火を使う工場が減るなか、共栄社では代々伝わる釜を使って直火で煮詰めます。職人の技術とこだわりがつまった今帰仁黒糖は、すっきりとして、あと味まで優れた甘さでした。

 黒糖を煮詰める際は県産のスーパーフード「モリンガ」を入れてカカオをコーティングしています。このモリンガも驚くほど上品な印象で、ほどよいコクもあり止まらない味わい。いつか絶対、農園を訪れたいです。

ホタルイカに白エビ、うどんまでチョコレートに

佐渡島のチョコレート

 生産者のこだわりを聞きながらサロンを満喫するなか、「Association Bean To Bar Japan」による「少人数体制のため東京へ来ることも、大量に出展することもできないお店の商品をbean to bar協会が一括で出す」という取り組みのブースが目にとまりました。

佐賀県のチョコレート

 展開される8ブランド中、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザー(自称チョコレートオタク)の筆者が知っていたのは2ブランドのみ。しかもどれもおいしい、おもしろい! 全商品買いたくなってしまい、かなり困りました。

愛媛県のチョコレート

 たとえば、佐渡島の【莚CACAO CLUB(ムシロ カカオクラブ)】はアーモンドではなく地場産の「かやの実」を、佐賀県の【GRANDPOIR(グランドポワール)】は唐津産の希少品種「雪うさぎ(白いちご)」を、愛媛県の【U CHOCOLATE CLUB】は今治市の「無農薬洗い金ごま」、しかも炒りたてゴマを、それぞれ地域の特色ある食材を使ったチョコレートで個性が光ります。

富山県のチョコレート

 筆者が試食して虜になったのは、富山県【ハミングバード】の2種。1つ目の「ホタルイカ」は、想像を超えてホタルイカの風味が強く日本酒と合わせたくなるほど。1枚あれば2合はたしなめそうなほど、イカとカカオ両者の風味が跳ね上がります。もうひとつの「シロエビ」は口中にエビのうま味みが広がりました。

氷見うどんチョコレートの表側

 どんなに気に入っても買い物は40社すべて見てからと自分ルールを課していたので、【ハミングバード】にも1周してから買いに戻ったところ、お気に入りの2種は完売…。「奇跡的にラスト1個だけ残ってますよ」と教えてもらった「氷見うどん」を購入しました。

氷見うどんチョコレートの裏側

「氷見うどん」は、表はごく普通のチョコレートに見えますが裏にはうどんがゴロゴロ!! 食品ロスを意識し、ばち麺(手延べ麺の製造過程で出る副産物)を使用しているそうです。

 味わいはユズ麺をイメージしているそうで、やさしいユズの風味がしました。うどんは乾麺ほど固くはなく、ゆでたようなやわらかさでもなく、ほどよい練りあがりなので、クランチチョコレートのように食感を楽しめます。かむたびに小麦の風味が広がり、味がどんどん変化していきますし、ほんのり塩味もあるのでチョコの甘さを引き立ててくれます。驚きとおもしろさを兼ね備えたチョコレートに出合えました。

茨城県のチョコレート

 食材だけではありません。茨城県【Bean to bar chocolate Masakari】のパッケージは、常陸大宮市にある「紙のさと」という和紙屋さんの「西ノ内紙」と言う手すき和紙です。製造工程で使用する水は奥久慈の水。見た目からは温かみを感じられ、触るとやさしさを感じました。

 ほかにも静岡、長野、島根など全国各地の食材を堪能して大満足。主催した立花商店の野呂謙友さんは「チョコレートの世界は広いです。見え方、感じ方はそれぞれ。木村さんのように地方創生を感じる方もいれば、違う視点の方もいます。われわれ商社が縦と横を繋げることでもっと盛り上がって、地元でしか知られていない食材との出合いや、破棄されてしまっている食材を役立てることにつながればうれしいですね。来年も開催できればと思います」と話してくれました。

 クリスマス、バレンタインを前に、チョコレートの季節の幕開けを感じられたTokyo Chocolate Salonでの出合いでした。

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を活かし全国で食の取材を行う。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第62回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト