紅葉と温泉でリセット。福島県会津地方でゆったりワーケーション

全国各地で実施している仕事と休暇を兼ねた「ワーケーション」。地域の特性をいかしたさまざまなプランが用意されていることもあり人気が高まっています。今回は、自然や温泉を堪能できる福島県の「ふくしまワーケーション」から、歴史や奥深い文化を体感できる「会津地方」をご紹介します。

山に囲まれ、奥深い文化を有する会津地方

会津地方イメージ
会津地方のシンボルでもある「猪苗代湖」と「磐梯山」

 東北新幹線や東北自動車道・常磐自動車道など首都圏からのアクセスが良好な福島。首都圏以外の地域からも、福島空港を利用すれば気軽なワーケーションが楽しめます。

 福島県の魅力は、南北に連なる奥羽山脈と阿武隈高地により、大きく3つの地方に分かれていて、地域ごとに異なる特色があること。今回紹介するのは「会津地方」のワーケーション。会津東山温泉、喜多方市、裏磐梯、猪苗代のおすすめスポットをご案内します。

「県内でも内陸側に位置する『会津地方』は、山に囲まれ、湖沼なども点在する自然豊かなエリアです。自然の中でリラックスしながら集中してテレワークを行うことができ、合間の気分転換にアクティビティを楽しむのも良いと思います。また、会津地方は歴史や奥深い文化を有する地域でもあるので、お城や蔵、神社仏閣などを巡るのも楽しみの一つです」(福島県 ふくしまぐらし推進課・加藤鉄平さん)

会津若松を拠点に観光&温泉も楽しむ

鶴ヶ城
紅葉の名所でもある「鶴ヶ城」

 旅の拠点となるのが、会津地方の中心都市・会津若松。江戸時代は会津藩の城下町として栄え、現在も「会津武家屋敷」や「さざえ堂(国指定重要文化財)」、「白虎隊記念館」など、歴史的な観光スポットが数多く点在しています。そんなまちのシンボルが、2023年4月に全館リニューアルオープンした「鶴ヶ城天守閣」。幕末時代の赤瓦をまとった天守閣は圧巻。鶴ヶ城公園では、10月下旬から11月上旬まで紅葉が見頃に。

東山温泉
会津の奥座敷「東山温泉」

 その会津若松市の中心部から車で約10分と好アクセスなのが「東山温泉」です。およそ1300年前、名僧・行基によって発見されたと言われる温泉は、サラサラの硫酸塩泉。体の芯まで温まります。

「明治・大正時代には、竹久夢二や与謝野晶子などの文人墨客も逗留するなど、多くの文化人にも愛されてきた温泉郷。温泉に浸かりつつ、歴史に思いを馳せ、ゆったりとしたワーケーションが楽しめます」(加藤さん)

囲炉裏料理と貸切露天風呂で至福の時間を

いろりの宿 芦名
全7室の旅館「いろりの宿 芦名」

 東山温泉郷のおすすめの宿が、昭和初期の古民家風情が漂う建物が目を引く「いろりの宿 芦名(あしな)」。全7室しかないぜいたくな時間が流れる大人の宿です。名物は、「いろり会席」。地産地消の食材、郷土料理を、囲炉裏を囲んでゆっくり味わいます。

露天風呂
源泉かけ流し露天風呂は貸切利用も可能

 毎日湯を入れ替える源泉100%かけ流しの温泉は、内湯と露天風呂を完備。貸切利用で自分だけの時間を。また、1日2組限定の日帰り貸切風呂も好評です。

「蔵のまち」喜多方で懐かしい郷愁を感じて

蔵通り
趣ある蔵通りを散策してみよう
酒蔵
現役の酒蔵や味噌蔵にも出会える

「“私らしい”ハーティフルな生き方と出逢う旅」をテーマに、「人の交流」を重視するワーケーション推進に取り組んでいる喜多方市。「蔵のまち」として知られ、表通りはもちろん、路地裏や郊外の集落にまで蔵があり、その数は4000棟余。散策すると懐かしい郷愁を感じることができます。白壁、黒しっくい、粗壁、レンガなどの種類や扉の技巧にいたるまで、バラエティに富んだ蔵を見ることができるのも喜多方の特徴です。

コワーキングスペース
左・HUB「醸し場」、右・コワーキングスペース「かけはしスペース」

 そのなかでも象徴的な蔵通りである小田付(おたづき)地区には、喜多方ワーケーションの中心拠点となるワーケーションHUB「醸し場」を整備。喜多方を訪れる人のサポート・情報発信・交流の拠点となることを目指しており、新しい人との出会いも期待できるスポットです。

 そのほか、コワーキングスペース「かけはしスぺース」や古民家を改装した食堂&カフェのワークスペースなど、市内には複数のコワーキングスペースがあり、用途や気分に応じた使い方ができます。

喜多方ラーメン
自然の恵みから誕生した「喜多方ラーメン」

 喜多方に訪れたらぜひ味わいたいのが、喜多方ラーメン。飯豊連峰からの豊富な伏流水と、農産物に恵まれ、古くから酒・みそ・しょうゆなどの醸造業が栄えたことで生まれたご当地グルメです。「熟成多加水麺」と呼ばれる、コシが強い独特の縮れた平打ち麺は必食。

裏磐梯の大自然に身を委ねて過ごす

五色沼湖沼群
ハイキングコースも完備された「五色沼湖沼群」

 自然を満喫するなら、裏磐梯がおすすめ。磐梯山の北麓に位置する「裏磐梯」は、かつて磐梯山が噴火した際に、桧原湖や五沼などの数多くの湖沼群ができました。その後、人々の緑化の努力と相まって屈指の自然美が形成され、県内でも有数の景勝地に。

「この地域は磐梯朝日国立公園の中にあり、雄大な自然を五感で感じながら、ホテル、キャンプ場、スキー場などさまざまな施設でワーケーションを行うことができます。近年は、オオハンゴンソウやコウリンタンポポ、ウチダザリガニなどの外来種が大量に繁殖し、景観や生態系に悪影響を及ぼしていることから、ボランティアによる防除活動も盛んに行われています。ワーケーションの合間に、地元の団体などが行う「外来種の防除活動」のボランティアに参加し、環境問題についても考えてみませんか?」(福島県 自然保護課・山口さん)

猪苗代でアウトドアを堪能する

猪苗代湖
カヌーやSUPなどレジャーも人気の「猪苗代湖」

 福島県のほぼ中央に位置する猪苗代も自然豊か。猪苗代湖の北岸に面し、磐梯山をはじめとする山々に囲まれた雄大で美しいエリアです。ウィンタースポーツ、湖でのアクティビティ、日帰り温泉、登山、自然散策などアウトドア好きにはたまらないスポット。

 また、伝統工芸中ノ沢こけしの絵つけ体験や、猪苗代湖の水質改善を考えるプログラムなどに参加して、自然と人・自分に向き合う時間を過ごすのもすてきです。

取材協力/福島県 ふくしまぐらし推進課

<取材・文>寺川尚美