全国のおいしいものを返礼品でお試ししている、ふるさと納税ブロガーの小野くみさん。今回は北海道栗山町の日原メロンの魅力や、若手の町役場職員たちが取り組む「メロン男子」という少し変わった地域PRの様子を紹介してくれました。
栗山町の返礼品はスター揃い
毎年、秋になるとモンブランや栗きんとんなど栗系スイーツを目にするようになります。食欲の秋を言い訳にたくさん食べたくなりますが、今回紹介する「栗」は食べ物ではありません。栗の名がつく北海道栗山町の返礼品を紹介します。
栗山町は千歳空港から車で約1時間、人口1万2000人ほどの小さな町ですが、豊富なふるさと納税の返礼品で有名な自治体です。春には甘くみずみずしい極太アスパラ、夏と秋には甘く特別感のあるメロン、ふかしても素揚げにしてもおいしいジャガイモ、血液さらさらタマネギなどなどまるで個性豊かなアイドルグループのよう! 今の時期はオレンジ色をした日原メロンレッド種がセンターに陣取り、ジャガイモとタマネギが脇を固める感じでしょうか?
みずみずしくてジューシーな日原メロン
ふるさと納税界においてメロンと聞いて、真っ先に思い浮かぶのが栗山町の日原メロン。それほど寄付者によく知られた存在なのです(ちなみに「日原」は地名ではなく、生産者「日原さん」が由来)。
頻繁にSNSで目にすることから興味を持ったのですが、箱に閉じ込められた甘い香りとともに登場したのは、テンション上がる編み目模様のごほうびメロン。そんな気高さの一方、添えられたメモには食べ頃の日付が手書きで書かれてあり、その思いやりに一気に親近感がわくとともに、数千個にも及ぶ出荷数の人気のお品、すべてにこうしているかと思うと頭が下がる思いです。
届いた日原メロンレッド種はその名の通りオレンジレッドで、みずみずしさにあふれ柔らかくジューシー。包丁を入れた瞬間に違いがわかりました。高級果物店にありそうなメロンは口の中で溶けるようになくなり、まるで濃厚なメロンジュースを飲んでいるよう。ぜいたくに思える7000円という寄付額も、この時期だけのごほうびだと思えば納得です。
栗山町の職員が「メロン男子」として活躍
しかし、栗山町のスターは食べ物だけではありません。知る人ぞ知る広告塔として返礼品に彩りを添えているのが「メロン男子」。被写体になるのも慣れた様子のこの方たちは、なんと町役場の職員さんたち。
返礼品カタログの表紙を飾り、イベントなどでは楽しいトークも披露し、返礼品と一緒に職員さんたちのブロマイド写真も届くという盛り上がりぶりです。
食に恵まれた栗山町なだけに、メロンにアスパラ、タマネギ、トウモロコシとたくさんの返礼品とともに職員さんたちのブロマイドも魅力のひとつ。公務員のお堅いイメージはどこへ? 町役場にこんなにたくさんイケメンがいるの? いろいろ謎が残りますが楽しい取り組みに違いありません。
栗原町の観光スポット&町の交流場をオープン
ところがこんなに楽しそうに見える栗山町もまた、人口減で夜は早い時間から明かりが消えてしまう過疎の町。2018年にふるさと納税で資金を集めて、一念発起した元地域おこし協力隊の人たちが「くりとくら」というかわいい名前のカフェ&バーをオープンさせました。
農家さんたちが料理になった自分の作物と出会える場所、信号の明かりしか灯らないメインストリートに町の人たちが夜遅くまで集える場所ができたことは、過疎化が進む栗山町にはとても大きな出来事でした。こうした栗山町の楽しい取り組みの後ろには、過疎化の町を救うためのまじめな努力が隠されているのです。10月には「くりとくら」に武田良太総務大臣が視察に来られたそうです。
大変なときでも「楽しんで仕事をしていいよ~」「なんでも楽しんで取り組んでいいんだよ~」といった栗山町の雰囲気からはいろんな学びを感じます。
栗山町を起点に北海道を楽しみ、メロン男子がいるかもしれない「くりとくら」で飲み、そのまま併設された宿泊施設「くりとまる」に泊まる…。いつかそんな旅行をしてみたいと思います。
小野くみさん
ブロガー。2014年から、ふるさと納税の楽しさに目覚め、返礼品のレビューを中心にブログ「くみくみのふるさと納税返礼品の記録」にアップしている
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