フォトコンテストから肉の焼き方講座まで。碧南市の生産者SNSが熱い

―[くみくみのふるさと納税ダイアリー]―

 全国のさまざまな返礼品を取り寄せている、ふるさと納税コンサルタントの小野くみさん。いつも楽しくおいしい情報を届けてくれます。今回はYouTubeやインスタグラムなどで情報発信に力を入れている生産者さんをご紹介します。

インスタライブやフォトコンテストで情報発信

ジュエリートマト

 先日、LINEで読者モニターキャンペーンに申し込んだのですが、見事当選しました! その企画主はジュエリートマトで有名な愛知県碧南市の長田農園さん。ふるさと納税がきっかけで知った生産者さんですが、初めて届いたジュエリートマトの箱を開けたときの驚きは今でも忘れません。張りのある赤、黄、緑。数種類のミニトマトが詰め込まれている様子はキラキラ輝く宝石箱のよう。一粒一粒、その味を確かめるようにいただくと、皮の厚み、甘さ、酸味がそれぞれに違いそれぞれにおいしいです。

 お弁当にも、今日は何色にしよう? 緑のミニトマトなんてオシャレじゃない? と選ぶ時間も心が躍りました。ひとことにミニトマトと言ってもそれぞれに奥深く、トマトのおいしさを深く知ることができた貴重な経験でした。

長田農園のインスタ

 さて、私がふるさと納税を始めた8年前と比べると、自治体、事業者さんともにSNSを活用されているところがずいぶん増えました。当時はSNSが今ほど活発ではなかったので、発信してもどれほどふるさと納税につながるのかなと疑問に思うこともありましたが、長田農園さんのようにフォトコンテストを企画したり、インスタライブでトマト料理をつくったりと、SNSを活用する姿を見ると、寄付以外のよさもあるなと考えが変わりました。

 ふるさと納税をとおし、せっかくたくさんの方に知っていただいたのですからそのままにしておくのはもったいない! もちろんトマトもおいしいけれど、長田さんというお人柄もプラスアルファのおいしさなのだから伝えて大正解です。

 すごいのは長田農園さんのみならず、碧南市には役者が揃っていること! 示し合わせたわけでも、自治体が指導したわけでもないと思うのですが、臆することなく自分を表現できるのは地域性なのでしょうか?

作業の様子を丁寧に伝える武ちゃん農園

武ちゃん農園の玉ねぎ

 野菜つながりで、武ちゃん農場さんもインスタの投稿で知りました。トウモロコシやタマネギなど育てている畑の様子、出荷を待つ山積みの箱、お客様への感謝の気持ちなど、応援したくなるような投稿をされていて、武ちゃん農場のタマネギをランキングで見つけたとき、インスタが後押しとなり申し込ませていただきました。

 もちろんSNSから直接寄付につながることが一番ですが、季節ごとに変わる畑の様子やそのときに感じた言葉、コメントは、日記のようでもありアルバムのようであり、それはプライスレスな財産、励みになっているのではないでしょうか?

鋳造メーカーが肉の焼き方をYoutubeで伝授

おもいのフライパン

 最後に紹介するのは「おもいのフライパン」で有名な石川鋳造さん。無塗装で熱伝導率のいい鋳物のフライパンはメディアでもよく取り上げられ、届くまで3年待ちなんて時期があったほどなので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

 ふるさと納税で届く高級肉、せっかくならおいしく食べたいと、重さと手入れのひと手間を覚悟し頂戴しました。使ってみるとその手間は怖れるほどのものでもなく、おいしく焼けるうえに無骨なフォルムがかっこいい。

 そんな石川鋳造さんがすごいのはSNSでも難易度が高そうなYouTubeが主戦場。チャンネル名は「肉肉チャンネル~おもいのフライパン」。フライパンメーカーなのにお肉がタイトルの先にきているのが不思議だなと思いながら見ると、お肉愛あふれる社長が、自慢のフライパンを使ってお肉を焼き、時には飲みながら楽しそうに配信しているのです。好きとは言え動画という、時間も手間もかけ別格の発信力に脱帽、ここまでする生産者さんを他に知りません。

 偶然にも目立った発信をする碧南市の生産者さんたち。ふるさと納税がSNS発信のきっかけになったのかどうかはわかりませんが、生産物だけが接点で一方的な発信しかできなかったところから、双方向のやりとりができることができるようになりました。でもそれもやっぱり、何もしなければわからずにいたこと…。動いている人だけがわかる境地。恐るべし、碧南市!

―[くみくみのふるさと納税ダイアリー]―

小野くみさん
ふるさと納税コンサルタント。自治体や事業者と寄附者との橋渡し役や、返礼品の開発、記事の執筆、イベントの企画、セミナー、講演などを行う。また、ふるさと納税ブロガーとして『くみくみのふるさと納税返礼品の記録』を運営中。

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