フレッシュな味わい。鹿児島の高校生がつくった万能たれ&豚肉が大人気

―[くみくみのふるさと納税ダイアリー]―

全国のさまざまな返礼品を取り寄せている、ふるさと納税コンサルタントの小野くみさん。卒業の季節。青春の節目にいる子どもたちへのエールを込めて、高校生が開発した返礼品を教えてくれました。

地元で人気、入手困難な「万能たれ」

「万能たれ」と「トマトケチャップ」のセット
地元で大人気の「万能たれ」(左)、右はセットの「トマトケチャップ」

「商品開発は大人の仕事」、「学生がつくったものはプロには勝てない」と無意識に思い込んでいましたが、返礼品のなかには高校生が開発し、大人に負けない味のお品があることを知りました。
ことの発端は、熊本県八代市の道の駅を訪問したときのこと。おみやげを探していて同伴者にすすめられたのが「万能たれ」。万能たれ自体は珍しいものではありませんが、八代農業高校の生徒が開発し地元でも評判がいいというのです。

 この日は売り場をいくら探しても見つからず、結局売りきれ。高校生がつくったからという理由だけで人気商品になるとも思えず興味がわきました。

ふるさと納税でも「万能たれ」は入手できる

万能たれ
素朴なパッケージのたれはすっきりとした味わい

 道の駅で買えないのであれば、ふるさと納税で。早速納税し届いた万能たれは、手書きのイラストをコピーし貼りつけたパッケージで、お金をかけずともできることを考えたのだろうと想像できました。
 タレといえば添加物が多くご飯がほしくなるような濃い味つけの印象ですが、八代農業高校の万能たれは余計なものが入っていないようなすっきりとした味わい。高校生がつくるとこうなるのか、と味にもフレッシュさを感じてしまいました。
 開発のきっかけは地元のトマトや梨などのフードロス対策。開発後は、小学生への食育授業で野菜のBBQをするときに使用していたのですが「子どもが、いつも食べない野菜を食べた」、「おいしかった」という保護者たちの絶賛から火がつき、今では入手困難な「幻のタレ」と言われるまでになったのです。

「トマト甲子園」優勝のトマトケチャップも届く

トマトケチャップ
一緒に届くトマトケチャップも「万能たれ」に負けない美味しさ

 同梱のトマトケチャップもまた、完熟冬トマト「はちべえ」を無駄にせず使いたいという思いで開発し、商品化して間もなく九州内外の名だたるケチャップを押さえて「第1回トマト甲子園」で優勝。
 こちらもシンプルな材料だけでつくられ、一般的なケチャップと比べるとサラッとしたピューレのよう。酸味が少なくなにかの味が主張するわけではないのにクセになるおいしさ。ケチャップを食べたくてフライドポテトに伸びる手が止まりません。

トマトケチャップを作る高校生
トマトケチャップを作る高校生

 そんなおいしさの秘密は、大量にある食材の丁寧な下処理や、こがさないようゆっくりとかき混ぜること、機械に頼らず1本1本こぼさないようにビン詰めすることなど、たくさんの工程を丁寧に手間ひまかけて行うこと。採算を考える大人には難しいかもしれません。つくる高校生たちには、まだまだあどけなさが残り、おいしいものを届けてくれたことへの感謝と応援したい気持ちにさせてもらえました。

高校生が育てた黒豚「金の桜黒豚」

金の桜黒豚のポスター
金の桜黒豚のポスター

 鹿児島県いちき串木野市「市来農芸高校の金の桜黒豚」も印象的。畜産科をもつ市来(いちき)農芸高校は、鹿児島県産黒豚の種豚を育てる「黒豚指定種豚場」にも指定され、年間170頭ほど出荷もするという全国でも珍しい高校。その市来農芸高校の生徒たちもまた、自分たちが育てた黒豚をブランド化し注目を集めました。

豚のブランディングは後輩たちへのプレゼント

黒豚
生徒たちは自分たちが育てている豚のおいしさを知らなかった

 当初、生徒たちは「自分たちが育てた豚を食べたことがない」という状況。スーパーのお肉と食べ比べをするなどして、そのおいしさを知るところから始まりました。
 次の課題はブランディング。「足跡が桜の花びらに見える」こと「入学式や卒業式の桜」、「市花である桜」そして「これから畜産をになう自分たちは金の卵である」という意味をこめて「金の桜黒豚」と命名しロゴも考案。
 このブランディングは、単に今現在のPRを目的にするだけではなく、これから後に続く後輩たちへのプレゼントにしたいと生徒たちは考えていました。
 商品化してからは地元商店の協力も得て、とんかつ店でも採用。さらに生徒たちが1日従業員としてお客さまの声を聞くなど、流通までを一貫して学ぶ機会に。その様子はメディアでも取り上げられるようになりました。

金の桜黒豚飼育の五箇条
たくさんのこだわりがおいしいブランド豚を育む

 ブランド化は後輩たちへのプレゼントとのことでしたが、今でも返礼品のなかには「金の桜黒豚」を使ったものがたくさん。後輩たちはしっかりとプレゼントを受け取っているようです。
 ゲームや部活に熱中するお年頃、交代とはいえ365日休みなしでえさやりやお掃除などのお世話をする高校生に、親目線になって感動してしまいます。

同世代にも食べてほしい返礼品の豚肉

返礼品になっている金の桜黒豚
丁寧に並べられた美しいお肉

 いただいた豚肉はソメイヨシノのようなうっすらときれいなピンク色。ひと口食べておいしいと声が出るほどの味わいで、希少な豚であることにも納得。そして、丁寧に並べられた様子は、命を大切にしているからこそにも思えました。
 こんなにおいしい黒豚を育てているなんて、大人だけではなくたくさんの高校生たちにも食べてほしい、こんな同世代もいるということを知ってほしいなと思える返礼品でした。

―[くみくみのふるさと納税ダイアリー]―

小野くみさん
ふるさと納税コンサルタント。自治体や事業者と寄附者との橋渡し役や、返礼品の開発、記事の執筆、イベントの企画、セミナー、講演などを行う。また、ふるさと納税ブロガーとして『くみくみのふるさと納税返礼品の記録』を運営中。

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