ふるさとチョイスも太鼓判。農家が自信をもってすすめるお米3選

ふるさと納税の返礼品として、いつも人気の高いお米。最近は、各地でおいしいブランド米が登場し、どれを選んでいいのか迷うことも。今回は、ふるさとチョイス広報部の田中絵里香さんに、こだわりの生産者がつくった、とっておきのお米を紹介してもらいました。どれも、農家の思いがぎっしりとつまっていますよ。

お米のことだけ25年間考え続けた男がつくる超大粒米「いのちの壱」

岐阜県八百津町
この米をつくるには25年の歳月を要した

 標高600mの水源地で、農薬は除草剤のみ、肥料に米ぬかを使用してつくった「いのちの壱」は、超大粒で独特の食感と適度な甘みが絶品のお米です。

 このお米をつくるのは、岐阜県八百津町(やおつちょう)の山田正隆さん(通称山ちゃん)。25年間お米のことだけを考えてきたという山ちゃんは、これまでに約20品種ものお米をつくり、お米を学ぶためには、海外にも足を運ぶほど。

 そんな山ちゃんが15年もの間、試行錯誤を重ね研究したのが「いのちの壱」です。

 「いのちの壱」は、ほかのお米と比べて明らかに大きい粒が特徴ですが、大粒がゆえに割れやすくデリケートな品種です。そのため、つくり手の経験や知識がとても重要になります。

 栽培方法や乾燥の仕方、選別、精米など15年かけて、今年やっと納得できる品質に仕上がったそうです。

岐阜県八百津町
米農家の経験をすべて注ぎ込んだ山ちゃん本気の限定米

「一度しかない人生、自分なりに価値のある生き方をしたい」との思いから、アメリカ留学、警視庁警察官、横浜YMCAから農業へと転身を重ねてきました。どの職でも天職と思えるほど、実績を残してきた山ちゃんですが、知識も経験もゼロから農業を始めたときは、想像以上の辛さから挫折しそうになったこともあったそうです。

 そこから、安全なお米をつくりたい一心でお米と向き合ってきた25年。今は、「お米づくりをとおして毎日食べ物に対する畏敬の念や、ありがたさを実感できる人間になれたことが一番うれしい」と山ちゃんは言います。

豪雨災害乗り越えた「“福”興米」で被災農家を応援

岡山県総社市
豪雨災害がありながら、収穫できたお米
 
 岡山県総社市(そうじゃし)は、2018年の西日本豪雨で被災した下原地区の住民が、災害にも負けず収穫できた新米を「下原“福”興米『いよべ』」と名づけ、ふるさと納税のお礼の品にしています。この寄付金は、総社市の「復興関連事業」に使われます。

 下原地区は豪雨により、浸水とアルミ工場爆発の二重被害を受けました。幸いにも犠牲者は出ませんでしたが、出穂前の田んぼには流れ着いたゴミや工場からの飛散物が点在。水が引いた翌日には、住民や全国からのボランティアが総出で田んぼの復旧作業を開始。浸水で使えなくなった農機具は住民同士で貸し合い、地域を挙げて稲刈りをしました。

 多くの人の協力で2018年も新米を無事収穫。地元の氏神「伊与部(いよべ)神社」で、下原婦人会手づくりの「ふくふくこけしお守り」とともに祈祷。西日本豪雨から1年が経った2019年も、災害の逆境を乗り越え元気なお米を収穫することができました。

岡山県総社市
被害を受けた農家が協力しあって、収穫にこぎつけた

 下原地区農家の皆さんは「地元の商店だけでなく、ふるさと納税で出すことで全国に復興への歩みを発信できたのではないかと思います。災害直後の大変なときを一緒に戦ってくれたボランティアや、さまざまな形でご支援くださった皆さんに、感謝の気持ちを届けられるとうれしいです」と話しています。

 皆さんも被災農家の品を選び、被災地を応援してみませんか?

異色農家が絶対の自信をもつ、無農薬・無肥料のおいしいお米

千葉県鴨川市
「日本の米づくり百選」に選ばれ、ちばエコ農産物として認証

「うちの米は本当においしい」と断言するのは、千葉県鴨川市で田代農園を営む田代朗さん。55歳のときにご両親が亡くなり、大工から一転、農業を継ぐことに。周りの方に教わり苦労しながらも、手間暇かけた分、おいしくなるお米つくりの奥深さにはまっていきます。

 おいしいお米づくりのためには、新しいことにもどんどんチャレンジをする田代さんは、地域のなかでは変りものと言われていたそうです。そんな田代さんのお米は、「日本の米づくり百選」に選ばれ、ちばエコ農産物として認証を受けるほどおいしいお米に。

 鴨川市の農家の減少が続くなか、田代さんは、農業をおもしろいビジネスにすることで農家を増やすことを目標にしています。そこで始めたのが、おいしさを数値化すること。

 コンクールへ出品し、プロの目や計測器で点数をつけるなど、客観的な評価を数値化することで、自身の目標ができ、お客様も安心して食べることができると考えた田代さんは、研究を重ね、食味コンクールで4度も優秀賞を受賞。おいしさの数値化によって、付加価値がつき、売りきれになるほど人気のお米になりました。

 すると、周りの農家の反応も変化。今では鴨川産のお米のブランド力を強化し、儲かる農業を目指す仲間が増えてきたそうです。

千葉県鴨川市
「アトピーの孫にも安心して食べてほしい」とつくられたお米

 ここでご紹介するのは、アトピーに苦しむ田代さんのお孫さんのために、少しでも安心・安全なものを食べさせたいと、無肥料・無農薬で殺虫剤も除草剤も使わずにつくったお米です。
手間がかかるのはもちろん、無肥料でつくっているので収穫量はあまり多くありませんが、数量限定で、ふるさと納税のお礼の品としていただけます。

<取材・文/ふるさとチョイス広報部 田中絵里香>

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