豊かな水と気候風土を凝縮「水と緑のまち」でつくられるこだわりのビール

―[くみくみのふるさと納税ダイアリー]―

全国のさまざまな返礼品を取り寄せている、ふるさと納税コンサルタントの小野くみさん。今回は群馬県千代田町(ちよだまち)にある「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」で、ビールづくりのこだわりを取材してきました。

千代田町は都心から2時間の「水と緑のまち」

利根川
日本一の流域面積を誇る利根川

 群馬県千代田町は県の南東部に位置し、利根川を県境に埼玉県熊谷市や行田市と隣接。都心から公共交通機関で2時間弱の場所にあります。人口は1万人ほどで、農業と工業が一体化した自然豊かな町です。
 江戸時代は利根川水運の拠点として栄えるなど水との関わりが深く、今でも「橋のない公道」として赤岩渡船が川をはさんだ熊谷市との間を運航し、ボートや水上バイクなどを楽しむ人たちでにぎわっています。

赤岩渡船
赤岩渡船は公道のため 運賃は無料、乗りたいタイミングで船頭に声をかける

 米麦中心の農業が盛んな千代田町には田園風景が広がっており、夏の田んぼにはシロサギが降り立ちます。天然記念物のコウノトリが飛来することもあるそう。

豊富な資源を生かした製造業も盛ん

サントリー
企業群の中でもひと際目を引く巨大な麦芽サイロ

 工業団地には、大手製薬会社や化粧品関連会社などの工場が建ち並び、製造業を中心とした第二次産業も盛んなことが伺えます。そしてその工場群の1つに、広い敷地とひと際目を引くランドマークのような麦芽サイロがあります。じつは千代田町には、全国に4つあるサントリーのビール工場のうちの1つがあるのです。

多くの銘柄を生産する「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」

サントリー天然水のビール工場看板

 1982年に設立された「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」は、東京ドームのグラウンド21個分の広さ。ビールの原材料である水、麦芽、ホップでビールのもととなる甘い麦のジュースをつくる「仕込」から、缶、びん、たる詰めをする最終段階の「パッケージング」まで一貫して生産しています。
『ザ・プレミアム・モルツ』や『金麦』などの人気商品の生産はもちろん、全国にある4つの工場のなかで、「もっとも多くの銘柄」を「もっとも多く生産」しており、その規模はサントリー全体の生産量の約4割を占めています。

人口1万人ほどの小さな町が選ばれた理由

千代田町でつくられているサントリーのビール

「水」にこだわり、「水」を大切にしているサントリー。「水と生きる」というキャッチフレーズのとおり、良質な天然水の採れる土地を選んで工場を置いています。
 長い歳月をかけて育まれた天然水が豊富に取れ、ビール大麦の生産が盛んな千代田町は、サントリーのこだわりにかなう土地でした。

サントリー社員による森林保護活動の様子
社員による森林保護活動の様子

 サントリーではおいしいビールづくりのため、天然水を利用する一方で、持続可能な社会のために森林を育み、自然を守る活動をしています。

ビールづくりのこだわりが凝縮した工場へ

サントリー天然水のビール工場の内部
シンプルかつ美しい設計の工場内(廊下)

 普段は入れない工場内を特別に見せていただけることに。ビールができるまでの工程を案内してくださったのは、醸造技師長の西川政吾さんです。

醸造技師長の西川政吾さん
醸造技師長の西川政吾さん

 まずはサントリーのビールづくりの重要なポイントである天然水が、長い歳月をかけて森林でどのように育まれるのかを教えていただきました。

深層地下天然水が育まれる過程が解る模型

 次は原料である麦芽やアロマホップについて。実物を前にした説明では、ビールの香ばしさを感じる二条大麦麦芽を口に含むこともできました。

二条大麦麦芽
ほんのり甘くて香ばしい二条大麦麦芽

 材料について学んだあとは、テニスコート7面ほどのスペースに巨大な仕込釜が並ぶ場所へ。

仕込み釜

 ここでは、天然水に麦芽とホップを加え甘い麦のジュースをつくります。

 全国4つの工場のなかでもっとも多くの銘柄を生産している「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」ですが、とくに大切にしている「ザ・プレミアム・モルツ」シリーズのうまさへのこだわりを教えていただきました。
 1つめは、麦芽本来のうま味を深く濃く引き立たせるために、仕込釜で麦汁を2回煮出すこと。もう1つは、華やかな香りと良質な苦味を生み出すために、欧州産アロマホップを麦汁煮沸時と仕上げの最適なタイミングの2回に分けて投入することです。

そして酵母による発酵、熟成をうながす貯酒、澱などを取るろ過を行います。

説明をする西川さん

 ひとつひとつの過程を説明いただき、西川さんをはじめとするスタッフの方々のビールづくりへの熱意を感じました。
「理想のビールのうまさを追求するには、その土地の天然水をその土地の気候風土のなかで封じ込めることが大切と考え、取水から一貫した生産体制をとっています」と西川さん。
醸造家の思い、水や材料へのこだわり、そして「水と緑のまち」である千代田町の要素がそろっていることで、この地でのおいしいビールづくりが実現しているのです。
 千代田町は全国でも珍しいビール大麦の産地。サントリーのビールすべてに採用できるほどの収穫量ではないのですが、千代田町産のビール大麦も一部使用しているとのことでした。「天然水」と「ビール大麦」をもち合わせた千代田町とサントリーの出会いは、運命だったのかもしれません。

―[くみくみのふるさと納税ダイアリー]―

小野くみさん
ふるさと納税コンサルタント。自治体や事業者と寄附者との橋渡し役や、返礼品の開発、記事の執筆、イベントの企画、セミナー、講演などを行う。また、ふるさと納税ブロガーとして『くみくみのふるさと納税返礼品の記録』を運営中。

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