雑誌ESSEが企画した「ふるさとグランプリ2019」の総合グランプリを獲得した北海道白糠町(しらぬかちょう)のふるさと納税返礼品「北海道海鮮紀行いくら」は、海の宝石とも呼ばれ全国的にも知名度抜群。しかし、ふるさと納税の寄付金額が年々増えている白糠町の絶品グルメはいくらだけではありません。そこで、白糠町長にポストいくらの「推し」グルメ返礼品をうかがいました。
いくらだけじゃない!白糠町にはおいしいものがいっぱい
「私が今まで食べてきた『いくら』は一体なんだったの!」。誰もがそう感じてしまうほどの絶品いくらで、全国的に知られる白糠町は、くしろ地域の西に位置する自然豊かな町です。
映画『僕等がいた』や『ハナミズキ』の舞台となり、さえぎるものもなく太平洋を一望できる恋問(こいとい)海岸に昇る朝日の景観には、思わず心を打たれます。「白糠のいくらはこの海が育んだんだ」と納得させられる美しさです。
自然と食の町、白糠の返礼品はグルメ見本市
もちろん白糠町のいくらは、ふるさと納税の返礼品にも採用され、年ごとにファンを増やし続けています。しかし、海の幸、山の幸に恵まれた白糠町が誇る食材は、いくらだけにとどまりません。いくらを超える(?)絶品返礼品を白糠町の棚野孝夫町長に紹介していただきました。
「当初はこれだけ多くの方にふるさと納税で寄付していただけるとは思っていませんでした」と謙遜気味に話し始めた棚野町長。ポストいくらだけに、魚介類があがるのかと思いきや、最初に推していただい返礼品は、意外なことにラム肉とエゾシカ肉でした。
「確かに白糠町は漁業資源が豊富です。毛ガニにしても日本のなかでいちばん大きなものしか出荷していない町です。返礼品に毛ガニもありますが、量に限りがありますから全数を返礼品に当てられません。」(棚野町長)
つまり、寄付者への安定供給まで視野に入れた「推し」なのです。ただし、ラム肉もエゾシカ肉も「その替わりに」などというレベルの代物ではありません。
サミットの首脳晩餐会の食材に選ばれたラム肉
白糠町には丁寧に放牧で羊を育て、羊肉の加工・販売までを一貫して行う事業者さんがあり、そこで生産されたラム肉が返礼品に採用されています。ラム肉=ジンギスカンというイメージがありますが、白糠のラム肉は高級フレンチで使用される食材なのです。
「洞爺湖サミットの首脳晩餐会の食材にも選ばれました」(棚野町長)
ジンギスカンとして食べてもかまいませんが、かなりもったいない使い方です
万全の加工がエゾシカ肉を高級食材に
エゾジカ肉も高級食材です。日本でもジビエ料理は定着してきましたが、白糠のエゾシカ肉は国内で多くのレストランに食材として採用されムーブメントを支えています。
北海道には多くの野生エゾシカが生息していますが、一方で農作物への獣害は深刻な問題になっています。白糠町の事業者さんがエゾシカ猟を始めたのは約20年前。単に駆除するだけでなく、食用として流通させるまでにさまざまな工夫を重ね現在に至っています。
「クセがあるんだろうな」と思われがちなシカ肉ですが、白糠のエゾシカ肉は素早く血抜きを行い、やわらかく臭みがないのが特徴。低カロリーで低脂肪、そのうえ高タンパクというのもうれしい限りです。
調理は、素材のうま味を生かして味つけは塩・コショウ、日本酒でフランベすると絶品とのことです。編集部もエゾシカ肉のステーキをいただきましたが、まさに絶品!
女性に人気の数の子わさび漬け
最後にあがったのは、王道ともいえる数の子。
「返礼品の新製品づくりを町内の事業者さまにお願いして開発していただいたのが、数の子の松前漬け、わさび漬けなどです。とくに女性に人気です。」(棚野町長)
太平洋産の完熟玉のみ使用という逸品です。
白糠の食材は奥が深い。いくらだけで満足しないで、ふるさと納税で食材探検をしてみてはいかがでしょうか。
<取材・文/カラふる編集部>
カラふる×ふるさとチョイス