全国のおいしいものを返礼品でお試ししている、ふるさと納税ブロガーの小野くみさん。今回は、岩手県西和賀町(にしわがまち)でつくられる、わらびもちとクラフトビールをご紹介。なかでも、わらび粉100%でつくられたもちは「わらびもちの概念を覆すおいしさ」なのだそう。
わらびもちの概念を覆す、ふんわりとした口どけ
1月の終わりに菜の花やフキノトウが売られているのを見て驚いたのですが、今年は野菜たちも駆け足で春に向かっているようですね。そこで今回は、それらと同じ春の食材、わらびからつくられる岩手県西和賀町の「わらびもち」を紹介します。
じつは、わが家には若いのに和菓子党わらびもち大好きっ子がいて、それを知る友人の手土産はいつもわらびもち、私も催事があれば必ず買ってしまいます。そんなわらびもちに目がないことを知ってか知らずか、「わらび粉100%のわらびもちがすごくおいしい。わらびもちの概念が変わるよ」と力説する友人がいたのです。
これまでも充分おいしいわらびもちは食べてきたし、「わらびもちごときで概念が変わるなんて大げさだなぁ」と正直期待せずいただいたのですが…。結果は友人の言うとおり。
これほど柔らかく、ふんわりと口どけのよいわらびもちは初めて。口に入れた瞬間その場にいた全員が最上級のおいしさを表す「んっ~!」のうなり声や奇声をあげ、顔を見合わせました。
そのおいしさの秘密はどこにあるのでしょう?
原材料のわらび粉は、わらびの根っこを掘り出したものを叩きほぐし、洗い、精製することを何度も何度も繰り返しデンプン粉を取り出します。しかし、そこまで手間ひまをかけても採れるのはわらび1kgに対し50g。
実際、わらび粉自体が高額で取り引きされ、普段私達が口にしているものの原材料のほとんどはくず粉などのデンプン粉。わらび粉と書いてあっても外国産が多いのです。
もし身近でわらびもちが売られていたら、原材料を確認してみて下さい。ある意味ちょっとした驚きが得られます。
おいしさの秘密はもうひとつ。機械ではなく職人の匠の技、肌感覚でわかるおいしい柔らかさまで丁寧に練り上げているところにもあります。この全国でも珍しい逸品は3人の匠による町を代表するお菓子でもあるのです。
「わらびもちの概念が変わる」という、友人の言葉を大げさだと笑った私も「わらび粉100%のわらびもちを知らないことは人生で損してる」、そんな感想を口にしてしまいました。
そんなわらびもち、一度は食べてみませんか?
生産終了間近!おいしい銀河高原ビールを飲むなら今!
そしてもうひとつ、じつは西和賀町にはわらび餅以上に知られたお品があります。西和賀町を知らなくてもクラフトビール界で知られた存在「銀河高原ビール」と聞いてピンとくる方は多いのでは?
ビールはあまり飲まない私ですが、アンテナショップで見かけたブルーボトルに白を基調としたデザインにひかれ買ったことがあります。またデザインだけではなく、グラス越しに見る淡い小麦色も柔く優しい印象。
「クラフトビールはクセがあってツウの飲み物」、そんな先入観をくつがえすほど、飲みやすくのどごし以外のおいしさがあることを初めて知りました。
「銀河高原ビール」、この宮沢賢治をイメージさせるすてきなネーミングのビールは1996年西和賀町沢内地区の村おこし事業として誕生しました。以来、紆余曲折ありながらも町のシンボル的事業であり、ふるさと納税でも税収に大きく貢献してきました。
ところが先日、設備の老朽化、原材料や配送料の上昇から沢内工場での生産が終了する事が発表されたのです。
「浦安市からディズニーランドが撤退したら地元の人はどう思うでしょう? それと同じことに西和賀町は直面しています」そう語る方がいましたが、まさにこの言葉で町に起きた衝撃を想像できませんか?
関係のない私でさえ、せっかく見つけたごほうびビール、気のきいた手土産ビールの生産終了を残念に思うのに、地元の方達はそれ以上に残念な思いでしょう。一部、場所を変え生産は続けられるようですが、大部分の商品は生産終了となります。私も名残惜しくスーパーで見かけると必ず買ってしまうのですが、本当に最後となる銀河高原ビール、ラストチャンスにいかがでしょうか?
<写真・文/小野くみ>
小野くみさん
ブロガー。2014年から、ふるさと納税の楽しさに目覚め、返礼品のレビューを中心にブログ「くみくみのふるさと納税返礼品の記録」にアップしている
カラふる×ふるさとチョイス