ふるさと納税の返礼品として、人気の高い日本酒。全国でおいしいお酒がつくられていますが、今回は地域を盛り上げるための活動を積極的に行う自治体のお酒を、ふるさとチョイス広報部の福田擁大郎さんに教えてもらいました。
おばあちゃんのドライエディブルフラワーと日本酒が楽しめる
山々に囲まれ自然豊かな神話とたたらの里、島根県奥出雲町で、日常生活をちょっと特別な時間に変えるふるさと納税のお礼の品が生まれました。ドライエディブルフラワーと日本酒のセットの品です。
ドライエディブルフラワーとは、料理に添えることで彩りを与えて食べられる押し花です。有限会社トムは、おじいちゃんよりおばあちゃんの割合が多いという特徴や、おばあちゃんのお花を育てるための豊富な知識と経験、綺麗な空気、水、良質な土壌といった奥出雲町ならではの地域の資源を活用してビジネス展開しています。
ドライエディブルフラワーは、奥出雲町のおばあちゃん達の手によって、化学肥料、化学農薬などは一切使用せずに、たっぷりの愛情を込めて育てられています。
また、日本酒は、2017年に厚生労働大臣の「現代の名工」に選ばれた、簸上(ひかみ)清酒合名会社の松本年正杜氏によってつくられ、ふくよかなうまみと飽きがこない味が特徴です。
この2つのコラボの品は、奥出雲町とふるさとチョイスで開催した、町の事業者を集めた新たなお礼の品開発会議で生まれました。一見異色な2社ですが「皆さんの日常を特別な時間に。」という共通の想いで、開発されたふるさと納税限定のお礼の品です。
記念日はもちろん、がんばった日のごほうびなどに特別な1杯を楽しんでみてはいかがでしょうか。
能登の耕作放棄地削減に貢献できるお酒です
石川県能登町の数馬酒造の数馬嘉一郎さんは、24歳のときに当時日本一若い酒造の代表として、数馬酒造の社長になりました。耕作放棄地を活用した酒づくりや廃園になった保育園を活用したしょうゆの醸造など、地域の人を巻き込みながら地域資源を循環させるさまざまな取り組みを行っています。
酒づくりにおいては、「お米」「水」「体制」と3つのこだわりがあるそうです。
まず、「お米」。安心して飲める日本酒づくりのため、酒づくりの基礎となるお米は、玄米で仕入れています。自社で精米をすることで、再選別やお米の状態によって磨きの調整が可能になります。
次に「水」。水の硬度によって味が変わるため、酒づくりにおいて水はとても重要な要素になります。数馬酒造では、能登町の湧き水を使用。その硬度は1.7と全国でもトップレベルの柔らかさで、口当たりの優しいふくらみのある酒づくりにとても適しています。
最後に「体制」。世界農業遺産に認定された能登の景観を守るため、地元農家と連携して、耕作放棄地を水田に変え、酒づくりのためのお米の栽培を行っています。2014年から始まったこの取り組みによって、なんと東京ドーム5個分もの耕作放棄地削減を成し遂げました。
皆さんが数馬酒造の日本酒を飲めば飲むほど、耕作放棄地が減り、地域貢献にもつながるとても素晴らしい仕組みになっています。
今回ご紹介する数馬酒造のお酒は、市場に出回ることがない秘蔵酒。斗瓶取り(とびんどり)といって少量ずつしか集められない方法で絞った大吟醸酒を0℃で10年間低温熟成した、大変貴重なお酒です。
ダムの底で半年間熟成された日本酒
大阪府河内長野市にある滝畑ダムは、緑豊かな自然に囲まれ、夏にはキャンプ場でのバーベキューや渓流釣り、秋には紅葉と1年を通して多くの方が訪れます。そんな滝畑ダムを活用して始まった取り組みが「滝畑ダム地酒熟成プロジェクト」です。
2016年から、大阪府と河内長野市と地元酒造によって、地域振興と観光振興を目的として、滝畑ダムの湖底やダム施設の一部を活用した、地酒を熟成する取り組みが始まりました。ダムの湖底には、日光が当たらず、年間を通して温度が一定に保たれ、適度な揺らぎがあるといった、日本酒の熟成にとても適した環境があります。そこで、市内に唯一残る酒造「西條合資会社」の地酒を半年間熟成させています。
湖底で熟成したお酒は、コクやスパイスさを感じ、じっくり香りを楽しみなが味わっていただけます。
ふるさと納税で数量限定のレアな1本をご家庭で是非楽しんでみてください。
<取材・文/ふるさとチョイス広報部 福田擁大郎>
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