農家、フードバンクetc.コロナで困ってる人をふるさと納税で支援

コロナウイルス感染症拡大の影響で困っている人たちを助けるためのふるさと納税が、さまざまな自治体によって用意されています。ふるさとチョイス広報部の田中絵里香さんに、3つの事例を紹介してもらいました。

松坂牛を大切な人とシェアして生産者を支援

エサを食べる和牛
需要の減退で松坂牛を出荷できない状況が続いている

 日本三大和牛のひとつ「松阪牛」。現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛による観光客の減少や、飲食店の休業の影響を受け、松坂牛の需要が急激に低下。出荷ができないことで、牛農家は肥育のためのエサ代などの費用がかさむだけでなく、長期肥育によりそのまま牛が死んでしまうリスクにも直面しています。

 松阪牛の全体の20%を肥育する一大産地である三重県多気町(たきちょう)では、牛農家を救うため「松阪牛がつなぐ絆プロジェクト」を開始しました。

 このプロジェクトでは、寄付した人が松坂牛をもらうだけでなく、同量のお肉を大切な人に贈ることが可能に。寄付によって松阪牛の出荷量を増やし、牛農家の収入の増加につなげようという試みです。また、多気町に残る寄付金は、未来の松阪牛の振興に役立てるため、町内の畜産農家などが松阪牛の子牛を買い入れる際の補助金に活用されます。

牛農家の集合写真
松坂牛を食べることで牛農家を支援

 ちょっとぜいたくなおうちご飯を堪能できて、今は会えない家族や友人など大切な人への贈り物もできて、困っている牛農家の支援ができてしまう、そんな体験をふるさと納税でしてみませんか?

「食」に困っている家庭にお米のおすそ分け

おにぎりを持つ米農家
食べ物に困っている人をふるさと納税で支援

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、全国の小中学校の一斉休校による給食の停止や収入の減少などにより、「食」への不安を抱える家庭が増加しています。

 滋賀県高島市では、このような家庭を支援するため、寄付した方が受け取るお米の一部を困っている家庭におすそ分けできる取り組み、「ふるさと納税で三方よし お米シェアプロジェクト」を始めました。

 たとえば、通常だと1回の寄付で寄付者が15kgもらえるお米を、このプロジェクトでは、寄付者は10kgのお米を受け取り、残りの5kgはフードバンクを通じて困っている人に届けられるという仕組み。分け合うお米の比率はお礼の品によって異なり、寄付者自身が選べます。また、このプロジェクトを通じた寄付は、新型コロナウイルス対策や生活支援、地域経済対策にも活用されます。

フードバンクに寄付する人
高島市ではフードバンクを通じた支援を行ってきた

 高島市ではコロナ感染が拡がる以前より、「もったいないを笑顔と絆に」を合言葉に、家庭で余っている食品などの寄付を募り、フードバンクを通じて必要としている方に届ける「フードドライブ」という活動をしていました。

 普段からのこういった活動があったからこそ、コロナ感染拡大の影響下においてもすぐに関係者と連携し、今回のお米シェアプロジェクトをいち早く開始することができたそうです。

 コロナ感染のニュースが続くなか、なにか支援をしたいけど、どうすればいいかわからないという人も、ふるさと納税を通じて困っている方へのおすそ分けを体験してみてはいかがでしょうか。

そのほかにもプロジェクト対象品があります。

帰省自粛の学生へふるさとの味を送って応援

学生に届けれらる食料品
帰省を自粛している学生を支援するための品物を送付
 
 緊急事態宣言が全国に拡大され、不要不急の外出や県境をまたいでの移動の自粛などが要請されたことにより、地元に帰れず不安な生活を余儀なくされている、学生がたくさんいます。

 広島県尾道市では、地元に帰れない県外在住の尾道市出身の学生に「マスク」と「尾道ラーメン」や「ふりかけ」など、ふるさとの味をセットにした品を届ける、ふるさと納税の返礼品を開始しました。

尾道帆布のマスク
尾道帆布でつくられたマスクも送られる

 贈られるマスクは、尾道の伝統産品の尾道帆布(おのみちはんぷ)を使い、ひとつひとつ手づくりされていて、ふるさとの温もりを学生たちが感じることができる逸品です。

 たくさんの学生にふるさとの温かみや皆さんの支援の思いを届けるため、ぜひ参加してください。

<取材・文/ふるさとチョイス広報部>

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