ままかり、黒豆、白桃。肌に栄養を与えるおいしい岡山グルメ

[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.8/池田陽子]

美容や健康の観点から人気の薬膳料理。疲れた現代人を癒す薬膳の素は、全国各地に存在します。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんがアンテナショップで入手できる選りすぐりの薬膳グルメを紹介。今回は岡山アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」にお邪魔し、とっておきの青魚・黒豆・桃グルメを紹介していきます。

肌に栄養を与える美肌食材を探してアンテナショップへ

 ひとつできてしまうと、めっきり老けた印象になる「シミ」。そこで、外からのケアだけではなく、身体の中から「食べる美白ケア」も重要です。

 中医学では、シミは血の巡りの悪さが原因であるとしています。血は肌に栄養を与える、まさに女性にとって大切な「体内美女成分」。それが滞って身体のすみずみにまで行き渡らないと、新陳代謝が下がって老廃物がたまり、シミ、そばかすができやすくなってしまうのです。血の滞りはそればかりではなくクマ、肌のくすみと美容の大敵! 輝く白肌を目指すなら、体内の血を巡らせてたっぷり肌に栄養を与えることが大切なのです。

 オススメなのが青魚。血液をサラサラにして流れを促進し、老廃物を洗い流してくれるパワーがあるのです。また、黒豆も血行をよくするとともに、アンチエイジングにも役立ちます。フルーツでは桃が効果大。中国では古来より「美容長寿の果実」とされ、肌に潤いも与えてみずみずしい白肌を目指せます。

 そんな美肌効果のある青魚、黒豆、桃グルメを求めて、今回は岡山アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」を訪れました。

箸が止まらなくなるおいしさ!「ままかりの酢漬け」

ままかり
JF岡山漁連の「ままかりの酢漬け」(390円)

 岡山県民が愛してやまないお魚といえば、「ままかり」。正式には「サッパ」という体長10~15㎝ほどのニシン科の小さな青魚で、「あまりにもおいしいので、隣の家にご飯(まま)を借りに行ってしまう」ことが名前の由来とされています。

 岡山では主に「酢漬け」で食べるのがポピュラーで、郷土料理「ばらずし」の具材にもよく使われています。

 JF岡山漁連の「ままかりの酢漬け」(390円)は、とっとり・おかやま新橋館の大人気商品。米酢、しょうゆ、砂糖、唐辛子などを加えた特製の甘酢にままかりを漬け込んであります。小さな身体なのに、しっかりしたうま味をやさしくまろやかな甘酢が包み込み、箸がとまらなくなるおいしさ。ご飯を借りに行く前になくなってしまいそう(笑)。ご飯のおともだけではなく、おつまみにもよし。野菜と組み合わせて、サラダ仕立てにするのもオススメです。

ままかり酢漬け
郷土料理「ばら寿司」の具材にも使用。箸が止まらなくなる美味さ

まるで栗のような「煎り黒大豆 作州黒」

黒豆
海幸山幸本舗の「煎り黒大豆 作州黒」(432円)

 黒大豆生産量日本第2位を誇る岡山県。特に栽培が盛んなのが県北部に位置する勝英地域(美作市・勝央町・奈義町・西栗倉村)。古くは作州とよばれたこの地域では、特上品質のブランド黒豆「作州黒」がつくられています。中国山脈を背景とした盆地で、霧の日が多く黒豆の成熟にぴったりという環境で育った作州黒は大粒でツヤがあり、風味がよく、なめらかな食感が魅力です。

 そのおいしさを手軽に楽しめるのが、海幸山幸本舗の「煎り黒大豆 作州黒」(432円)。驚くほど大粒の作州黒は、香ばしく煎りあげてあるのにまるで栗のようなホクホク感! コクのあるうま味と豊かな甘味が口の中いっぱいに広がる絶品です。

作州黒
特上品質のブランド黒豆「作州黒」を使用している

果肉たっぷり、みずみずしい「岡山県産白桃ゼリー」

白桃ゼリー
谷尾食糧工業の「黄金の果実 岡山県産白桃ゼリー」(500円)

 岡山県を代表するフルーツ・桃。明治32年に岡山県の園芸家・大久保重五郎が甘味の強い品種「白桃」を発見し育成。ほかの産地では見られない白さと、きめ細やか口あたりが好評をよび、たちまち岡山の名産品となりました。
 歴史ある桃の産地・岡山では「桃の女王」ともいわれる「清水白桃」をはじめ、贈答品向けの高品質な白桃が多く栽培されています。

 谷尾食糧工業「黄金の果実 岡山県産白桃ゼリー」(594円)は、白桃のおいしさをギュッと閉じ込めたゼリーです。「果実を味わうゼリー」をコンセプトに、果実を口に入れたときの舌ざわりや歯ざわり、みずみずしさなど生で食べる白桃そのものの味わいを追求。白桃の果肉をたっぷりと使用し、瀬戸内産レモン果汁を加えて仕上げてあります。

 スプーンですくっていただくと、ザクザクぜいたくに入った果肉が弾けて、みずみずしいエレガントな甘さが口の中いっぱいに広がります。まさに白桃をかじったときのような、フレッシュさに感動! シーズン以外も、白桃のジューシーで気品のある味わいが存分に楽しめます。

白桃ゼリー盛り付け
みずみずしいエレガントな甘さが口の中いっぱいに広がる

●とっとり・おかやま新橋館

[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.8/池田陽子]

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)『サバが好き』(山と渓谷社)『「サバ薬膳」簡単レシピ』(青春出版社)など