茨城産サバ缶でつくる、本格シチリア風トマトパスタがうまい

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(20)]―

 女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。

便利でカラダにもうれしいサバ缶

サバ缶 朝獲り
 
 サバやイワシ、アジ、サンマなどの青魚は、生活習慣病を予防・改善する栄養素が含まれています。とくに血液をサラサアにしたり、悪玉コレステロールを減らしたり、脳を活性化する効果のあるEPAやDHAが豊富なので、日々の献立に積極的にとり入れたいものです。

 とはいえ、傷みやすいし、魚臭さや骨も気になりなかなか…という方も多いのが現状ではないでしょうか。そこで便利なのが、サバ缶です。

 とくに最近のサバの水煮缶は、新鮮なサバをすぐ加工してあり、おいしいものを選べば、あきることなくいただけます。常備しておくと、すぐにおかずになるので、便利!
 
サバ缶大根おろし
 
 そのまま器に盛っても味としては完成しているのですが、大根おろしとしょうゆを少々かけるだけで、見た目おいしそうなおかずの一品になります。今回は彩りに万能ネギの小口切りをのせました。青ジソの千切りで少しグリーンを添えると、缶詰だけの手抜き感がなくなります。
  

サバ缶とオリーブで本格シチリア風トマトソース・スパゲッティが手軽に完成!

サバ缶イタリアン

 サバ缶で本格的? と思うかもしれませんが、シチリア島ではイワシ料理が名物、トマトソースと魚介類の相性は抜群です。サバのうま味とオリーブの味でレストラン並みのおいしさに。白ワインとよく合いますよ。

●アレンジレシピ「サバ缶とオリーブのトマトソース・スパゲッティ」

 サバ缶とオリーブのトマトソースは1缶で作り、残ったら冷凍保存に。オムレツや鶏肉や豚、魚のソテーのソースとしてもおいしくいただけます。オリーブはここではグリーンを使用。ブラックでもOKです。
 
【材料】2人分
スパゲッティ 180g
サバの水煮缶(140g) 1缶
オリーブ 50g
タマネギ 1/2個
ニンニク 小1片
オリーブオイル 大さじ1
トマトソース(市販) 1/2缶
塩・コショウ 各適量
青ジソ(千切り) 適量
 
サバ缶イタリアン材料
 
【つくり方】
1 スパゲッティは塩大さじ1を入れた、たっぷりの湯で表示通りにゆでる。
2 サバ缶は骨を取る。オリーブは種を除いて粗切りに。種なしなら半分に切る。タマネギとニンニクはみじん切りにする。
3 フライパンにオリーブオイルとニンニク、タマネギを入れて炒め、タマネギがしんなりしたら、サバとオリーブを加え、ほぐしながらさっと炒めたら、トマトソースを加える。煮立ったら弱火にして5分煮て味をなじませる。
4 スパゲッティの湯をきって3のトマトソース適量をからめて器に盛り、青ジソをのせる。

野菜たっぷり「サバ缶そぼろ」はつくりおきに便利!

サバ缶そぼろ
 
 いつもはサバの切り身でつくるサバそぼろですが、サバ缶なら骨を取るだけですぐほぐれるので簡単。サバ缶によって塩味が違うので味を見ながらしょうゆの量は調整しましょう。ご飯にのせたり、混ぜたり、ポテトコロッケの具にしたりといろいろに楽しめます。

●アレンジレシピ「サバ缶そぼろ」

 ニンジン、タマネギ、干しシイタケを入れました。ほかにサヤインゲンや大豆の水煮、レンコンやゴボウを入れてもおいしくできます。冷蔵庫で3日ぐらい、それ以上は1回分ずつ冷凍保存に。
 
【材料】つくりやすい分量
サバの水煮缶(140g) 1缶
干しシイタケ 大2枚
ニンジン 1/2本
タマネギ 1/2個
ショウガ 1片
サラダ油 大さじ1/2
A(砂糖大さじ1/2、みりん大さじ2、酒大さじ1、しょうゆ小さじ1~2)
 
サバ缶そぼろご飯材料
 
【つくり方】
1 サバ缶は骨を取る。干しシイタケは200mlの水で戻し、やわらかくなったらみじん切りにする。戻し汁50mlは別にする。ニンジン、タマネギ、ショウガはみじん切りにする。
2 鍋にサラダ油を熱し、ショウガを炒める。香りがたったら、ニンジン、タマネギを加えて炒める。タマネギがしんなりしたら、干しシイタケとサバ缶を加え混ぜ、サバがほぐれたら、干しシイタケの戻し汁とAの調味料を加え、汁気が少なるまで煮る。

 甘辛味でご飯がすすみます。炒り卵をのせても。

サバ缶そぼろご飯

サバ缶を選ぶなら、サバ漁獲量の日本一の茨城県アンテナショップで

サバ缶高木商店
 
 常備しておくと便利なサバ缶ですが、さておいしいのはどれ? と探してみました。日本国内のサバの漁獲量を調べると、茨城県が第1位(農林水産省令和元年「海面漁業生産統計調査」)。ちなみに第2位は長崎県、第3位は静岡県です。

 そこで今回サバ缶は、銀座1丁目にある茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」で選びました。

 さすがにサバ缶の種類が豊富! どれもおいしそうですが、ふるさと納税に使われ、サバ缶をつくって50年以上と、茨城県のホームページでも紹介されている高木商店の水煮缶を2種類選びました。「さばの水煮 鯖」(370円/税別 190g 株式会社高木商店)、「朝獲れさば」(290円/税別 190g 株式会社高木商店)

「鯖」のほうは銚子港、波崎港で水揚げされた旬の大型サバを素材にしたもの、「朝獲れ」は数量限定品で、同じく銚子港、波崎港で朝獲れた旬のサバをその日のうちに詰めたものとあります。どちらもクセがなく、サバのうま味のきいたおいしい水煮缶です。料理にはどちらも差がなく使えます。常備するなら、ぜひお試しください!

アンテナショップイバラキセンス
アンテナショップイバラキセンス
 
 茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」は、2018 年に「茨城マルシェ」からリニューアルして「イバラキセンス」に。商品も多岐にわたり、地元産の加工品からお菓子、新鮮な野菜やフルーツなども扱い、またレストランやカフェも併設しています。

撮影・文・料理制作/坂口明子

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。