広島の定番B級グルメ「せんじがら」。つまみにランチに大活躍

広島で地元の人に昔から親しまれている万能おつまみ「せんじがら」。ちょっと耳慣れない名前のおつまみの正体や手軽に楽しめるレシピを、パーティスタイリストの浦岡裕子さんが紹介します。

せんじがらはホルモンを煎じた残り殻

せんじがら
コンビニやスーパーのおつまみコーナーにに当たり前のように置いてあるせんじ肉

 広島に引っ越してきて数か月経った頃、地元の方から突然いただいたこの謎の食べ物。手ざわりは硬く、色は茶褐色。塩がまぶしてあるような見た目。なんのラベルもない透明なビニールにざくっと入っていて、初めて見る者としては、正直ちょっと不思議に思いました。

 その食べ物「せんじがら」は、豚のホルモンをじっくり時間をかけて揚げ、塩や調味料をまぶしたもの。ホルモンを煎(せん)じて、脂を取った残り殻(がら)というのが名前の由来だそう。お好み焼き、カキが有名な広島グルメですが、せんじがらは広島のB級グルメとしておつまみの定番。酒好きの方なら、お酒のあてとして知っている人もいるかもしれませんが、広島ではコンビニにも取り扱いがあり、サービスエリアでも見かけることがあります。

 せんじがらの歴史は昭和にさかのぼり、所説あるようですが戦後、広島市で食肉処理場が盛んだったことから、その副産物として地元で食べられていたそう。やがて、食堂やお肉屋さんで取り扱われるようになったのだとか。硬いけれど、かんでいくほど味が出て、塩味もきいており病みつきになる珍味。お酒のあてとして、ご飯にのせてなど、そのままで十分いい仕事をしてくれるのですが、アレンジして楽しむこともできます

ランチにぴったり! せんじかすうどん

せんじかすうどん

 せんじがらは、簡単にランチをすませたいときにもぴったり! アレンジが簡単なので、ここでおすすめのせんじかすうどんのつくり方を紹介します

【材料】
冷凍うどん
せんじがら
めんつゆ(2倍希釈)
天かす
きざみネギ
※めんつゆ以外はお好みで

せんじかすうどん

 つくり方は、冷凍うどんを電子レンジで解凍し、めんつゆとお湯のだし汁にいれて少しゆで、せんじがらや天かす、ネギをのせて完成。せんじ肉は既に揚げてあり、火がとおっているのでのせるだけでOKです。せんじがらがだし汁に入ることで、脂のコクが出て、味に深みが出るのがたまりません! だし汁の温かさで柔らかくなった部分もおいしいです。

せんじかすうどん

 ネットショップや広島のコンビニでも手に入るのですが、おすすめは天ぷら屋さんでつくっているできたてのせんじがら! ぜひ広島に来たときには、ホルモン天ぷら屋さんに並んでいるお持ち帰り用のせんじがらを楽しんでいただきたいです

<取材・文/浦岡裕子>

浦岡裕子さん
広島在住。パーテイスタイリスト/バースデープランナー、harenohi_factory主宰。季節の行事やパーティイベント、子どものお祝いなど生活の中にあるハレの日を、キオクとキロクに彩りスタイリングすることをテーマに、イベント装飾のアイテム製作やWEBへのコラム掲載、パーティスタイリングやアイテム製作の誌面協力、子どもと親向け店舗での季節の装飾を担当するなどの活動を行う。