こってりニンニク風味!四日市名物「とんてき」のおいしいつくり方

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(22)]―

 女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。
 

四日市スタイルで豚肉ステーキをおいしく食べる

とんてきソース

 糖質をエネルギーに変えたり、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンB1を多く含む豚肉。元気を保ちたいときは積極的に献立に取り入れたい食材の1つです。

 薄切り肉、厚切り肉、ひき肉、かたまりとさまざまな部位がある豚肉は、おなじみの食材だけに定番の味になりがち。そこで試してみたのは三重県四日市市の名物料理、豚肉のステーキ、とんてき! こってりの濃厚な仕上がりが魅力です。

 ポークソテーやショウガ焼きとの違いは、最後にからめるソース。まずは本場の味が知りたくて、三重県のアンテナショップ『三重テラス』を訪ね、「四日市とんてきソース」(560円税込 230g/コーミ株式会社)を買ってきました。
   

四日市とんてきには千切りキャベツをたっぷり添えて

トンテキ

 四日市とんてきは、三重県四日市市で戦後間もないころからおなじみの料理。四日市とんてき協会のウェブサイトがあるほど熱の入れよう。普通の豚肉のステーキとは違い、分厚い豚肉にニンニクと濃厚なソースの風味が特徴で、千切りキャベツをたっぷり添えるのも鉄則です。
 
「四日市とんてきソース」は、少し甘めのウスターソース。とんてきはこれをからめながら煮詰めるのですが、色が濃く仕上がるわりに味はそこまで濃すぎることなく、ご飯のおかずとしておいしく仕上がります。
 

●アレンジレシピ「四日市とんてき」

 まずは「四日市とんてきソース」に表示されたものを参考に再現しました。1点、レシピではそのまま肉をソテーするのですが、焼きすぎてパサパサにならないように、またソースがよくからむように小麦粉をつけて焼きます。わが家では夫に大好評でした(笑)。

【材料】2人分
豚肩ロース肉(とんかつ用) 2枚
ニンニク 4かけ
塩・薄力粉 各適量
サラダ油(あればラード) 大さじ1
「四日市とんてきソース」 大さじ2
キャベツのせん切り…適量

【つくり方】

1 豚肉は、切込みを入れ軽く塩をふり、薄力粉を薄くまぶす。ニンニクは軽くつぶすか厚めの薄切りにする。
 
トンテキ材料
 
2 フライパンにサラダ油を熱し、ニンニクを入れ香りが立ったら肉を入れる。両面をこんがりと焼き、軽く火がとおったら「四日市とんてきソース」を入れ、とろみがつくまで煮詰める。途中裏返して肉の両面にからめる。

3 器に千切りキャベツをたっぷりと盛り、2を乗せる。
 

カリフラワーのマヨチーズ焼きの隠し味に「とんてきソース」!

カリフラワーグラタン

 ソースの応用は、冬野菜のマヨチーズ焼きの下味として使用。ほんのりスパイシーで、野菜の味を引き立てます。
 

●アレンジレシピ「カリフラワーのマヨチーズ焼き とんてきソース風味」

 電子レンジとオーブントースターで簡単につくれる野菜のマヨチーズ焼きは、野菜がたっぷりとれて、冬の献立の副菜向き。ワインにもよく合います。カリフラワーは火がとおるのが早く、ホクホクとしたおいしさ。ほかにブロッコリーや、ニンジン、ジャガイモ、カボチャなど、単独でも組み合わせても。
 
【材料】つくりやすい分量
カリフラワー 1/2個
「四日市とんてきソース」 大さじ1
マヨネーズ 適量
ピザ用チーズ 50g
パン粉 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1/2
塩・コショウ 各適量

【つくり方】
1 カリフラワーは小房に分け、「四日市とんてきソース」をからめてグラタン皿に並べる。
 
カリフラワーグラタン材料
 
2 ラップをして600Wの電子レンジに約1分20秒かける。

3 ラップを外し、マヨネーズを線状にかける。
 
カリフラワーグラタンレシピ
 
4 3の上にチーズをのせパン粉を散らし、オリーブオイルをかける。

5 オーブントースターに入れ約10分、こんがりと焼き色がついたらできあがり。
 
カリフラワーグラタン完成
 
 冷めたら、電子レンジで温めなおして。またはそのままお弁当のおかずにも。
 
 「四日市とんてきソース」は、味のバランスがよいので、サラリとしたデミグラスソースといった感じです。ハンバーグのソースにも合いそう。ケチャップと混ぜてもいいし、そのまま煮からめてもよさそうです。
 

三重テラス
三重テラス
 
 このソースは、日本橋にある三重県のアンテナショップ『三重テラス』で見つけました。『三重テラス』は「実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」をコンセプトに松阪牛から県内各地の海産物、農作物、加工品、お菓子など約1300商品が揃っています。併設のレストランは、地元の食材をふんだんに使ったイタリアンスタイルです。

撮影・文・料理制作/坂口明子
  
―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。