静岡県の伊豆半島と伊豆諸島は、全国有数の天草(てんぐさ)の産地。その天草を使って、女性たちがつくったスイーツが話題です。伊豆のところてん屋さんがこだわり抜いた素材を使った「ミルクかんてん」は、賞味期限がたった4日。こだわりの秘密について聞いてきました。
老舗ところてん屋がつくったプリンとかんてん
今回紹介する「河童のプリン」「河童のみるくかんてん」は伊豆半島で150年の歴史を有するところてんのブランド「伊豆河童」がつくった限定商品。「ところてん屋さんが寒天?」と思った人も多いはず。じつは「ところてん」も「寒天」も、もともとは天草が原料の同じ食べ物。簡単に言えば、ところてんを乾燥させたのが寒天なのです。
その天草を知り尽くした伊豆河童は国内でもトップクラスの品質を誇る伊豆産の天草を取り扱う会社で、伊豆産の天草は海女さんの手作業によって丁寧に採られている、とっても貴重なもの。手摘みの貴重な天草は不純物が少なく、クリアですっきりとした天草がつくられていているのです。
女性の「ほしいもの」を目指してつくられました
今回のプリン・ミルクかんてんの製作には、ところてんを知り尽くした5代目社長・栗原康浩さんを中心に、女性スタッフたちがチームを組んで「女性がほしいと思うもの」を目指したそうです。
「味やカロリーはもちろん、お土産に持ったときにデザインがよくて、話題性のあるもの。女性スタッフと会話を進めていくと、どんどん『ほしい形』が出てきました」と振り返る栗原さん。
女性スタッフたちは、まず「おみやげに持っていきたい」デザインにこだわることから着手。デザインは地元三島で活躍する女性デザイナーを起用して、透明なびんにオレンジとグリーンのおかっぱ頭に4種類の表情のかわいいカッパが目を奪われます。さらに「カッパ感」を出すために、カラメルソース・シロップは、カッパの好物であるキュウリの入れ物を使用。かつてお弁当のしょうゆ差しとして使われていたキュウリは、大阪のメーカーを探すほどのこだわりっぷり。女性たちのこだわりはデザインだけでなく、中身の細部にも行き渡っています。
さっぱりとした甘味と素材の濃厚さがポイント
そんなデザインやパッケージだけではなく、中身にもこだわったミルクかんてん。ミルクかんてんのミルクは静岡県東部の名産品「丹那牛乳」を使用。丹那牛乳の特徴は、その濃厚さ。濃厚な味わいのミルクに伊豆産の寒天を入れたミルクかんてんは、牛乳の風味が生かしながら、全体はさっぱりとした甘さが特徴。雑味のない牛乳本来の風味と甘味が口の中に広がり、スッと次の一口へと誘ってくれます。
その濃厚な牛乳の風味の最後に、ミルクかんてんのアクセントになっているのが、沼津・西浦が産地のみかんブランド「寿太郎みかん」がさっぱりとした後味を残してくれるのです。
昔懐かしい、牛乳寒天のノスタルジックさを残しながら、細部には現代的なリッチで豊かな味わいを感じさせてくれる、まさにおいしいところどりのミルクかんてん。伊豆をギュッと詰め込んだミルクかんてんは、シンプルながらやみつきになる味わいなのです。
カロリーはプリンの半分!体に優しいから「賞味期限は4日だけ」
そのやみつきになるミルクかんてん、気になるのはやっぱり体のこと。そこはやはり常にきれいでいたい、女性の心理を知っている女性が開発に携わるだけあって、とっても考慮されています。このミルクかんてんのカロリーは1びん73.6kcal。同じ量のカスタードプリン(約145kcal)に比べておよそ半分。しかも天草由来の食物繊維もあり、体に優しいから、思わず倍の量食べられます!(通常の量でも十分満足できますけどね)
さらにこだわりがもうひとつ。それは、通常なら防腐剤や着色料などを添加して賞味期限を長く、見栄えをよくするのですが、このミルクかんてんは本来の素朴な味わいを生かし、それを届けるために添加物を一切入れていないところ。短期間だからこそ一緒に食べたい人を想像して購入する、という仕掛けは女性ならではの発想。食べる相手のことを考えている、安全で安心そしておいしいものを食べてほしいという母心を思わせるこだわりが随所に見えるのです。
味や素材はもちろんのこと、食べる瞬間やその後味、選んだ素材や上手な使い方。ひとつひとつに「誰かと話したくなる」ストーリーが満載のミルクかんてん。それは伊豆の魅力と寒天を知り尽くした老舗が、女性スタッフと一緒につくった「お話したくなるスイーツ」に仕上がりました。
大切な人と食べてほしい、こだわりのプリンと寒天、ぜひ味わってみてください。
<取材・文/榎昭裕>
PRプランナー、沼津経済新聞副編集長。東京亀有生まれ、2014年に沼津に移住し、地域の情報発信、活性化活動を行っている。