カカオ豆を2時間ゴリゴリ…。手づくりチョコレートキットで撃沈

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記]

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カカオ豆から手づくりするキットが人気

 
チョコ自作

 2回目の緊急事態宣言がなされ、再びコロナが騒がれる今日このごろ。お土産コラムを書いている身としてはあちこち飛び回りたいところですが、二の足を踏んでいるのが実情です。

 まだまだ自主的ステイホームは続きそう…といったところで、おうちで楽しむのにピッタリのものを見つけました。その名も「カカオ豆から手作りチョコレート・キット」!京都府京都市に本社を構えるチョコレート屋「Dari K(ダリケー)」さんの商品です。

Dari K(ダリケー)

 カカオ豆からチョコを実際につくって、普段食べているお菓子の中でも製法が想像しにくいチョコをおうちでつくってしまおう! という食育キットでもあるわけです。素晴らしいじゃないですか! そんなわけで今回は豆から手づくりチョコに挑戦!したわけですが…。最初に記しておくと、完全にしくじっておりますので、一部始終を見守っていただければ幸いです。

 そこまでのチョコマニアではない私でも、「Bean to Bar」(カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行うこと)の流行はなんとなく知っていましたが、Dari Kさんでもインドネシアの最高品質カカオ豆をすべて自社調達、チョコレートを販売しているとのこと。

 さてこのキットには「カカオ豆」「説明書」「チョコの型」3点が入っています。カカオ豆って初めて手にしたかもしれない。

カカオ豆を焙煎してすりつぶしてチョコレートをつくる

豆から手づくりキット

 説明書にはチョコのつくり方だけでなく、カカオの収穫や流通についても書かれており、漢字にもルビ入り。

豆から手づくりキット

 大まかな手順としては、

洗う→焙煎→すりつぶす→砂糖を混ぜる→固める
という流れになります。ではさっそくさばいていく! 袋から出したカカオ豆を洗い、ふきんでよく拭いたらフライパンで焙煎していきます。

カカオ豆から手づくり

 カカオ豆の大きさはアーモンドくらいで、表面が凸凹してます。いっていくと、パチパチはぜる音とともに色が黒くなっていき、香ばしい香りが立ち込めていきます。コーヒー屋の前を通ったときの香りのような、それよりもっと甘い香りで、ココアのような…ココアは原料カカオ豆だから当たり前か。

カカオ豆から手づくり

 いい感じに焙煎できました! 少し冷ましたら皮をむいていきます。力を入れてパキッと割れたら焙煎できてる、ぐにゃっとした感触であればまだ生とのこと。皮をむく過程で豆ごと割れたりしますが、このあとすりつぶすので問題なしな様子。一口かじってみると、なるほどチョコレートを連想させる香ばしさと苦味はありますが、甘さはまったくありません。やっぱりアレは砂糖の甘さなんだね。分かってはいたけど……。

ここからが地獄の始まり。なかなかチョコレートにならない…

カカオ豆から手づくり

 さて、これをすり鉢とすりこぎで粉状にしていくのですが、ここからが地獄の始まりであった…。テキストには「ここが一番大変だががんばりましょう」とあるものの、「子どもと一緒に」を推奨されてるくらいなので、まあいけるやろと思っていました。このときまでは…。

ゴリゴリゴリゴリ

 ……が、これがなかなかすってもすっても終わらない…! 力めちゃめちゃいる…! 30代夫婦が交代でハァハァ言いながら2時間はゴリゴリやったでしょうか。(非力なだけ?)見本写真より若干荒いものの、「こんなもんでもう勘弁してください」という感じに仕上がりました。

カカオ豆からてづくり

 これを湯煎しながら更にゴリゴリやると、カカオの油が熱で溶け、皆が知ってるあの「チョコレート」状になる…はずだったんですが…。

カカオ豆からてづくり

 湯煎しても、混ぜても混ぜても、お湯の温度を変えても、待てど暮らせど「チョコレート」にならない…! 色は少し変わりましたが、にっちもさっちも液状になってくれないのです。

カカオ豆からてづくり

 格闘の末、もういっそ砂糖を入れれば状況が改善するのでは!?と規定の30gを投入するも(※本来はチョコレートペースト状になってから入れます)、そんなわけはなく。半ばやけくそで型に入れて冷やすも、翌日も同じ姿でした。

カカオ豆からてづくり

 ちなみに味の方は、ジャリジャリ食感にさらに砂糖のジャリジャリが加わって…。うーーーーーん。なんだこれは。チャレンジ失敗!!! 申し訳ない。

 おそらく敗因は「すり鉢が小さすぎた」=うまくすり潰せなかった=「カカオの細かさがたりなかった」ことではないかと思っています。まさか失敗するとは…。そして普段何気なくヒョイパク食べてるチョコづくりがここまで難しいとは。手作業でやろうとするとこんなにも大変なのか…!!という衝撃がありました。

 ちなみにちゃんと完成する姿は公式が動画化してくれていますのでよろしければ…。

 しくじっておいてなんですが、「お土産」としては人にあげるというよりも家族の時間のために買ってみると盛り上がる一品かと思います。これを読んだ方、十分な人手と、大きめのすり鉢を用意したうえで、ぜひわれわれの雪辱を晴らしてみてください。

チョコ作りって大変
チョコ作りって大変……

Dari K
『カカオ豆から手づくりチョコレート・キット』2,000円(税込)
日持ち ★★★★☆
配りやすさ ★★☆☆☆
難易度 ★★★★★

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第25回]

西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。