巣ごもり中の食べすぎに。高知のユズグルメで心も体もスッキリ

[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.12/池田陽子]

美容や健康の観点から人気の薬膳料理。疲れた現代人を癒す薬膳の素は、全国各地に存在します。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんがアンテナショップで入手できる選りすぐりの薬膳グルメを紹介。今回は東京都内にある高知県アンテナショップ「まるごと高知」で見つけた、食べすぎた体に優しい薬膳グルメを紹介します。

まるごと高知
銀座になる高知県のアンテナショップ「まるごと高知」

 コロナ自粛中で自宅時間が多くなるなか、ついつい飲みすぎ、食べすぎちゃうという人も多いのでは。胃の調子が悪い、二日酔いがつらい。そんなときにはぜひ薬膳の知恵で改善をはかりましょう。

 食べすぎで胃がもたれる、ムカムカして吐き気がするというときには、胃の消化能力をアップさせる食材を取り入れることが大切です。そんなとき、おすすめなのがユズ。薬膳ではダメージを受けた胃の働きを整え、ムカムカをスッキリさせてくれるとされます。また、「酒毒解消」という効能があり、二日酔いにも。暴飲暴食、二日酔いのお助けフルーツとしてこの時期は常備しておきたいものです。

 今回は高知県アンテナショップ「まるごと高知」にお邪魔し、高知ならではのユズグルメをご紹介します。

馬路村のおいしいユズをまるごと味わえる「ゆずしぼり」

ゆずしぼり
「ゆずしぼり」(無塩 730円)

 ユズの生産量日本一を誇る高知県。全国シェアの5割を占め、おもに夜間と日中の温度差が大きい山間部で栽培されています。気温差が大きいほど、ユズの果皮が厚くなって香り成分が多くなるとともに、果肉の酸味も高まり、香りと酸味のバランスに優れたユズができあがるのです。

「ユズの町」として全国的に知られる高知県安芸郡馬路村。人口約800人という小さな山村ですが、地元では一般的だったユズを全国に多くのファンをもつ特産品に育て上げました。 
 馬路村では除草剤、化学系農業、化学肥料を一切使用することなく、有機栽培に準じてユズの栽培を行っています。発酵鶏糞や落ち葉を肥料にして、土本来の力を引き出し、香りが優れたおいしいユズづくりに取り組んでいるのです。

 馬路村農協が運営する「ゆずの森加工場」では、さまざまなゆず商品が加工されています。ゆず、水、はちみつだけでつくられたジュース「ごっくん馬路村」や、「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」などの大ヒット商品がありますが、今回ご紹介するのは「ゆずしぼり」(無塩 730円)。その名のとおり、馬路村のおいしいユズを絞った100%果汁。高知県では定番アイテムとして愛されているという商品です。
 見た目が白濁しているのは、独自の製法で、皮からまるごと絞っているから。ユズ本来の香りと酸味を存分に味わうことができるのです。

 使い方は、しょうゆなどと合わせて「自家製ぽん酢」やドレッシングにしたり、酢の代わりに使ったりできますが、私のおすすめはシンプルに水で割って「ゆずジュース」に。さわやかな香り、なめらかな酸味、やわらかな苦味とユズそのもののおいしさが感じられるドリンクは、目が覚めるような味わい。心身ともにスッキリした気分に! 二日酔いの朝には、絶対におすすめです(笑)。炭酸水で割ってもおいしいですよ。

ゆずジュース
ゆずしぼりを水で割ってゆずジュースに。二日酔いの朝にオススメ

グローバルなゆずの里・北川村の絶品「ゆず茶」

ゆず茶
北川村ゆず王国「実生ゆず茶」(864円)
 
 高知県安芸郡北川村も、古くからユズの栽培を行う歴史ある産地。幕末の志士、中岡慎太郎が村内に自生していたユズに目をつけ、農民に栽培を奨励したことが始まりとされています。最近ではEU基準の栽培方法で育てたユズをフランスに出荷。高い評価を得ている「グローバルなユズの里」でもあります。

 北川村ゆず王国「ゆず茶」(864円)は、たっぷりのユズの皮と果汁を、はちみつとブレンドした商品。甘酸っぱいユズの香りと、アカシアはちみつのすっきりした味わいが絶妙なバランスで、まるごと高知でも大人気の商品です。

 お湯で割っていただくと、ふわっと漂うさわやかな香りに思わずほっこり。ユズ本来のやわらかな酸味と甘味が口いっぱいに広がります。そして、コクがあり味わい豊かな「皮」のおいしさに感動!

 このままマーマレードのようにパンに塗ったり、ヨーグルトに入れたりしていただくのもおすすめです。

ゆず茶
お湯で割ってゆず本来の香りと味を楽しむのもオススメ

ユズ香るさわやかな「かつおスティック」

姫かつおスティック ゆず味
土佐清水食品「姫かつおスティック ゆず味」(216円)
 
高知県は「宗田節」生産量も日本一を誇ります。宗田節は、カツオの仲間である「ソウダガツオ」からつくられたカツオ節。カツオ節よりうま味があり、香りが強いと料理人に親しまれています。土佐清水市が一大産地です。

 最近では、ソウダガツオを使ったさまざまな商品が登場しています。ユズとコラボレーションしたのが土佐清水食品「姫かつおスティック ゆず味」(216円)。旬の時期に水揚げされた脂のりバツグンのソウダガツオを大窯でゆで上げ、しょうゆと高知県産ユズ果汁を加えたタレで味つけして仕上げます。

 スティック状なのでそのまま丸かじり! ユズのさわやかな香りと酸味をまとった、ホクホクのソウダカツオはうま味いっぱい。後味もユズの効果でサッパリとしているのが魅力。

 このままおやつやおつまみに、ほぐしてサラダやパスタ、和えものに使うのもおすすめです。

かつおスティック
ゆず効果で後味もさっぱり

●まるごと高知

[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.12/池田陽子]

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)『サバが好き』(山と渓谷社)『「サバ薬膳」簡単レシピ』(青春出版社)など