東北最大の都市・仙台のお土産といえば、牛タン、笹かま、萩の月を思い浮かべる人も多いでしょう。確かに、それらは定番のおいしいものですが、実は仙台市民に愛され、ひっそりと大切な人に渡すお土産があります。今回は仙台駅周辺で購入できる、隠れた仙台土産のお店を紹介していきます。
明治創業の老舗青果店「いたがき」のフルーツケーキ
仙台市民が果物を贈るのに利用するのが、明治30年創業の老舗果物店「いたがき」です。フルーツパーラーや喫茶店、ケーキ屋も運営しており、「いたがき」が提供する季節折々のフルーツをのせたショートケーキは絶品です。
特にオススメなのが、夏に登場する桃のショートケーキ(約800円※季節によって価格は前後します)。甘すぎないクリームと生地のうえに、大きな桃が使用されていて、東京なら1ピース3000円すると言われても不思議ではないクオリティなのです。
いたがき本店は仙台駅東口から徒歩8分ほどのところにあり、フルーツパフェやケーキだけでなく、モーニングやアラカルト、食事メニューも豊富。駅から出ずにショッピングの合間にパフェやケーキを楽しみたい方には、仙台駅直結のエスパル店もあります。
また、仙台駅改札近くのエスパル東館にもケーキや焼き菓子、ゼリーやカットフルーツを購入できる店舗があります。ここは某航空会社のステイ先から近いこともあり、CAの間でも口コミが広がっているお店。仕事や旅行の合間に、果物が食べたくなったらぜひ行ってみてください。
「エンドー餅店」の仙台もち金時
仙台の名物といえばづんだ餅ですが、おいしいと評判なのが、仙台駅から車で6分ほど行ったところにある昭和22創業の「エンドー餅店」です。
エンドー餅店は、宮城県産の秘伝豆と「みやこがね」というお米を使ったぜいたくな粒たっぷりのづんだ餅で有名。添加物を一切加えていないこのおもちは、優しい甘味で長年愛されています。
そのづんだ餅で有名な老舗店が新作和菓子として出したのが「仙台もち金時」(180円税込)です。さつまいものブランドのひとつである「仙台金時」と、ブランド米「だて正夢」、みやぎものづくり大賞特別賞を受賞した「伊達の旨塩」の3つを組み合わせてつくられており、仙台金時を使用したあんは、ふんわり甘く上品で、幅広い世代から人気を集めています。
和菓子の甘さがそこまで得意ではない私も、おもちのおいしさも相まってあっという間にいただいてしまいました。人気店なので行列は必須、午後には品数が少なくなっていることが多いので、早めの時間帯の立ち寄りをおすすめします。
笹かま「鐘崎」の総菜や季節のかまぼこ
定番の仙台土産といえば老舗「鐘崎」の笹かまぼこ。笹かまの中でも圧倒的な大きさと厚みの「大漁旗」という笹かまが特に有名で、化学調味料不使用の体にも優しいかまぼこを提供してくれます。
しかし、同店ではほかにも、いろいろな総菜やお弁当を売っているのをご存知ですか? エスパル東館などにある鐘崎が運営する「杜のこんだて鐘崎」には、お土産売り場にはない商品がたくさんあります。
地元の旬の食材を組み合わさせた和総菜が中心で、ショーケースには彩豊かな総菜が並び、野菜多めのヘルシーなお弁当も販売しています。仙台駅の新幹線乗り場近くにもあるので、旅のともにぜひ購入していただきたい一品です。
また鐘崎のお土産売り場では季節によって期間限定でマイタケやセリ、タケノコなどが入ったかまぼこが販売されています。「季節のかねささ」と呼ばれ、とてもおいしく、子どものおやつから大人のおつまみにもぴったり。毎年冬限定(11月中旬~2月末)で仙台セリを使用した笹かまが発売されます。ぜひ期間限定の味をお見逃しなく!
どれも、仙台駅のなかや、近くで買えるものばかりです。定番土産に飽きた方、ちょっと違うおいしいものを渡したい方、新幹線の中でおいしいものを食べたい方はぜひ一度試してみてください。
<取材・文・撮影/竹岡真由香>
竹岡真由香
航空会社に7年勤め、日本と世界のおいしいものを食べ歩く。また世界のオーガニックや、美容の研究も行っていた。その経験を活かし、CA時代の同期と起業し、現在は副社長。オーガニック製品を取り扱うブランド「LE LION」のディレクターを務める