広島のローカルフード「がんす」。地元では給食でも登場します

住んでいないと知らない地域の食べものはたくさん! パーティスタイリストとして活躍する浦岡裕子さんが、広島に移り住んで、初めて食べた「がんす」の魅力を紹介します。

手軽な常備総菜。広島名物揚げかまぼこ「がんす」

のぼり

 広島に住んで1年が経とうとする頃、子どもから「給食で出たから今度家でつくってほしい」と言われたものが。子どもの説明によると「カツみたいなんだけど、食べた感じはぐにゃっとしてる…」。

 早速給食のメニュー表を見てみます。どうやら郷土料理を食べる日のメニューだったようで、そこには「がんす」とありました。広島に引っ越してきたわが家では初めて耳にする名前。調べてみると、家庭でつくるというより、買ってきて気軽に食べられるもののようで「せっかくだから食べてみようか」ということに。

「がんす」とは、昭和初期に誕生したと言われる「揚げかまぼこ」のこと。魚のすり身にみじん切りしたタマネギなどの野菜を混ぜて、ときには一味唐辛子も加えて、パン粉をつけて揚げたものです。カツみたいと言っていた子どもの言葉がよくわかりました。

 そしてもっとなじみのあるメジャーな食べ物にするため、広島の古い方言を使ったネーミングを冠したのが「がんす」のはじまり。呉や、広島市内の草津という場所ががんすづくりで有名だそうです。ちなみに、「~でございます」を広島の古い方言で言うと「~でがんす」になります。

がんすをおつまみにしてみた

がんす

 オーブントースターにアルミ箔を敷き、3~4分カリカリに焼き、マヨネーズやショウガじょうゆ、ウスターソースで食べるのが基本ですが、食べてみておいしかった2つのアレンジでがんすをご紹介します。

唐辛子入りのがんすを韓国のりを巻いておつまみに

唐辛子入りがんす
 
 韓国料理には唐辛子が入っていることが多いので、唐辛子入りがんすには韓国のりが合うのではと思い、韓国のりで挟んでおつまみでいただきました。少し汗が出るほどの辛さだったのですが、韓国のりのゴマ油の香りと塩っ気がマッチしてビールにとても合い、おいしいです!

お弁当や朝食にはサンドにして

朝食にも

【材料1人分】
●がんす 1枚
●マフィンバンズ 2枚
●とろけるチーズ 1枚
●青ジソ 2枚
●お好みでウスターソース

【つくり方】
チーズをのせたマフィンバンズ、がんすをそれぞれトースターで焼き、青ジソ、がんすを挟みます。

がんすサンド

 かまぼこならではの弾力によって、噛み応えが出て食べごたえのある、がんすサンド。大葉が揚げ物の脂っぽさを中和して、朝食や昼食にもぴったり。おつまみ、お弁当、食卓のおかずと使えるので、冷蔵庫に置いておくととても重宝します。今まで意識していませんでしたが、広島のスーパーの練り物コーナーにもしっかり置いてありました。

スーパー

 魚のすり身を使っていることもあり、地元水産会社がつくるがんすがやはりおいしいのでおすすめ。オンラインでも購入できますので、おつまみやお弁当の変わり種として、ひとつ加えてみるのも楽しいかもしれません。

浦岡裕子さん
広島在住。パーテイスタイリスト/バースデープランナー、harenohi_factory主宰。季節の行事やパーティイベント、子どものお祝いなど生活の中にあるハレの日を、キオクとキロクに彩りスタイリングすることをテーマに、イベント装飾のアイテム製作やWEBへのコラム掲載、パーティスタイリングやアイテム製作の誌面協力、子どもと親向け店舗での季節の装飾を担当するなどの活動を行う。