5分でシャキシャキ。岩手三陸の名産「すき昆布」で簡単おかず3品

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(25)]―

 女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。

お取り寄せするほどの重宝品「すき昆布」

きんぴら炒め
 
 すき昆布は昆布の幼葉を細く切り、湯通しして水洗いの後、乾のり状に加工したもので三陸地方の名産です。戻し時間は5分。昆布のうま味があり、磯の香り、味もしみこみやすく、シャキシャキした食感が特徴。ワカメと同じように使えるので、常備しておくと重宝する食材です。
 
 でも使いたいと思っても、意外に探さないと手に入りません。以前は取り寄せていましたが、岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」でいつでも購入できると知りました。
 
 何種類かありますが、どれも板状になっています。写真は1枚が4つ折りになっている「すき昆布(4つ折)」(475円税込 約30g/岩手県産株式会社)です。

すき昆布
 
 保存するときは折線に沿って切り分け、密閉袋に入れておくと便利です。切った1枚は約3~4gなので、常備菜に料理するなら1回分、2~3人分のサラダならさらに半分に切って戻すとちょうどいい感じに使えます。

すき昆布4つ折り
 
 1枚3~4gを水で戻すと、約50gの海草になります。水気をきって料理に使いましょう。

すき昆布戻し
  

大根やきゅうりと梅干で、さっぱり和風サラダに

大根ときゅうりとすき昆布和え
 
 戻したすき昆布を大根のサラダに加えるとワカメよりもシャキッとした食感がベストマッチ! 梅干しの酸味は、最後にエキストラバージンオリーブオイルをかけるとやわらぎ、風味もアップしておいしく仕上がります。
 

●アレンジレシピ「すき昆布の和風サラダ」

 大根とキュウリは塩をふって少しおき絞る、というひと手間で全体になじみやすくなるのでおすすめ。梅干しの塩分や酸味は種類によって異なるので、最後に味見をして、しょうゆや酢で好みの味に調えましょう。大根のほかに、ヤマイモの千切りやオクラなども合います。

【材料】2人分
すき昆布 切り分けた昆布1/2枚
大根 100g
キュウリ 1本
梅干し 大1個
塩 量
薄口しょうゆ 小さじ1
オリーブオイル 適量

【作り方】
1 すき昆布はさっと洗ってから熱湯に5分つけて戻し、湯切りをしてほぐす。
2 大根は太めの千切りして、塩少々をふって10分おき、水気を絞る。
3 キュウリは斜めに薄切りしてから千切りして、塩少々ふって5分おき、水気を絞る。
4 ボウルに梅干を種からはずして入れ、薄口しょうゆを加えて練り混ぜる。1、2、3を加えてあえ、薄口しょうゆや酢など(材料分量外)で味を調える。
5 器に盛り、オリーブオイルをたらりとかける。
 

きんぴらゴボウにすき昆布で食物繊維たっぷりのヘルシーな1品に

きんぴら炒めすき昆布
 
 すき昆布は野菜との相性がいいので、きんぴらゴボウにプラス。ショウガも加えて、さわやかに仕上げます。磯の香りとうま味、食感がするきんぴらゴボウ、サラダ感覚でたっぷりいただけます。

●アレンジレシピ「すき昆布入りきんぴらゴボウ」

 ゴボウとニンジンのきんぴらにすき昆布を加えます。昆布を加えたら、強めの中火でさっと炒め煮にするのがコツ。昆布がやわらかくなりすぎないようにしましょう。お弁当のおかずにも。

【材料】つくりやすい分量
すき昆布 切り分けた昆布1枚
ゴボウ 1本
ニンジン 1/2本
ショウガ 1片
赤唐辛子の小口切り 1本分
サラダ油 大さじ1/2
酒 大さじ1/2
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ1
めんつゆ 大さじ3

【つくり方】
1 すき昆布はさっと洗って、水で5分戻し、水気をきる。
2 ゴボウは5㎝長さの千切りにして水にさらす。ニンジンも5㎝長さの千切り。ショウガも千切りにする。
3 鍋にサラダ油を熱し、ショウガと赤唐辛子を入れる。香りがたったら、水気をきったゴボウとニンジンを入れて炒める。
4 全体に油が回ったら、調味料を全部入れて、炒め煮にする。野菜に火がとおったら、3を加え、全体を混ぜたら、火を止めて器に盛り、そのまま冷まして味をなじませる。
 

昆布と相性抜群の豚肉の炒め煮。ご飯がすすみます!

豚肉とすき昆布炒め

 豚肉との炒め煮は、昆布のうま味と豚肉のコクが溶け合って、ほかには代えられない絶妙な味です。さらにレンコンのシャキシャキ感をプラスするとよりおいしくなります。レンコンも火をとおしすぎないように、さっと炒めるのがコツ。

●アレンジレシピ「すき昆布と豚肉、レンコンの炒め煮」

 豚肉は、薄切りよりショウガ焼き用の少し厚めの肉を細切りにすると、昆布だしのきいた汁がからまった肉の味も楽しめます。またはしゃぶしゃぶ用の豚バラ肉で。その場合は細くきるのではなく、ざく切りにしてください。仕上げに青ジソを加えると風味がアップしてさらにおいしくなります。
 
【材料】つくりやすい分量
すき昆布 切り分けた昆布1枚
豚肉 150g
レンコン 1/3本(約100g)
青ジソの葉 10枚
サラダ油 大さじ1/2
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
めんつゆ 大さじ50㎖

【つくり方】
1 すき昆布はさっと洗って、水で5分戻し、水気をきる。
2 豚肉は厚めなら細切り、薄いならざく切りにする。レンコンは1㎝角のいちょう切りにして水にさらす。青ジソは千切りにする。
3 鍋にサラダ油を熱し、豚肉を炒める。肉に火が通ったら、水気をきったレンコンを加えて全体をさっと炒める。調味料を全部加えて、さっと1を炒め煮にし、火を止める。
4 粗熱がとれたら、青ジソを加えて混ぜ、器に盛る。

 一度すき昆布を使うと、クセになります。どの料理も実はワカメや早煮昆布を切ったものでは代えられず、すき昆布でしか出せない味なので、やっぱり購入するしかありません。ぜひお試しください!

いわて銀河プラザ
いわて銀河プラザ

<撮影・文・料理制作/坂口明子>
 
―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家レベル。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。