―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(27)]―
女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。
プレーンとスパイシー、おいしい2種類の国産ランチョンミート
おうち時間の食卓が続いていますが、たまには旅気分でローカル料理にチャレンジしてみませんか? そんなときの強い味方が各県のアンテナショップです。
今回は、青い空と青い海を思い浮かべるだけで心やすらぐ、沖縄ごはんにチャレンジ。銀座1丁目にある沖縄県のアンテナショップ「銀座わしたショップ本店」で食材をチョイスしました。
手に取ったのは、国産スパム「わしたポーク」。スパムは個人的に大好きなハワイのスパむすびにも通じます。スパムは、ランチョンミート、ソーセージミートの缶詰の商品名で、香辛料などを加えたひき肉を型に入れてオーブンで焼き、冷やしたもの。冷製ミートローフですが、缶詰のスパムがその代表。
「わしたポーク」は沖縄県産の豚肉と鶏肉を使い、合成着色料、化学調味料不使用、塩と香辛料、沖縄産黒砂糖で調味されたヘルシー食材。さっそく「わしたポークプレーン」、「わしたスパイシーポーク」(各507円税込 200g/沖縄物産公社)を購入しました。
プルトップタイプなので開けるのは簡単。また空気を入れるとスルリと簡単に塊が取り出せます。スパイシーポークとプレーン、どちらも見た目はそれほど差がありませんが、味はもちろん違います。スパイシーはその名のとおり、辛さもあり大人向け。酒の肴用につくるときにおすすめ。プレーンはシンプルな塩味で子ども向けにも安心して使用できます。
基本1枚を4等分して使うのがちょうどいい感じです。数日なら冷蔵保存、すぐに使いきれないときはラップに包んで冷凍保存に。
ハワイ気分でつくる、ちょっと甘辛スパむすび
ハワイのオアフ島ワイキキに滞在時は毎朝通う、スパムおむすびのおいしいお店があります。そこでいつも注文するのがスパム卵焼きおむすび。それを再現してみました。ハワイだけでなく、那覇から西表島へ向かう港の直営店でも、スパム卵焼きおむすびを売っています。こちらも間違いなく、おいしいです!
●アレンジレシピ「スパム卵おにぎり」
「わしたポーク」をこんがり焼いて、薄甘い卵焼きとの組み合わせ。ご飯には炒りゴマを入れて、軽く塩おにぎりにすると、最後まで飽きずに食べられます。プレーン、スパイシーどちらでもお好みで。
ご飯多めで、ボリュームのある仕上がりにするなら、スパムの焼き上がりに焼肉のたれを少しからめてしっかり濃い味に仕上げるのがおすすめです。
【材料】2人分
「わしたポーク」…1/2缶
卵…2個
ご飯…茶碗2杯
白炒りごゴマ…小さじ1
砂糖…小さじ2
酒…小さじ1
塩…適量
サラダ油…適量
マヨネーズ…適量
焼きのり…幅1㎝の帯状2枚
【つくり方】
1 卵に砂糖と酒、塩少々を入れてよく混ぜ、卵焼き器にサラダ油を敷いて熱したところに流し入れ、薄めの卵焼きをつくる。
2 ご飯にゴマと塩をつまみを入れてよく混ぜ、俵型のおむすび2個をつくる。
3「わしたポーク」は1/2缶分をさらに半分の厚みに切り、テフロン加工のフライパンに入れ、両面に焼き色がつくまで焼く。
4 2のおむすびの上に薄くマヨネーズを塗り、1の卵焼き、3の「わしたポーク」をのせ、のりで巻く。形を安定させたいときは、ラップで包む。
海辺のカフェランチ気分に。スパム&アボカド丼はビールにも合う!
カフェで人気のサラダどんぶりをつくりました。ご飯はすし飯でもいいのですが、ここはケチャップ味のガーリックライスに。ソースはピリ辛にして、食欲を刺激しましょう。
●アレンジレシピ「スパムとアボカドのカフェ風どんぶり」
スパムを焼かずにサラダ感覚でのせます。もちろん、焼いても、電子レンジで温めてもおいしいので、お好みでお試しください。
【材料】2人分
「わしたポーク」…1/2缶
アボカド…1個
レモン汁…1/4個分
ご飯…茶碗2杯
ニンニク(みじん切り)…1/2片分
タマネギ(みじん切り)…1/4個分
ケチャップ…大さじ1
顆粒コンソメ…少々
塩・コショウ…各適量
バター・サラダ油…各大さじ1/2
ソース(マヨネーズ大さじ1、唐辛子ペースト小さじ1/2、牛乳…大さじ1/2)
青ジソ(せん切り)…3枚分
【つくり方】
1「わしたポーク」は1㎝ぐらいのサイコロ状に切る。アボカドも皮を取り、1㎝ぐらいのサイコロ状にしてレモン汁であえる。
2 ソースの材料は混ぜておく。
3 フライパンにサラダ油とバター、ニンニクを入れて熱し、香りがでたらタマネギ、ご飯を入れて、さっと炒める。ケチャップ、顆粒コンソメを加え混ぜ、塩とコショ
ウで味を調えたら、器に盛る。
4「わしたポーク」とアボカドを盛り、ソースをかけ、青ジソをのせる。
スパムと豆腐、ゴーヤで、ボリューム満点! ゴーヤチャンプルで明日も元気に
タンパク質とビタミンたっぷりのおかずです。ゴーヤの苦味も特徴ですが、苦さが苦手ならスライスしてから塩をして少しおきましょう。また、ツナ缶を使うことは沖縄在住の友人から聞きました。ツナ缶でも苦味が気にならなくなるようです。
●アレンジレシピ「ゴーヤチャンプル」
沖縄の代表的なおかず、ゴーヤチャンプル。豚肉かスパムを入れることが多いので、ここでは「わしたポーク」を使います、卵は最後にとじてもいいのですが、見た目がきれいなのは先に炒めて取り出し、最後にあわせる方法。料理は見た目も大事です!
【材料】つくりやすい分量(3~4人分)
「わしたポーク」…1缶
ゴーヤ…1本
木綿豆腐(または島豆腐)…1丁
卵…2個
ツナ缶…1缶
めんつゆ…小さじ2
塩・コショウ…各適量
ゴマ油…小さじ1
サラダ油…適量
削りカツオ…1.5g(小1袋)
【つくり方】
1「わしたポーク」は4等分の薄切りにしてから短冊切りにする。ゴーヤは縦半分に切り、スプーンで種とワタをとってから薄切りにする。塩少々をふって混ぜておく。
2 豆腐は手で大き目の一口大に割ってキッチンペーパーにのせ、水切りする。ツナ缶は軽く汁気をきる。
3 卵はほぐして、軽く塩・コショウする。フライパンにサラダ油大さじ1/2とゴマ油を熱し、卵を入れて、大きく混ぜながら7分とおり火をとおし、ボウルに取り出す。
4 フライパンにサラダ油大さじ1/2をたし、豆腐を炒める。全体に薄く焼き色がついたら、器に取り出す。
5 さらにフライパンにサラダ油少々をたし、ゴーヤを炒める。ゴーヤが少ししんなりしたら、1の「わしたポーク」とツナを加えて炒める。
6「わしたポーク」が温かくなったら、4の豆腐を戻し、めんつゆ、塩・コショウで味を調える。3の卵を戻し入れ、全体に大きく混ぜたらでき上がり。
7 器に盛り、カツオのけずり節をかける。
今回紹介した商品を購入した「銀座わしたショップ本店」は、沖縄の物産を圧倒的な品揃えで扱っています。ちんすこう、サーターアンダギーなどのお菓子、島唐辛子の調味料、沖縄の塩など魅力的な商品がいっぱい。沖縄以外、ここでしか買えないものが多いので見応えがありますよ。
撮影・文・料理制作/坂口明子
―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―
坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。