生産量日本一。青森のアンテナショップの体に優しいゴボウグルメ

[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.14/池田陽子]

美容や健康の観点から人気の薬膳料理。疲れた現代人を癒す薬膳の素は、全国各地に存在します。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんがアンテナショップで入手できる選りすぐりの薬膳グルメを紹介。今回は青森県のアンテナショップ「あおもり北彩館」で見つけたゴボウグルメを紹介します。

青森のゴボウグルメで体をすっきりさせて

青森県のアンテナショップ
青森県のアンテナショップ

「ダイエットをしてもなかなか体重が減らない」「しっかりケアしているのに肌のコンディションがイマイチ」。こんな人は、もしかしたら体の中に「ゴミがたまっている」状態なのかもしれません。

 中医学では健康で美しい体をつくるためには、不足しているものを補うことと同時に、「余分なものを排泄すること」も大切だと考えます。

 現代人は、食生活が豊かな分「補い過ぎている」傾向があり、老廃物などをため込みがち。体調不良や、美容面でも肌荒れ、吹き出もの、太りやすくなる、ダイエットをしても、なかなか体重が減らないといったトラブルを引き起こしてしまいます。そんなときはデトックス食材を取り入れて、しっかり体内をリセットすることが大切です。

 デトックスに威力を発揮するのが、ゴボウ。老廃物を追い出す作用が高い食材なのです。便秘の改善にも役立ちますし、のどのはれや痛み、花粉症の鼻づまりにもおすすめ。実は、春はもっともデトックスに向く季節。冬は寒さに耐えるために、身体が栄養を溜め込みますが、春は新陳代謝がアップして蓄積したものをいったんリセットするために、余分な脂肪や老廃物を追い出そうとする「デトックスの季節」なのです。今こそ、ゴボウで体スッキリを目指しましょう。ちなみに山菜もデトックスにおすすめ。ゴボウと組み合わせるとより排出パワーがアップします。

 今回は青森の食の幸が揃う青森県アンテナショップ「あおもり北彩館」から、とっておきのゴボウグルメを紹介します。

 ゴボウの生産量日本一を誇る青森県。国内出荷量約4割を占め、県の太平洋側に位置する三沢市・十和田市・おいらせ町・六戸町が主な産地です。このエリアは夏場、「ヤマセ」とよばれる冷たい風が吹き、冷涼な気候を好む、ゴボウの栽培にぴったり。香りや風味がよく、ほどよく身が締まりシャキシャキした食感が魅力のゴボウに育つのです。

驚きのさわやかでジューシーな「ゴボウの甘酢漬け」

甘酢漬け商品
十美商事「十和田美人ごんぼ まるごと甘酢漬け」(211円)
 
 青森県十和田市・十美商事の「十和田美人ごんぼ まるごと甘酢漬け」(211円)は、十和田市産のゴボウを使った甘酢漬け。肥料の与え方など、土づくりからこだわって栽培されたゴボウのみを、リンゴ酢をベースにした甘酢に漬け込んで仕上げてあります。

 きめ細やかな肌、スラっとのびた「美人すぎる」ゴボウをかじると、カリッと心地よい歯ごたえ。そして、とんでもなく、みずみずしくてジューシー! 繊維がやわらかく、なめらかなので、まるで「アスパラガス」を食べているような気分!?

さらに甘酢もゴボウの風味を引き立てるほどよい甘酸っぱさ。「ゴボウってこんなにさわやかだっけ!?」と驚くおいしさ、ぜひお試しを。

甘酢漬け
りんご酢をベースに漬け込まれたごぼうは美味

ゴボウ、山菜、毛豆。豊かな味わいが楽しめる「けの汁」

けの汁商品
ハマダ海産「けの汁」(500円)
 
 津軽地方の郷土料理「けの汁」にも、ゴボウは欠かせない食材。けの汁は、大根・ニンジン・ゴボウなどの根菜、そしてフキ・ワラビ・ゼンマイなどの山菜類や大豆、凍み豆腐、油揚げなどをさいの目切りにして煮込み、みそやしょうゆで味付けした具だくさんの汁もの。 もともとは小正月につくられていたそう。

 青森県弘前市・ハマダ海産「けの汁」(500円)は、大根・ニンジン・ゴボウ、ワラビ、山フキ、おもに津軽地方で栽培されている在来種の枝豆「毛豆」、油揚げ、凍み豆腐を昆布だしでじっくり煮込み、みそで味つけした商品。

 こっくり煮込まれた大根やニンジンの甘味、ゴボウの土の味、山菜のほろ苦さ、豆の豊かなうま味。さまざまな具材の風味が、混然一体となった味わい、そして異なる食感の心地よいリズムが楽しめます。

 いただくうちに、雪深い大地にも負けないパワーがみなぎってくるようなおいしさです。

けの汁
大根、にんじん、ごぼう、毛豆などの具をじっくり煮込んだ汁は絶品

まろやかな甘味に癒される「ゴボウ茶」

ごぼう茶商品
柏崎青果「フデばあさんのおいらせ 金のごぼう茶」(1000円)
 
 青森のおいしいゴボウはお茶でも楽しめます。青森県おいらせ町・柏崎青果「フデばあさんのおいらせ 金のごぼう茶」(1000円)は、良質な青森県産ゴボウを丁寧に乾燥させたのち、独自の二度焙煎製法で仕上げたお茶。ゴボウの風味、香りに徹底的にこだわってつくられたというお茶は、ふわっと、穏やかな大地の香りが漂い、口に含むと驚くほどのまろやかな甘味。どこまでもやさしい味わいで、癒されます。

 冷やして麦茶感覚で飲んだり、焼酎のゴボウ茶割りにしてもおいしくいただけます。茶殻は、みそ汁の具やスープに使うのもおすすめです。

ごぼう茶
これからの季節、冷やして飲んでもおいしい

【アンテナショップ情報】
●あおもり北彩館

[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.14/池田陽子]

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)