―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(29)]―
女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。
和歌山特産のすっぱいかんきつ「じゃばら」
「じゃばら」ってご存じですか? ユズやカボスと同じかんきつ系の果実で、最近花粉症に効果があるとされる果物です。特産地は和歌山県北山村。果実は11月ごろ収穫し、12月から2月に出荷されます。使い方はユズやカボスと同じで、皮は風味付けに、果汁は料理や飲み物に使います。味は酸味が強めでほろ苦さがあるのが特徴です。
そんな「じゃばら」に出会ったのは、東京・有楽町にある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」。和歌山は、ミカンや梅干の名産地として知られていますが、今や「じゃばら」の加工品も果汁から飲料、粉末など数多くそろっていて目立っていました。そこでいくつかあるなかから、100%果汁の「シトラスじゃぱら果汁」(1058円税込 200㎖/特定非営利活動法人 花咲か)を購入。
まずは、ストレートで20mlをゴクリ。もちろん酸味がグッときますが、ほろ苦さもあり、毎日飲める感じです。
さらに炭酸で割れば、ぐっと飲みやすくなり、さわやかです。なので、ハイボールや焼酎割りにもおすすめ!
さわやかな風味でおいしく仕上がる、「万能じゃばら甘酢」レシピ
混じりけのない、さわやかなじゃばらの果汁、そのままレモン汁のように焼き魚や肉にかけたり、ドレッシングに使ってもいいのですが、ここはひと工夫。甘酢にしておくと、そのまますし飯にできたり、あえものに使ったりできるので、さらに便利になります。
●アレンジレシピ「万能じゃばら甘酢」
じゃばら果汁に煮詰めたみりんと塩を加えるだけ。冷蔵庫で保存すれば2週間ぐらいは使えます。それ以上なら角氷にして冷凍しておくと安心。みりんなら甘さもやわらかで、うま味もある仕上がりに。しょうゆを加えれば、ポン酢としても使えます。
【材料】
みりん…1カップ
塩…小さじ1
じゃばら果汁…3/4カップ
【つくり方】
1 小鍋にみりんを入れ、半量になるまで煮詰める(煮立ったら弱火にして約5分)
2 塩小さじ1を入れて混ぜ、冷ます。粗熱がとれたら、じゃばら果汁を加え混ぜ、保存容器に入れる
アレンジレシピ「豚しゃぶともやし、きゅうりのじゃばら甘酢ドレッシング」
ゆでた豚バラ肉とキュウリ、モヤシをあえるだけのサラダ。お酒のおともにもおかずの一品としても。好みで七味唐辛子をかけても。
【材料】2人分
しゃぶしゃぶ用豚バラ肉…150g
キュウリ…1本
モヤシ…1/2袋(根切りモヤシがおすすめ)
酒・塩…各適量
ドレッシング(万能じゃばら甘酢大さじ1、オリーブオイル大さじ2、しょうゆ小さじ1、塩・こしょう各少々)
【つくり方】
1 豚肉は酒入りの湯でさっと火をとおし、冷水にとって冷めたらすぐペーパータオルの上にのせ、水気をきる。
2 キュウリは斜め薄切りにしてから千切りにする。モヤシはさっと塩ゆでにして、ざるに上げ、水気をきる。
3 ボウルに1と2を混ぜてから、器に盛る。ドレッシングの材料をよく混ぜて、添える。
すぐ食べるなら、全体にドレッシングであえてから盛り付けても。
アレンジレシピ「鶏肉のじゃばら甘酢風味」
鶏肉をカリカリに焼いてから、最後に甘酢たれでからめます。ピーマンやブロッコリーと一緒に焼いたりもできます。ここではジャガイモを一緒に焼きましたが、その場合は、甘酢たれをからめる前に取り出して、塩こしょう味だけにしました。この甘酢風味、マヨラーなら、さらにマヨネーズやタルタルソースをかけると禁断の味になります!
【材料】2人分
鶏モモ肉…1枚
ジャガイモ…小2個
甘酢だれ(万能じゃばら甘酢大さじ2,しょうゆ大さじ3、砂糖小さじ1、酒大さじ3、水50ml)
サラダ油…大さじ1/2
塩・こしょう…各適量
つけ合わせ(ミックスリーフ、ラディッシュ、マヨネーズなど好み)
【つくり方】
1 鶏肉は厚さを均一に広げ、フォークで両面に穴を数か所あけて、軽く塩をふり、5~10分おく。
2 ジャガイモは洗って、丸ごとラップに包み、電子レンジ600Wに4分かけ、皮をむいて7mm厚さに切る。
3 甘酢だれは混ぜておく。
4 フライバンにサラダ油を熱し、1を皮目を下にして入れる。皮がカリカリになったら返して、2を横に並べ入れる。ジャガイモは両面色よく焼けたら取り出して、塩・こしょうする。鶏肉に火がとおったら、取り出して、食べやすい大きさに切る。
5 フライパンの油をペーパータオルで拭き取り、甘酢だれを入れる。少し煮詰めてとろりとしたら、鶏肉を戻して、全体にさっと煮からめ、器に盛る。ジャガイモとつけ合わせも盛り合わせる。
万能じゃばら甘酢は、すし酢として使ったり、甘酢炒めやマリネなどにも使えます。さわやかな風味が楽しめるのでいろいろな料理に活用できそうです!
今回ご紹介した商品は、東京・有楽町の駅前、交通会館内にある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」で購入しました。梅干や農産物ほか、和歌山県の物産や観光情報が揃っています。
撮影・文・料理制作/坂口明子
―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―
坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。