カニカマとは違うのだよ。福井のカニ缶でつくる絶品カニレシピ

―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(40)】―

女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」で見つけた、「カニ缶」を使ったおいしいレシピをご紹介します。

福井の「紅ずわいがに」缶をつかった簡単レシピ

カニ料理

 エビ、カニなどの甲殻類は、ごちそう感があって、そのうま味、色の魅力などつきません。エビは1年中出回っていて手軽な食材ですが、カニはなかなか食卓に登場する機会は少ない気がします。カニカマになりがち(笑)。

 そんななか、東京青山にある福井県のアンテナショップで目にとまったのは、カニ缶でした。「紅ずわいがに」(864円税込 60g/福井缶詰株式会社)。

紅ずわいがに

 福井といえば越前ガニ。全国のズワイガニのなかでもトップクラスの名港の1つ小浜港がある小浜市の缶詰会社でつくられたカニ缶です。ちなみに紹介する「紅ずわいがに」はズワイガニとは異なる種類。カニの種類にもいろいろあって興味深いですね。

 旬は寒い時期のイメージですが、夏もカニが食べたいと思いプチぜいたくとして使ってみることにしました。カニ缶、久しぶりに開けました。缶にぎっしり、きれいにカニフレークが入っています。

カニ缶

とろ~りカニ玉あんで、ごちそうチャーハン

天津飯

 早速チャーハンをつくることにしました。身を入れたカニチャーハンもありですが、せっかくの色と味をいかすために、シンプルなチャーハンに、カニ入り卵あんをかけて仕上げます。

●アレンジレシピ「シンプルチャーハンのカニ玉あんかけ」

 ピーマンとネギ、ニンニクでチャーハンをつくり、カニ入りの卵あんをかけます。アレンジで、ケチャップ味にしたり、卵に生クリームを入れて、リッチな洋風にしたりといろいろ楽しめそうです。

【材料】1~2人分
ご飯…180g
ピーマン…1個
ネギ…1/3本
ニンニク…1/2片
サラダ油…大さじ1/2
ゴマ油…少々
しょうゆ…少々
ケチャップ…小さじ1
カニ玉あん
 卵…1個
 ショウガのみじん切り…小さじ1
 「べにずわいがに」カニ缶…30g
 A(鶏ガラスープ小さじ1、酒・みりん各大さじ1/2、水大さじ2、片栗粉小さじ1)
塩・コショウ…各適量

【つくり方】
① ピーマン、ネギ、ニンニクはみじん切りにする。
② フライパンにサラダ油を熱し、ニンニクを入れる。香りが立ったら、ご飯を入れて炒める。パラパラになったら、ピーマンとネギを加えてさっと混ぜ、塩とコショウをふり、しょうゆとゴマ油をそれぞれ鍋肌から加えて香りを出し、器に盛る。

カニ炒飯

③ Aを合わせてよく混ぜる。卵は溶きほぐしてカニ缶(飾り用に少し取り分ける)を入れ、塩、コショウをふる。
④ ②のフライパンをきれいにして、Aを入れて火にかけ、煮立ったら卵液を入れる。軽く混ぜ、卵がとろとろになったら②のチャーハンにかける。飾り用のカニをのせる。

生クリームいらずのカニ缶入りポテトクリームグラタン

カニグラタン

 ポテトグラタンにカニとホウレンソウを入れて、チーズとパン粉をかけて焼くだけで、とてもおいしいグラタンになります。そのままワインのおともに、バケットやクラッカーを添えても。

●アレンジレシピ「カニとホウレンソウのポテトクリームグラタン」

 さっくりしたマッシュポテトをグラタン仕立てにします。マカロニを入れたり、下にケチャップライスを敷いいてドリア風もおすすめ。カニのおいしさも引き立ちます。

【材料】1~2人分
ジャガイモ…大1個
牛乳…100ml
ホウレンソウ…2茎
「紅ずわいがに」…30g
ピザ用チーズ…30g
パン粉…大さじ1と1/2
バター…適量
塩・コショウ…各適量

【つくり方】
① ジャガイモは皮をむき、8等分にする。ホウレンソウはさっとゆでて水に取り、水気を絞って2cm長さに切る。
② 鍋にジャガイモとひたひたの水、塩小さじ1/3を入れて火にかける。
③ ジャガイモがやわらかくなったら、余分な水を捨て、軽く水分を飛ばして粉ふきいもにし、ヘラでつぶしながら、牛乳を2~3回に分けて加えてその都度よく混ぜ、クリーム状にする。
④ バター小さじ1を加え混ぜ、塩、コショウで味を調え、火を止める。カニ缶とホウレンソウを加え混ぜる。
⑤ グラタン皿に入れ、チーズをのせ、パン粉をふりかけ、バター10gの角切りを散らす。

グラタン材料

⑥オーブントースターに入れ、表面がこんがりするまで10分ぐらい焼く。

焼きグラタン

カニ缶で、豆腐もキュウリもワンランクアップ

あんかけ豆腐

 普段の素材もちょっと手をかけた印象に。カニ缶をあけたら、いろいろに応用を楽しめます。

●アレンジレシピ「豆腐の和風カニあんかけ」

 材料は豆腐とカニ缶、万能ネギだけ。あつあつのお吸い物感覚でいただく一品。季節を問わず、熱い汁ものは気分がほっこりします。

【材料】2人分
絹ごし豆腐…1丁
カニ缶…30g
万能ネギのみじん切り…4本分
A(めんつゆ大さじ2、水大さじ4,酒・みりん各大さじ1、砂糖小さじ1)
片栗粉…大さじ1/2

【つくり方】
① 豆腐は食べやすい大きさに切る。
② 鍋にAを入れて火にかける。煮立ったら、豆腐とカニ缶を入れる。豆腐が温まったら、万能ネギを加え混ぜ、片栗粉を同量の水で溶いて加え、全体をそっと混ぜてとろみをつける。
③ 器汁ごと盛る。

●アレンジレシピ「カニとキュウリと水菜の酢の物」

 普段はキュウリとワカメの酢の物ですが、ワカメの代わりにカニを採用。切り方も薄い輪切りではなく、カニの身のイメージでせん切りにし、食感の違う水菜も入れました。

カニとキュウリの酢の物

【材料】2人分
キュウリ…1/2本
水菜…1~2茎
「紅ずわいカニ」…30g
ショウガの絞り汁…小さじ1
A(酢大さじ2,砂糖小さじ2,塩小さじ1/3)
いりゴマ(白)…小さじ1
塩…適量

【つくり方】
① キュウリは斜め薄切りにしてから千切りにし、塩少々をふって少しおく。
② 水菜はさっとゆでて水に取り、絞ってからキュウリと同じ長さに切る。
③ ボウルにAを入れてよく混ぜ、①と②、カニ缶、ごまを加えて全体をよくあえたら、器に盛る。

 あまり料理に使うことがなかったカニ缶ですが、いざ使ってみると、味も食感もあり、色もきれいで料理に取り入れがいがありました!

カニ缶ほぐし

 質のいいカニ缶じゃないとここまできれいに身が使えないかと思います。今回のカニ缶は、東京・青山、表参道にある福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」で購入しました。

ふくい291
福井県アンテナショップ「ふくい南青山291」

<撮影・文・料理制作>坂口明子

―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案】―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。