―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(41)】―
女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ COCO MIYAGI」で見つけた「白石温麺」を使ったおいしいレシピをご紹介します。
ゆで時間たったの3分。時短にぴったりの麺
今回、訪れたのは東京・池袋駅近くにある宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」。そこで目を引いたのが、そうめんの半分の長さの「白石温麺」です。うーめんというと、温かいそうめんのことなので、温かいそうめん専用の麺?と思って手にとると、温かくても冷たくでもおいしいとあります。
その歴史は古く、江戸時代に生まれた宮城県白石市の郷土料理。そうめんの一種ですが、通常の手延べそうめんは、麺同士のくっつきを防ぎ、つやを出すために、油を塗って伸ばしますが、白石温麺は油を使用していないのが特徴です。それが、普通のそうめんとは違った味と食感を生み出し、消化がよく、胃にもやさしいといわれています。
購入したのは、「白石温麺 金印」540円(100g×4束)/きちみ製麺。そうめんより少し太く、長さは9cm。通常のそうめんの長さが19cm前後なので、約半分の長さです。
ゆで時間はたったの約3分とカップラーメン並み。長さが短いので小さめの鍋でもゆでられる点も便利です。
ゆだったらざるに上げて、流水で洗い、水気をきります。これを温かいつゆに入れるか、冷たいつゆでいただく。
温かいめんつゆに入れた「素うーめん」。ネギやワカメ、天かすなどお好みの具をトッピングすればOKです。そうめんより少し太く、稲庭うどんより少し細い。もちっとしているので、極細うどん、といったほうが近い食感です。麺が短いので、すする力の弱い小さな子どもや年配の方にも食べやすく、つゆハネが少ないのが好評の理由の1つです。
あつあつ汁の豚しゃぶうーめんは夜食にも
まず、あつあつレシピは、肉うどん。いろいろ試した結果、しゃぶしゃぶ用の豚バラ肉をさっとゆでるのが、時短でしかも細目の麺にはよく合います。下ゆでした肉を用意すると、さっぱりとした口当たり。めんつゆに直接入れて火をとおすと、脂が溶け出てめんつゆが濃厚になります。薄切り牛肉を使う場合は、別に甘辛く煮ておくと、よりおいしくいただけます。
アレンジレシピ「豚しゃぶうーめん」
豚しゃぶとホウレンソウはそれぞれ下ゆで、シイタケはオーブントースターで焼いて準備。そしてほんのり甘い卵焼きがアクセントに。もちろんゆで卵や温泉卵でも合います。お好みで七味唐辛子をふって。はい、でき上がり!
【材料】2人分
豚のしゃぶしゃぶ用肉…150g
酒…少々
ホウレンソウ…3茎
シイタケ…2個
サラダ油・塩…各少々
卵焼き
(卵3個、砂糖大さじ1、塩・酒各少々、サラダ油大さじ1/2)
「白石温麺」…2束
好みのめんつゆ(ストレート)…400ml
七味唐辛子…好み
【つくり方】
①豚肉は、酒少々を入れた湯でさっとゆで、色が変わったら、冷水に取って冷まし、水気をきる。
②ホウレンソウは塩少々を入れた湯でさっとゆで、冷水にとって冷まし、水気を絞って、4cm長さに切る。
③シイタケは軸を切り落とし、アルミホイルの上に黒い部分を下にしてのせ、塩とサラダ油をふって、オーブントースターで約5分焼く。
④卵焼きは、卵を溶いて砂糖と塩、酒を加え、サラダ油を熱した卵焼き器で焼く。粗熱をとり、薄切りにする。
⑤白石温麺はたっぷりの湯で2分半ゆで(また温めるので)、ざるにとって流水で洗い、水気をきる。
⑥鍋に好みの味のめんつゆをつくり、温める。⑤を入れ再び煮立ったら、器に入れる。①~③の具をのせ、好みで七味唐辛子をふる。
野菜たっぷり、サラダ感覚の冷たいうーめん
そうめんや冷やし中華は夏の代名詞ですが、ざるそばは冬でもおいしいように、冷たい麺料理も夏だけでなく、一年中楽しみたいものです。ここではサラダ感覚で野菜たっぷりのレシピとポテトサラダ代わりになるうーめんサラダをご紹介します。
アレンジレシピ「ナスとキノコのおろし冷うーめん」
焼きナスとキノコのマリネ、大根おろしとおろししょうが、そしてすだち。秋の雰囲気の冷やし仕立てにしました。
【材料】2人分
ナス…2本
サラダ油…大さじ1
キノコのマリネ(つくりやすい分量)
シイタケ…4枚
マイタケ…1パック
シメジ…1パック
ニンニクのみじん切り…1/2片分
オリーブオイル…大さじ1
塩・コショウ…各適量
「白石温麺」…2束
めんつゆ…300ml
大根おろし…適量
おろしショウガ…適量
スダチの輪切り…2枚
【つくり方】
①ナスは縦半分に切り、斜め格子に切り目を入れる。フライパンにサラダ油を熱し、ナスの両面を焼いて、中まで火をとおしたら、器にとり、粗熱がとれたら食べやすい大きさに切る。
②キノコは石づきや軸を切り取り、食べやすい大きさに切る。フライバンにオリーブオイルとニンニクを熱し、香りが立ったらキノコを入れて炒める。しんなりしたら、酒をふり、塩とコショウで味を調える。
③白石温麺はたっぷりの湯で3分ゆで、ざるにとって流水で洗い、水気をきる。
④器に③を盛り、①と②、大根おろし、おろしショウガ、スダチを添え、好みの味のめんつゆをかける。
アレンジレシピ「うーめんサラダ」
ポテトサラダのうーめん版。サラダとしても、肉や魚料理の付け合わせやお弁当にもおすすめです。いつもは、そうめんを半分に折ってゆでているのですが白石温麺ならそのままで。下味のすし酢はなければ、酢と砂糖少々で代用を。白飯のおかずにするときは、しょうゆ少々をプラスすると、さらにご飯に合うようになります。
【材料】つくりやすい分量
キュウリ…1本
ハムの薄切り…4枚
「白石温麺」…1束
すし酢…小さじ2
マヨネーズ…大さじ2
和がらしかマスタード…小さじ1/2
塩・コショウ…各適量
【つくり方】
① キュウリは斜め薄切りにしてから、千切りにし、塩少々をふる。少ししんなりしたら水気を絞る。
ハムは半分に切ってから千切りにする。
②白石温麺はたっぷりの湯で3分ゆで、ざるにとって流水で洗い、水気をきってボウルに入れ、すし酢を加え混ぜる。
③①を加え、マヨネーズ、からし、塩、コショウも加え混ぜ、味を調える。
「白石温麺」、今回は、きちみ製麺の金印を購入しましたが、「宮城ふるさとプラザ」ではきちみ製麺製だけでも数種類、またほかの製造元もあり、次回は違うものも試してみたいと思います。きっとそれぞれにおいしいはず!! ゆで時間は3分、すぐに食べられる麺なので、常備しておきたい食材の1つです!
<撮影・文・料理制作>坂口明子
―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案】―
坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。