発酵系スーパーフード。バリエーション豊富な茨城の納豆グルメ

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.25/池田陽子]―

美容や健康の観点から人気の薬膳料理。疲れた現代人を癒す薬膳の素は、全国各地に存在します。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんがアンテナショップで入手できる選りすぐりの薬膳グルメを紹介。今回は茨城県のアンテナショップ「IBARAKI sense(イバラキセンス)」から納豆グルメをお届けします。

小粒が主流の茨城県の納豆

イバラキセンス
茨城県アンテナショップ「IBARAKI sense」

 ご飯のおともといえば納豆。その健康効果はよく知られるところですが、薬膳においてもそのパワーは絶大。血の巡りをアップして肩こり、手足の末端の冷えを改善する働きがあります。また、美容面では、ダイエット、美白にもおすすめ。まさに日本が誇る発酵系スーパーフードなのです。

 納豆の生産が盛んな茨城県。もともと納豆は日本各地で大粒の大豆でつくられていましたが、茨城では小粒の納豆が主流でした。明治時代に常磐線が開通して水戸駅のホームで納豆が販売されると、小粒で食べやすく風味や食感がよいと評判をよび、全国にその名が知られるように。

 納豆商品のラインナップが充実した茨城県アンテナショップ「IBARAKI sense(イバラキセンス)」から、絶品納豆グルメを紹介します。

割り干し大根の食感がアクセントの「そぼろ納豆」

金加商品 そぼろ納豆
ひたちなか市・金加食品の「そぼろ納豆」(200円)

「そぼろ納豆」は糸引きが少ない納豆に、刻んだ割り干し大根を入れて、しょうゆなどで味つけした茨城ならではの郷土食。さまざまなメーカーから販売されていますが、IBARAKI senseで高い人気を誇るのがひたちなか市・金加(かねか)食品の「そぼろ納豆」。創業以来、取り扱いはそぼろ納豆のみ。そのこだわりは徹底しています。割り干し大根は自家製。冬場に乾燥させてから塩漬けにして、納豆と合わせ、しょうゆや調味料を加えて仕上げます。保存料や甘味料、着色料は一切不使用。

そぼろ納豆

 粘りが少なめで、ひとつひとつ粒がしっかりした納豆は、大豆の豊かなうま味が感じられます。ご飯のおともにぴったりのほどよい味つけも魅力。カリッとした割り干し大根の食感がアクセントになって、ご飯がとまらなくなるおいしさです。味つきなので、お酒のおつまみにもおすすめ。お茶漬けにして食べてもおいしくいただけますよ。

クラシック音楽で熟成。洗練された味わいの「舟納豆」

丸真食品 舟納豆 常陸そばの実
常陸大宮市・丸真食品「そばの実入り 舟納豆」(200円)

 常陸大宮市・丸真食品「そばの実入り 舟納豆」も、IBARAKI senseで絶大な支持を誇る人気商品。松の経木で久慈川の渡し舟をかたどったパッケージも印象的な納豆です。

 納豆づくりは、厳選した茨城県産小粒大豆を、清流・久慈川の伏流水に浸水させるところから始まります。そして、なんと発酵室に流れるのはクラシック音楽! 発酵が促進されておいしくなるのだそうです。

舟納豆

「そばの実入り 舟納豆」は、奥久慈名産「常陸秋そばの実」をブレンドした商品。香り高い経木の舟から納豆を出して器に入れ、箸でかき回すと絹糸のような、美しい糸引きに驚きます。そして、発酵感がしっかりあるのに、洗練された味わいに感動! そばの実がアクセントになって、心地よいおいしさ。添付されているわさびでいただくと、さらに風味がアップして納豆を食べる喜びに満たされるはず。

クランチチョコのようなおやつ感覚の「手巻き納豆」

だるま納豆 手巻き納豆
水戸市・だるま納豆「手巻き納豆 うめ味」(600円)

 手軽に食べられる納豆グルメも発見しました。水戸市・だるま納豆の「手巻き納豆」は、おやつ感覚で食べられる、いわば「納豆スナック」。

 だるま納豆は昭和23年創業。茨城県産大豆にこだわった納豆づくりを行い、昔ながらのわらで納豆をくるんだ「わら納豆」で知られています。そのほかにも「納豆チーズディップ」「チョコ納豆」など斬新な納豆商品も揃います。

手巻き納豆

「手巻き納豆 うめ味」は、納豆にあられ、ネギ、からし、しょうゆ、そして水戸ならではの梅を加えて、焼きのりで巻いた商品。その食感は、「カリしっとり」。クランチチョコのよう! パリパリしたのりとの相性もバッチリ。納豆のうま味はそのままに、スッキリさわやかな梅の風味で食べ出すと止まらなくなるおいしさです。

■ IBARAKI sense(イバラキセンス)

<取材・文・撮影> 池田陽子

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)