日本のナポリ・赤穂市の入手困難なお菓子「てーてってー」をお試し

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記]

ビビッとくる日本全国おみやげ日記

謎の名前のお菓子「てーてってー」

てーてってー

「てーてってー」をご存じですか? 兵庫県・赤穂の『坂利太(さりーた)』さんが誇る、入手困難な人気の焼き菓子なのです。「てーてってー」は赤穂の言葉で「連れてって」、今回はこのなんだかかわいい響きのスイーツをお試ししてみました。

『坂利太(さりーた)』さんは名店イタリアンのオーナーシェフがプロデュースしている、世界初の「アラゴスタ専門店」。「アラゴスタ」とはイタリア・ナポリ伝統のパイ生地を使用した伝統菓子を指します。

てーてってー

 この「てーてってー」、1枚1枚つくるのに大変な労力がかかるうえ、複数のメディアに取り上げられ注文が殺到。なかなか生産が追いつかない状態だそうで、受取日を指定できない「出来次第発送」という形式でした。それでも3月末に注文、4月末には無事到着。

ナポリのお菓子に赤穂の食材を融合

てーてってー

 またこのショッパーがいい味出しています。いつから袋のことをショッパーと呼ぶようになったのだろう。私の中ではいつまでも「パンツ」は下着であって「ズボン」は「ズボン」だし、ショッパーは「袋」…。

 そして袋…いやショッパーに「PASTICCERIA NAPOLETANA」とあるように、赤穂の豊かな海の風景がナポリに似ていることから、こちらのお店では「赤穂は日本のナポリ」と謳っていて、ナポリのお菓子・アラゴスタに、赤穂の食材を融合させたのが「てーてってー」となるわけです。ではさっそくオープン!

6種類のてーてってーを試食

てーてってー

 赤穂の名産品カキの貝殻を模した焼き菓子が6種類、2枚ずつ。味は「エスプレッソ」「ブラックチョコ」「リモーネ(レモン)」「ロココ」「黒ごま」「いちご」。厚みもあって本物のカキの殻のよう。アルミホイルで包んだカキの殻に生地を貼って焼くことでこの形をつくっているんだとか。それでは早速いただきます!

てーてってー

エスプレッソ
 ひとくちかじるとダイレクトに「層」を感じてパリパリざくざく! パイよりももっと固く、パイとクッキーの中間地点というか、しいて言えばクロワッサンが近い…? 味はパンとコーヒーが合うように相性最高。わーこれおいしい。人気なのも納得の新食感&お味。

ブラックチョコ
 ブラックというだけあって色濃いめ、甘さ控えめのビターチョコ味。それにしても食感が最高で、いくつも手が伸びてしまいます。

リモーネ(レモン)
「いわゆるレモン菓子」っぽい人工の感じではなく(あれはあれで好き)、酸味・甘味に加えて苦味もクセもあり本格的なお味です。さわやか。

ロココ
 シナモン、アニス、クローブを使用しているのが「ロココ」。たしかにシナモンを強めに感じました。ちなみに生地にはシチリアの天日塩が練り込まれているんだとか。

黒ごま
 この食感とゴマの風味がとっても合います! 香ばしさと甘さのバランスが絶妙。

いちご
 少し甘めのイチゴチョコ。これも食べやすくみんな大好きな味だと思います。

てーてってー

 そんなわけでどれもおいしかった! とにかくザク! パリ! とした生地の歯ごたえが命なので甲乙つけがたいですが、個人的な好みで言えばエスプレッソ、黒ごま、リモーネ(レモン)がとくにおいしく印象に残りました。

 個包装で配りやすく、この新しさ・おいしさはどこへ持っていっても喜ばれること間違いなし。のんびりお取り寄せもよし、赤穂に行かれた際にはぜひおうちに「連れてって」みてあげてください。

てーてってー

坂利太-Salita-
「てーてってー」12枚入り
1,782円(税込)
日もち ★★★☆☆
配りやすさ ★★★☆☆
さくパリの新食感の心地よさ ★★★★★

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第41回]

西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。