江戸時代から伝わる鞆の浦の薬味酒「保命酒」を今風にアレンジ

バタバタと忙しい年末年始、日々のハードな生活に疲れを感じている方も多いかもしれません。そんな忙しい時季にぴったりの飲み物を、広島在住のパーティスタイリスト・浦岡裕子さんに教えてもらいました。

アレンジも楽しい。広島の薬味酒「保命酒」

広島の薬味酒「保命酒」

 広島には滋養たっぷりな薬味酒の「保命酒」というものがあります。江戸時代からつくられているという「保命酒」を求めて、広島県と岡山県の境にある、広島県福山市の港町、鞆の浦(とものうら)を訪れてみました。今回はそこで教えてもらった保命酒のアレンジをご紹介します。

広島県福山市の港町、鞆の浦(とものうら)

 鞆の浦へ到着すると「あ、ポニョ~!」という子どもの声。街を歩いているとスタジオジブリのアニメ映画「崖の上のポニョ」に出てくるポニョにさまざまな場所で出合いました。

鞆の浦の「崖の上のポニョ」

鞆の浦の「崖の上のポニョ」

 そう、鞆の浦は「崖の上のポニョ」の作品構想のために宮崎駿監督が何度か滞在したという場所。古い日本の街並みが残る、瀬戸内の穏やかな港町です。

偉人たちも飲んだ歴史のあるリキュール

16味が漬け込まれた優しい甘味のあるリキュール

 保命酒は、江戸時代から鞆の浦でつくられ始めた琥珀色の美しい透明な薬酒で、13種類の漢方薬と麹米、もち米、焼酎をあわせた16味が漬け込まれた優しい甘味のあるリキュールです。あのペリー提督や高杉晋作も飲んだとか!

江豊三郎本店

 現在は鞆の浦にある4つの酒蔵でつくられていて、酒蔵によって微妙に風味が異なり、それぞれに趣向の凝らしたパッケージも楽しむことができます。今回訪れたのは、そのうちの1つ「入江豊三郎本店」。店の奥に酒蔵があります。

江豊三郎本店

 眠る前におちょこ1杯ほどをオンザロックで飲むのが基本ですが、酒蔵の方にアレンジを教えてもらいました。同じ酒蔵でつくられている「本味醂」も砂糖のいらないくらい甘味のある調味料として重宝するそうであわせて使ってみました。

保命酒とみりんを使ったアレンジメニューも

入江の保命酒ラッシー

入江の保命酒ラッシー

材料
ヨーグルト 80cc
牛乳 80cc
保命酒 大さじ1~2

つくり方
グラスにヨーグルトと牛乳を入れ、そこへ保命酒を入れて混ぜ完成。

 保命酒に漬け込まれた薬味とヨーグルトの乳酸菌、牛乳のカルシウムなど栄養たっぷりで、甘酒のようなコクのあるラッシーです。

入江の味醂 和風ドレッシングがけカルパッチョ

入江の味醂 和風ドレッシングがけカルパッチョ

材料
みりん 1/4カップ
しょうゆ 大さじ4
酢 大さじ3
サラダ油 大さじ1/2
保命酒大さじ1~2

つくり方
耐熱ボウルにみりんを入れラップをかけずに電子レンジで2分加熱。あら熱をとってから残りの材料と合わせ完成。

 しっかり冷やすのがおススメです! 粒びきコショウがあるとスパイスの辛味が入って酒のつまみにもぴったりでした! ハーブにも味が近い、さっぱりと優しい甘味のある薬酒で、忙しい年末年始を乗りきりましょう!

<写真:文/浦岡裕子>

浦岡裕子さん
広島在住。パーテイスタイリスト/バースデープランナー、harenohi_factory主宰。季節の行事やパーティイベント、子どものお祝いなど生活の中にあるハレの日を、キオクとキロクに彩りスタイリングすることをテーマに、イベント装飾のアイテム製作やWEBへのコラム掲載、パーティスタイリングやアイテム製作の誌面協力、子どもと親向け店舗での季節の装飾を担当するなどの活動を行う。