冷え撃退にうれしい。和歌山の山椒とショウガのグルメ

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.26/池田陽子]―

美容や健康の観点から人気の薬膳料理。疲れた現代人を癒す薬膳の素は、全国各地に存在します。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんがアンテナショップで入手できる選りすぐりの薬膳グルメを紹介。今回は和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」から冷え対策グルメをお届けします。

冬の冷え対策に「暖房フード」を取り入れる

わかやま紀州館
和歌山県アンテナショップ「わかやま紀州館」

 寒さがつのる今日この頃。冷えは万病のもとといいますが、まさにそのとおり。免疫力が落ちて、本来身体が備えている修復機能が低下し、風邪をひきやすくなったり、疲労の原因につながります。

 冷えを撃退するには、身体を温める食材選びが大切です。中医学において、すべての食材は身体を温める「温熱性」、身体を冷やす「寒涼性」、どちらでもない「平性」に分けられるとしています。

 冬はとにかく温熱性の食材でしっかりと身体を温めることが大切。「暖房フード」といわれる食品を積極的に取り入れましょう。身体を温める食材といえば、ショウガ。ショウガは「生姜(しょうきょう)」とよばれる立派な冷え解消の食材。体の芯から発汗を促す作用があります。

 また、冷え解消に使えるのがスパイス類。身体を温める優れた効果があるのです。なかでもおすすめは山椒。温めパワーが高く、冷えによるおなかの痛みも解消してくれます。山椒というと「ウナギ」のイメージしかないかもしれませんが、肉のソテーや焼いた魚、炒めものにかけるとスパイシーな風味でおいしくいただけます。

 今回は和歌山の食の幸がそろう、和歌山県アンテナショップ「わかやま紀州館」をお訪ねして、とっておきの山椒とショウガグルメを紹介します。

料理がワンランク上の仕上がりになる「ぶどう山椒」

ぶどう山椒
有田川町・ありだ農業協同組合「紀州しみず ぶどう山椒 粒さんしょう」

 和歌山は山椒の生産量日本一を誇ります。全国生産量の6割を占め、山椒のなかでも粒が大きく、実がブドウの房のように実る「ぶどう山椒」で知られています。とくに県中央部に位置する有田川町で盛んに栽培され、なかでも清水地区はその半数以上を出荷するというまさに「山椒の里」。そして、ぶどう山椒発祥の地でもあります。

 有田川町・ありだ農業協同組合「紀州しみず ぶどう山椒 粒さんしょう」(416円)は厳選した清水地区のぶどう山椒を堪能できる商品。

 清水地区の山椒栽培の歴史は古く、江戸末期に遠井(とい)村の医要木勘右衛門(いおきかんえもん)の庭に自生していたものを植え替えたことが始まり、当初は薬用として栽培されていたとされています。

 温暖な紀伊半島ですが、清水地区は山間にあり、標高が高く冬には雪も積もります。山椒の栽培は日照時間が短く、風通しがよく水はけがよい傾斜地が適していることから、栽培が定着し、盛んになったのです。
 実も大きく、香りも辛味も強いことから、市場でもその高い品質を評価されています。

ぶどう山椒つぶ山椒

「紀州しみず ぶどう山椒 粒さんしょう」は、厳選したぶどう山椒の種を取り除いた果皮を100%使用。パッケージをあけると、山椒が「かんきつ類」であることを実感するほどの、フルーティーな香り。いつまでもかいでいたくなる、さわやかさ!! その味わいも、レモンやミカンの皮のようなフレッシュな風味のあとに、心地よいピリッとした辛味が響きます。

 ミルでひきたてを料理にふりかけると、華やかな香りと爽快な辛味でワンランク上の仕上がりになりますよ。

海と山の幸が出合った逸品「まぐろ山椒とろ炊き」

まぐろ山椒
太地町・紀南水産の「まぐろ山椒とろ炊き」

 太地町・紀南水産の「まぐろ山椒とろ炊き」(648円)は、ぶどう山椒と和歌山の海の幸が出合ったわかやま紀州館の人気商品。

 那智勝浦町・勝浦魚港は全国屈指の生マグロの水揚げ量を誇ります。太平洋の荒波で育まれたマグロをはえ縄漁法で漁獲。ていねいに1本ずつ活〆され、船内で冷水保存を行い、鮮度を保っています。生ならではのフレッシュな味わいと食感が魅力です。

まぐろ山椒とろ炊き

 もとは仲卸を営んでいた紀南水産が手がける「まぐろ山椒とろ炊き」は鮮度バツグンの獲れたてマグロのトロを中心に、さまざまな部位をセレクトして、しょうゆ、ぶどう山椒を加えた秘伝のたれでじっくりと炊き上げます。ぶどう山椒はマグロとのバランスを考慮して、粉砕の程度を工夫したというこだわりぶり。

 こっくりとほどよい甘辛さで炊きあがったマグロは、うま味いっぱい、お肉のような弾力ある食感。ぶどう山椒の風味がピリッとさわやかに、そのおいしさを引き立てます。おつまみに、そしてご飯のおともにも最高の1品です。

さわやかすぎる佃煮!「ごはんのおともでショウガ」

ごはんのおともでショウガ
和歌山市・わかやま農業協同組合の「ごはんのおともでショウガ」

 和歌山は新ショウガの特産地でもあります。栽培されるショウガのほとんどが新ショウガとして5~10月に出荷されますが、和歌山市河西・布引などの砂地地帯で栽培され、繊維が細くやわらかで、みずみずしい味わいと表面の美しさが特長です。

 和歌山市・わかやま農業協同組合の「ごはんのおともでショウガ」(540円)は、和歌山の新ショウガの味わいをいかした佃煮です。細く刻んだショウガをしょうゆ、酒、みりんそしてレモン汁を加えたタレ、カツオ節、ゴマとともに煮て仕上げます。

ショウガ

 シャキシャキ感がしっかり残ったショウガの辛味、カツオ節のうま味がベストマッチ! そしてレモンの風味で後味スッキリ。佃煮なのにベタッ、コテッとした感じがいっさいなく、あまりに「さわやかすぎる佃煮」に感動!

 炊き立てご飯にのせて、はいうまでもないおいしさですが、冷ややっこにのせたり、チャーハンや野菜炒めに使うのもおすすめ。煮魚をつくるときにプラスしてもおいしく仕上がります。

■ わかやま紀州館

<取材・文・撮影>池田陽子

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)