大分のご当地メニュー。サクサクのとり天をおいしくアレンジ

―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(45)】―

女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、大分県のアンテナショップ「坐来大分」で見つけた、「とり天の素」を使ったおいしいレシピをご紹介します。

リニューアルした大分アンテナショップでおいしいものを発見

大分のご当地メニュー。サクサクのとり天をおいしくアレンジ

 2021年5月に銀座2丁目から有楽町・数寄屋交差点寄りに引っ越し、リニューアルした大分のアンテナショップ「坐来大分(ざらいおおいた)」。以前のシックな雰囲気はそのまま、さらにすてきな空間のレストラン&ショップとしてバージョンアップしています。

坐来大分

 以前のレストランはディナーのみでしたが、ここではランチタイムも営業。メニューのひとつ「昼膳」(税込4180円)は、大分の食材をふんだんに取り入れ、ご当地料理を組み合わせた構成になっています。

 訪れた日のランチメニューは、「とり天」や「りゅうきゅう」、カボスののったみそ汁、アツアツの卵焼き、そして季節のとっておきのデザートつき。りゅうきゅうは、刺身を甘辛いたれに漬けてネギをたっぷりのせたものです。どの料理も丁寧につくられていて、ちょっとぜいたくなごほうびランチにおすすめ。

ランチ

 なかでも感激したのが「とり天」。鶏肉の天ぷらですが、サクッと軽く、ふんわりとした食感。下味がついているので、そのままでおいしくて…。

 早速ショップコーナーで販売していた「とり天の素」(259円 260ml/富士甚醤油株式会社)を購入しました。レストランはもちろん、自家製の味つけなのですが、ちょっとでも近づけたらいいかなと、つくる気はまんまん!

とり天の素

 たれは、少しとろみがあり、ほんのり甘い塩だれで、ニンニクの風味がきいています。

●アレンジレシピ「とり天」

 漬けこみ10分、天ぷら衣で揚げるだけと説明に書いてあります。鶏肉の部位はお好みで。カラ揚げのようなかみごたえを求めるならモモ肉ですが、ここではふんわり食感にこだわって、ササミを使います。
揚げたてはサクサク、ふわふわ!!! 香りもよく、ほんのりうま味もでて、くせになるおいしさです。

とり天

【材料】2人分
鶏のササミ…3本(約200g)
「とり天の素」…大さじ2
天ぷら粉…1カップ
水…1/2カップ
シシトウ…10本
揚げ油…適量
つけ合わせのミニトマト、かんきつ類…お好み

【つくり方】
① ササミは、一口大のそぎ切りにしてボウルに入れ、「とり天の素」を加えてからめ、10分おく。

とり天レシピ

② シシトウはヘタをとる。
③ ボウルに天ぷら粉と水を入れて混ぜ、衣をつくる。
④ 揚げ油を熱し、中温ぐらいになったら、①を③にくぐらせて入れ、こんがりと揚げる。
⑤ 最後にシシトウはそのまま入れ、全体に揚がったら油をきり、塩をふる。
⑥ 器に盛り合わせ、トマトとかんきつ類を添える。

 下味がついているのでそのままでおいしくいただけます。ご飯のおかずにするなら、七味唐辛子入りポン酢しょうゆにつけたり、大分県では定番のからしポン酢につけるのもおすすめです。

とり天料理

「とり天の素」でスパイシーなフィッシュ&チップス

フィッシュ&チップス

「とり天」が上手にできてすっかり気をよくしたので、今度は魚を漬けてみることにしました。キッチンにあった香辛料をプラスして、ビールに合う味に仕上げます。

●アレンジレシピ「フィッシュ&チップス」

「フィッシュ&チップス」はイギリスの郷土料理の1つ。タラなどの白身魚のフライとフライドポテトのことです。本場イギリスで食べたときは、大味で油っぽくて、あまりおいしいとは思えなくがっかりしたのですが、要は魚の天ぷらなので、日本でつくったほうがおいしいに違いありません。「とり天」を食べて思いつきました。下味は「とり天の素」。衣は天ぷら粉ではなく、ビールを使って本格な食感にチャレンジしてみました。サクッというよりカリッとフワッっとです。

【材料】つくりやすい分量
タラの切り身…2切れ
「とり天の素」…大さじ2
黒コショウ、クミンパウダー、チリパウダーなど…各少々
衣(薄力粉…50g、片栗粉…50g、ベーキングパウダー…小さじ1/2、ビール…10ml)
ジャガイモ…1個
揚げ油…適量
塩…適量
トマトケチャップ、タルタルソースなど…好み

【つくり方】
①タラは、ざるにのせ、熱湯をかけて臭みを抜いたら、1切れを4つに切り、器に並べる。「とり天のたれ」を回しかけ、好みのスパイスをかけて10分おく。

フィッシュ&チップスレシピ

② ジャガイモは皮ごとよく洗い、8~10等分のくし形に切り、水気をふく。
③ 衣をつくる。ボウルに衣の粉類を入れて混ぜ、ビールを注いで混ぜる。
④ 揚げ鍋に油を入れ、ジャガイモを加える。そのまま火にかけ、ジャガイモがこんがりしたら、取り出し、塩をふる。続いて、タラを③の衣に入れて全体につけたら揚げ油に入れる。カリッと揚がったら取り出す。
⑤ 器に盛り、好みでケチャップとタルタルソースを添える。

フィッシュ&タルタル

「とり天の素」をとろりあんに。熱々でもお弁当のおかずに

しいたけ肉詰め

●アレンジレシピ「シイタケの肉詰め 甘塩あんがらめ」

 ほんのり甘い塩味の「とり天の素」を今度は下味ではなく仕上げに使ってみました。塩味濃いめのあんを薄くまとった肉詰め。薄味の中身と絶妙なコンビネーションです。中身はエビ入りの鶏肉団子。シイタケにのせると凝った料理風ですが、意外に簡単。具が残ったらミニハンバーグに。シンプルな味なので、どんなソースやたれにも合い、焼いておけば冷凍保存もできます。

【材料】つくりやすい分量
シイタケ…6個
具(鶏ひき肉…100g、むきエビ…50g、タマネギ…1/3個、片栗粉…小さじ2、塩・酒…各少々、卵…1/2個)
片栗粉…適量
あん(「とり天の素」…大さじ2、水…大さじ6、片栗粉・水…各大さじ1/2)
万能ネギの小口切り…少々

【つくり方】
① シイタケは軸を取る。軸は石づきを除いてみじん切りにする。
② ボウルに具の材料と①のシイタケの軸を入れ、よく混ぜる。
③ シイタケの笠の裏側に片栗粉を薄くふり、②の具をこんもりと丸くのせ、耐熱皿に並べる。
④ ラップをして600Wの電子レンジに約3分30秒かける。

しいたけ肉詰めレシピ

⑤ 取り出したら、ラップをはずし、アルミ箔に並べ、オーブントースターで10分焼く。表面が薄く色づき、火がとおったら、取り出し、器に盛る。
⑥ あんをつくる。鍋に「とり天の素」と水を入れ、火にかける。煮立ったら片栗粉を水で溶いて加え混ぜる。薄くとろみがついたら、⑤にかけ、万能ネギをふる。

しいたけ肉詰め料理

「とり天の素」は、東京・有楽町数寄屋橋にある大分のアンテナショップ「坐来大分」で購入しました。

坐来大分ギャラリー
大分県アンテナショップ「坐来大分」

<撮影・文・料理制作>坂口明子

―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案】―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。