岩手は海産物の宝庫。いわて銀河プラザでみつけた海の幸グルメ

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳vol.28/池田陽子]―

美容や健康の観点から人気の薬膳料理。疲れた現代人を癒す薬膳の素は、全国各地に存在します。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんがアンテナショップで入手できる選りすぐりの薬膳グルメを紹介。今回は岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」から海産物グルメをお届けします。

老け込みやすくなる冬は「腎」のパワーアップを

いわて銀河プラザ
岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」

 寒さが一段とつのる日々。冬の身体を健やかに保つには、身体を温めることが大切ですが、中医学においてほかにも重要なポイントがあります。それは「腎」とよばれる臓器の働きを高めること。

 腎は人の成長や発育、生殖、老化をつかさどり全身にエネルギーをためておく臓器です。ここが弱ると肌が乾燥して白髪が増え、耳が遠くなり、足腰が曲がって弱くなる、歯が弱ってもろくなる、と一気に老化が進みます。

 いわば、腎はアンチエイジングのキモともいえる臓器なのです。そして、じつは冬は腎の働きが低下する季節。「1年でもっとも老け込みやすい季節」なのです。まさかの「冬老け」しないためには、腎の働きを高める食材を取り入れることが大切。

 腎のパワーアップによい食材は魚介類に多くエビ、イカ、カキ、ウナギ、海藻類、ムール貝などがおすすめです。

 今回は、岩手県の食の幸が揃う「いわて銀河プラザ」から、アンチエイジングにうれしい食材を使った、とっておきグルメを紹介します。

ワカメ、メカブ、フノリ。三陸の海の恵みの絶品スープ

びみうみスープ
宮古市・川秀の「be 美海(びみうみ)スープ」

 ワカメ生産量1位を誇る岩手県。リアス式海岸が連なる三陸沿岸は、世界三大漁場のひとつといわれる好漁場です。栄養が豊富な親潮、温暖な黒潮がぶつかる激しい海流と、冬の厳しい風波にもまれて育ったワカメは、肉厚で弾力のある歯ごたえと豊かな磯の香りが魅力です。

 また、肥沃な岩手の海ではワカメ以外にも昆布、メカブ、フノリなど良質な海藻類が育ちます。そんな三陸の豊かな海の恵みを味わえるのが、宮古市で海藻加工を行う「川秀」の「be 美海(びみうみ)スープ」(345円)。

 三陸産のワカメ、メカブ、フノリ、三陸に春の訪れを告げる桜色の小さなオキアミの一種「イサダ」と寒天をプラスした具材たっぷりのスープです。

びみうみスープ カップ

 セットされた具材とスープにお湯を注ぐと、ふわりと磯の香り。海藻の豊かなうま味と、ほどよくきかせたショウガがベストマッチ! 上品なお吸い物のような味わいが楽しめます。シコシコしたワカメ、メカブに。とろりとしたフノリ、コリコリの寒天、プチッとしたイサダと食感も楽しいスープです。

ブルーのかわいいカップ入り「いかそうめん」

三陸産いかそうめん
宮古市・共和水産の「三陸産いかそうめん」

 岩手はスルメイカの水揚げも豊富です。大型で身が厚く、しっかりとした甘味がある三陸ならではのスルメイカを使ったかわいらしいグルメを、いわて銀河プラザで発見しました。

 宮古市・共和水産の「三陸産いかそうめん」(3カップ 679円)は、マスコットキャラクター・いか太郎くんのロゴがついたブルーのカップに入った小分けタイプのいかそうめん。

 共和水産は、昭和58年の創業以来、いかそうめんの加工を手掛けています。朝、宮古港で水揚げされた鮮度バツグンのスルメイカを買いつけ、すぐに港のそばにある工場に搬入。身が厚いイカは、通常いかそうめんには向かないものの、そのおいしさをいかせるように処理や切り方に工夫をこらして処理しています。

 また、とれたてのおいしさをキープするために、1回のみの「ワンフローズン凍結」にこだわって仕上げたいかそうめんは、解凍してもできたてのようなみずみずしさ。そして、もっちりとした身、やさしい甘味に感動!

いかそうめん

 かわいいカップ入りなのでこのままワサビなどを添えて、添付の特製たれをかけて食卓でいただけます。納豆や明太子、オクラを加えてアレンジするのもおすすめ。

国産ムール貝を使った燻製はカラスミ+カキの味わい

ムール貝の燻製
大槌町・ひょうたん島 苫屋「ムール貝の燻製」

 岩手では、国内ではあまり流通しないムール貝も水揚げされています。地元では「しゅうり貝」とよばれて親しまれているのです。

 大槌町「ひょうたん島 苫屋」は三陸の海の幸を使った燻製が人気のお店。地元で獲れた天然のムール貝を使った燻製も手掛けています。

 大槌町のムール貝は、赤みがかかった身、やわらかくクリーミーな味わい。「ムール貝の燻製」(201円)は、そのなかでも大粒のものを選び、その日のうちにナラの木のチップでていねいに燻製加工した商品です。独自の冷燻方法でじっくりいぶし、貝の風味を損なうことなくおいしさを凝縮しています。

ムール貝

 飴色のムール貝は、ひとくちかむと驚くほど濃厚なうま味。そしてマイルドで豊かな味わいがひろがります。例えていうならば、「カラスミ+カキ」のよう! ワインにもぴったりの絶品燻製です。

■ いわて銀河プラザ

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)