―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(51)】―
女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、愛媛県のアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」で見つけた、「松山あげ きざみ」を使ったおいしいレシピをご紹介します。
大正時代から使われていた干油揚げ
愛媛県のアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」の常温コーナーに並ぶ「松山あげ」。スナック菓子のように袋に入っていますが、油揚げ。インスタントなので最近のものかと思いきや、その歴史は意外に古く、松山では明治の初めにはすでにつくられていたようです。それが愛媛県の特産品として、現代の家庭でも重宝とされる食材になっています。
購入したのは、「松山あげ きざみ」(45g入り230円/程野商店)。約3㎝角の松山あげ。ふわふわ軽いです。
ふんわり、トロリとした食感が特徴
油揚げと同様にみそ汁や豚汁に入れるのは。もちろん合います。油抜きは不要、みそ汁に入れるとコクがでて、汁を吸った「松山あげ」はふんわりしながら、ジュワッと汁を吸い、トロリ、ツルリとした食感に。いい仕事をしてくれます。
早速、いつも油揚げでつくっているおひたしと卵とじ丼にしてみました。
●アレンジレシピ「ホウレンソウとシメジ、松山あげのお浸し」
ホウレンソウのおひたしはつくり置きすると、朝晩の副菜の一品に便利です。シメジやエノキ、シイタケなどを組み合わせるのがおすすめです。「松山あげ」は乾燥している状態で切ると割れてしまうので、そのまま使います。
【材料】つくりやすい分量
ホウレンソウ…1把
シメジ…1/2パック
「松山あげ」…10枚くらい
めんつゆ…適量
【つくり方】
①ホウレンソウはさっと下ゆでして水に取る。冷めたら水気を絞り、軸を切り落とし、4cm長さに切る。
②シメジは石づきを切り落とし、小房に分ける。
③鍋にめんつゆをつくる。麺のかけ汁程度の濃さにして、煮立ったら、「松山あげ」とシメジを入れる。シメジに火がとおったら、火を止めて冷ます。
④保存容器に①のホウレンソウを入れ、③の粗熱がとれたら、上から汁ごと注ぎ入れる。冷蔵庫で冷やす。
数日は日もちするのでおすすめです。
●アレンジレシピ「松山あげの卵とじ丼」
油揚げの卵とじ丼、京都では「衣笠丼」と呼びます。鶏肉などの肉がなくてもおいしい卵とじ丼に。卵は半熟に仕上げて、トロトロを楽しみましょう。気軽なランチにぴったりです。
【材料】1人分
タマネギ…1/3個
「松山あげ」…10枚
めんつゆ…適量
みりん…小さじ1
卵…2個
七味唐辛子…好み
【つくり方】
①タマネギは薄切りにする。
②めんつゆとみりんでの味を調えたタレ(150ml)を鍋に入れて火にかける。タマネギと「松山あげ」を入れる。
③タマネギに火がとおったら、卵を溶いて流し込み、卵の白身が少し固まってきたら蓋をして、好みのかたさに仕上げ、ご飯の上にのせる。好みで七味唐辛子をかける。
「松山あげ」は新橋駅の近くにある「香川・愛媛せとうち旬彩館」で購入しました。油揚げ好きには、常備しておきたい商品です。
香川・愛媛せとうち旬彩館(特産品ショップ)
住所:東京都港区新橋2-19-10 新橋マリンビル1F
TEL:03-3574-7792
営業時間:10:00-20:00
定休日:年中無休(年始を除く)
<撮影・文・料理制作/坂口明子>
―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案】―
坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。