パン好き必携の資格として注目を集めている「パンシェルジュ検定」。合格するとパンシェルジュとしてパンにまつわる仕事にいかせたり、特別なイベントや体験会への参加もできます。今回は愛知県のパンシェルジュがおすすめする、東海・中部地方の八丁みそやみりんなどを使ったパンの登場です。
小麦の香りと甘味が感じられる焼きたてパン
1日3食パンでも喜んで食べるほどパンが好きという、愛知県在住のおたんこなすパンさん。自分のペースでパン屋巡りをしながら、インスタグラムに投稿。「no bread, no life」な日々を送っているそう。そんなおたんこなすパンさんがおすすめするのが、名古屋市に2021年オープンしたパンとコーヒーの店「KISO(キソ)」。パン職人のご夫婦とバリスタのご夫婦の2組が営むお店です。
低温長時間発酵と高加水を組み合わせたパンは、みずみずしく口どけがよく、小麦の甘味や香りが感じられるのが特徴。国産小麦を基本とし、香りが高く粉のうま味を楽しめるフランスやアメリカのオーガニック小麦を使用しているそう。パンの生地には保存料や添加物を使用せず、身体にやさしく、おいしいパンづくりにこだわっています。香り豊かで味わい深いパンのなかから、おたんこなすパンさんのおすすめ4つをご紹介。
外はカリッ、中はモチモチの「明太フランス」
国産小麦を数種類ブレンドし、湯種を入れて中身をモチモチ食感に仕上げたバケット。明太子と相性のいい米油をほんの少しプラスし、長時間発酵することでお米に似た甘味が感じられます。「パリッとした食感のハードな生地の中身は、モチモチ食感。福岡産の明太子を使った明太マヨネーズソースがたっぷり入っているので、最後のひと口まで楽しめます。店内で、焼き立てをほおばるのがおすすめです」(おたんこなすパンさん)
砂糖と乳製品不使用のもっちり「食パン」
愛知県産の小麦、ゆめあかり50%を使用した食パン。砂糖と乳製品は不使用で、石臼でひいた小麦などを約15時間かけて発酵させることで、小麦の香りと甘味を引き出しています。「外側の皮は薄くサクッと、中身は高加水のため歯切れがよくもっちり。米油を使用しているため、口どけもよいです。小麦の風味を味わいながらそのまま食べても、好みのジャムやバターを合わせても美味。毎日食べても飽きのこない食パンです」(おたんこなすパンさん)
クリームがこぼれ落ちそう!「ピスタ」と「ヘゼル」
バターをふんだんに使用したリッチなブリオッシュ生地を使ったスイーツパン。ピスタチオクリームパン「ピスタ」の皮生地には抹茶を、ヘーゼルナッツクリームパン「ヘゼル」の皮生地にはほうじ茶を混ぜ込んでいるので、ほんのり茶葉の香りが。それぞれクリームの下に、カスタードクリームを少量重ねて2層構造になっています。「生地からはみ出しそうなほどのたっぷり入ったクリームは、甘過ぎずに美味。ピスタにはラズベリー、ヘゼルにはチョコとヘーゼルナッツが隠し味で入っていて、ひと口ごとに異なる味や食感が楽しめますよ」(おたんこなすパンさん)
木曜の喫茶営業限定ドーナッツは必食
バリスタがいれるコーヒーと焼きたてパンが楽しめる店内は、打ちっぱなしのコンクリートに、木のインテリアを組み合わせたおしゃれな空間。光が射し込む窓際のカウンター席やベンチ席、軽く食事が楽しめるスタンディングテーブルも用意されています。
毎週木曜日は、イートインのみの喫茶営業に。コーヒーに合うドーナッツとチーズケーキブラウニーがスタンバイ。なかでもおたんこなすパンさんのおすすめが、「KISOの生ドーナツ」。揚げたてのドーナッツと、豆本来の風味をいかしたコーヒーとの相性が抜群です。
「ブリオッシュ生地を使用し、米油で揚げたドーナッツは、外はサクっと、中はもちっと。口の中でとろけるような食感! 発酵時間や揚げる温度など、試行錯誤を重ねて完成した究極のドーナツです」(おたんこなすパンさん)
通常営業では、東海地方特有の八丁みそやみりん、抹茶、野菜、果物など地元の食材や旬のものを使ったパンも登場するので要チェック。
■ショップ情報
パンとコーヒーの店として、2021年8月にオープン。「ここにしかないパンをつくり、ストーリーのあるコーヒーを届ける」をコンセプトに、地元で幅広い世代から愛されるお店。店名の由来は、愛知県民の生活の源である「木曽川」。誰かにとっての「生活の基礎でありたい」という、スタッフの想いが込められている。バリスタが淹れるコーヒーとパンのペアリングも楽しんで。
店名/KISO
住所/愛知県名古屋市昭和区広見町1-7 桜山SUITE 1F
営業時間/8:00~18:00、木10:00~17:00(喫茶営業)
定休日/火・水
協力/パンシェルジュ検定運営事務局
<取材・写真/おたんこなすパン、文/寺川尚美>
◆パンシェルジュ おたんこなすパンさん(パンシェルジュ2級)
パン屋巡りをするうちに、もっとパンのことを知りたい、パンをおいしく食べたいとの思いが募り、パンシェルジュ検定を受験。とくに好きなパンは、男前なハード系のパンとクロワッサン。今後の夢は、美味しいと食べてもらえるパンのプロデュースや、パンの魅力を伝えるイベントに携わること。