酒好きもハマるしっとりスイーツ。岩手の銘酒がたっぷりの「酒ケーキ」

銘酒処として有名な岩手県で「アルコールに弱い人はおひかえください」と注意書きがついた、「酒ケーキ」というお菓子があります。岩手県出身の俳優、藤原絵里さんが紹介してくれました。

岩手の日本酒や焼酎をしみ込ませた「酒ケーキ」

お酒をたっぷり含ませている酒ケーキ

 400年以上続いている日本三大杜氏のひとつ、「南部杜氏」の歴史は、岩手県の大切な財産です。奥羽山脈と北上高知の山々にしみこんだ雨水はミネラル成分が豊富なわき水となり、良質な大地で栽培されたお米、そして南部杜氏の腕が合わさり、「南部美人」など質の高い日本酒を生み出しています。

「酒ケーキ」は、岩手のお酒の魅力を多くの方に知っていただくために、みちのく創彩菓子 砂田屋が1985年に県内の酒造と共同開発した自信作です。

ふわふわの酒ケーキ

 地元の銘酒を使ったシロップをスポンジひとつひとつにたっぷりしみ込ませて数日間寝かせることで、しっとりなめらかな舌触りになるのが特徴。包みを開けると立ち上るお酒の芳醇な香りは格別です。

 しっかりアルコールを含んでいるので、小さな子どもや妊婦、車の運転前にはひかえるよう注意書きがついているほど。

 酒ケーキには、お酒の販売時期に合わせて製造される貴重なものから、梅酒を使用したピンク色のかわいいものまで各種あり、もちろんどれも岩手県のおいしいお酒との共同開発です。

クラウドファンディングで開発された「6酒蔵の酒ケーキ」

6酒蔵の酒ケーキ

 2011年の東日本大震災以降、砂田屋では岩手県のよさを少しでも発信していくため、県産食材を使用したお菓子づくりを積極的に始めました。2019年には岩手県33市町村中28市町村の食材を使用するようになりましたが、記念すべき県内6酒造のお酒を利用した「6酒蔵の酒ケーキ」も発売されました。

 この「6酒蔵の酒ケーキ」は、開発と発売にクラウドファンディングを利用しており、日本中から支援をいただいて完成したものなんです。

●「酒ケーキ 酔仙」(大船渡市)酒ケーキのためだけに開発した焼酎を使った酒ケーキ
●「酒ケーキ 月の輪」(紫波町)女性杜氏が酒粕を蒸留してつくる粕取り焼酎を使った酒ケーキ
●「酒ケーキ 南部美人」(二戸市)2017年インターナショナルワインチャレンジでチャンピオンを獲得した特別純米酒を使った酒ケーキ
●「酒ケーキ 浜千鳥」(釜石市)酒用酵母とこうじで醸造したもろみでつくる本格焼酎「纜(ともづな)」を使った酒ケーキ
●「酒ケーキ 鷲の尾」(八幡平氏)岩手のお米ササニシキでつくる本醸造雄飛萬國翔を使った酒ケーキ
●「酒ケーキ 菊の司」(盛岡市)辛口純米酒「七福神」と米焼酎「だだすこだん」を使ったそれぞれのいいとこどりの酒ケーキ

 個包装で1か月ほど日もちするので、お土産にもおもたせにもピッタリ。スイーツ好きな友人にも、お酒好きな友人にもどちらにも喜ばれます。

 そして、酒ケーキを食べたほとんどの人が、「飲みたくなって買っちゃった」と、ケーキに使われたお酒も一緒に味わってくださるのは、酒ケーキならでは。

宮沢賢治と人気漫画家のコラボ「酒ケーキ イーハトーブ」

酒ケーキ イーハトーブ

 岩手の魅力をより多くの人に届けたいという思いから生まれたのが、「酒ケーキ イーハトーブ」。パッケージには岩手の偉人、宮沢賢治の作品の世界観を、人気漫画家、池野恋さんがイラストで表現しています。

 池野恋さんは花巻市出身、石鳥谷町(いしどりやちょう)在住で、「ときめきトゥナイト」や「ヒロインになりたい」「ナースエンジェルりりかSOS」など、数々の少女漫画を生み出した方です。天保元年から「酒の町」として知られている石鳥谷町は、400年以上続いている南部杜氏が誕生した町でもあるんです。

「酒ケーキ イーハトーブ」のラインナップは以下の5種類。

●「注文の多い料理店」×「菊の司酒造」(盛岡市)「てづくり七福神 純米大吟醸」
●「銀河鉄道の夜」×「月の輪酒造店」(紫波町)「大吟醸 銀河鉄道の夜」(砂田屋オリジナル)
●「セロ弾きのゴーシュ」×「桜顔酒造」(盛岡市)「南部の雫 純米大吟醸」
●「風の又三郎」×「浜千鳥」(釜石市)「純米吟醸 吟ぎんが」
●「あすこの田はね」×「わしの尾」(八幡平市)「陸羽132号」

 日本酒の繊細さが感じられるように、カステラ生地に盛岡産の米粉を配合し、しっとりした口当たりになっているそう。さらに、日本酒の風味が際立つよう甘味は抑えられていて、甘いものが苦手な男性にもオススメです。

 池野恋さん書き下ろしのパッケージはとてもかわいく、とくに日本のMANGAやANIME好きな海外の友人に喜ばれます。SAKE(酒)=rice wine(お米のワイン)は海外でも人気。宮沢賢治や日本酒、酒ケーキをきっかけに、岩手県をもっと知っていただけたらうれしいです。

<取材・文/藤原絵里>
<取材・写真協力/みちのく創彩菓子 砂田屋>

藤原絵里さん
俳優。岩手県盛岡市出身。23年間、岩手県で生まれ育つ。短大を卒業し、地元の温泉旅館の仲居に。着つけや日本文化に興味をもつ。その後、カタール航空のキャビンアテンダントへ転職。約4年、国際線に乗務し世界44か国を訪れる。海外での経験を通して、日本のよさ、岩手のよさを再認識する。現在は、女優として、映画やミュージカルに出演。代表作は速水萌巴監督『クシナ』、榊英雄監督『生きる街』など、多数。日本や東北の魅力を伝えられる作品にかかわっていきたいと思っている。