真っ赤なこんにゃくやフナずしに注目。滋賀県アンテナショップの薬膳グルメ

朝起きたら顔がむくんで、風呂に入って汗をかいてもとれないし、メイクでもごまかしようもない…。そんなときは食事を改善することでむくみをおさえることができると、薬膳アテンダントの池田陽子さん。今回は滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」で買えるむくみ改善に取り入れたい薬膳グルメを教えてもらいました。

薬膳グルメで気になるむくみ対策

ここ滋賀
滋賀県アンテナショップ「ここ滋賀」

 むくみは体内で水の巡りが悪くなっている状態。余分な水分を排泄する効果が高い薬膳で「利水」という作用がある食材を取り入れれば、しっかり「水ヌキ」がかないます。おすすめなのはコンニャク。利尿効果があり、体内の毒素を排泄する働きも高い食材なんです。また、あまりなじみがないかもしれませんがアユや、フナもカラダの中に停滞した水分を追い出す作用に優れています。どちらも滋養強壮に優れた、パワーアップにうれしいお魚です。

 今回は滋賀県の食の幸がそろう、滋賀県アンテナショップ「ここ滋賀」から、むくみ改善にうれしいグルメを紹介します。

ワインにぴったりな「チーズふなずし」

ふな
チーズ鮒寿司

 日本最大の湖、琵琶湖。その個性豊かな味わいが楽しめる「湖魚」を使った郷土料理が「フナずし」です。琵琶湖固有種の二ゴロブナを使った「なれずし」は、春先にフナを3か月程度塩漬けしてから、土用のころに取り出して水で洗って干したのち、ご飯と一緒に桶に入れてお正月ごろまで漬け込んで仕上げます。古くからハレの日の料理としてふるまわれ、滋養強壮によいとして食べられてきました。

 独特の発酵風味、熟成したフナのうま味がハマるとやみつきになるおいしさですが、食べたことのない人は少し手を出すのにためらいがあるかも。そんな人に、ぜひおすすめしたいのが高島市・薫彩堂の「チーズふなずし」(540円)。薫彩堂は、創業100年を超える川魚専門店「よしうめ」のフナずし専門ブランドです。「近江伝統食文化フナずしを、手軽に現代の食卓へ」をコンセプトに、この商品を開発したそう。

やみつき
やみつきになるおいしさ

 厳選した琵琶湖の天然二ゴロブナ、契約農家産の近江米を使用して、昔ながらの製法でじっくり発酵させたフナずしに、香りや食感、口どけにこだわったというオリジナルのブレンドチーズを充填。従来のフナずしの半分程度という薄さに、スライスして仕上げてあります。

 パッケージもおしゃれなフナずしはにおいも気にならず、生ハムのようななめらかな口当たり。もともとチーズに近い味わいのフナずしと、ほどよくコクのあるチーズが見事に一体化! フナの「うま味」を軽やかに堪能できる逸品は、フナずしの概念を変えるおいしさです。さらに、「ワインに合うフナずし」を目指して、フレンチのシェフ、ソムリエなどの意見も取り入れただけあって、キリッとシャープな白ワインや、軽めの赤ワインにぴったり。バケットやピザにのせておつまみにするのもおすすめです。

上品ですがすがしい「あゆほぐし身」

あゆ
あゆ あらほぐし」972円

 琵琶湖でもっとも漁獲量が多いのがアユ。地元で愛されてやまない魚です。ここ滋賀にも多くのアユ商品が並びますが、手軽に味わえると人気なのが彦根市・木村水産の「あゆ あらほぐし」(972円)。塩焼きにしたアユをほぐした商品です。

 木村水産は、昭和28年から全国に先駆けてアユの養殖生産に取り組んでいる企業。琵琶湖産鮎を種苗に、香りよく身が引き締まったアユを育て、多彩な加工品に製造・販売しています。「あゆ あらほぐし」は、焼きの段階から徹底したこだわっていて、活〆にしたアユに踊り串を打ち、天日塩で化粧塩をしてから口を下にして焼きます。余分な脂を体内に残すことなく、きめ細やかな皮はパリッと香ばしく、身はふっくらと仕上げているのが特長で、食べごたえをだすため手作業でていねいに身をほぐして、びんにつめ込んで完成。

あゆ中身
黄金色に輝く皮が美しい

 びんから取り出すと、黄金色に輝く皮の美しさにびっくり。アユならではのさわやかな香りも残っていて、またまたびっくりします。しっとりした身は、少し燻したかのような香ばしい風味、そして上品ですがすがしい、なんだか「清流のような」味わいが楽しめます。アユを食べる喜びがギュッとつまったひとびんは、言わずもがな日本酒のおともに最高ですよ。

見た目はレバー。ピリ辛仕上げの「赤こんにゃく」

コンニャク
ぴり辛赤こんにゃく 540円

「ここ滋賀」でなんとも不思議なビジュアルのコンニャクを発見! 滋賀県近江八幡の名物「赤こんにゃく」は、三二酸化鉄(さんにさんかてつ)を使って赤く染められたコンニャクです。一説によれば、地元・安土城を築いた織田信長が派手好きだったため、コンニャクも赤く染めさせたという話も。

 見た目はまるでレバーのような全国でも珍しい赤こんにゃくは、鉄分が豊富で、むしろ普通のコンニャクより栄養価が高いのだそう。

コンニャク中
栄養価もばっちり

 そんな赤こんにゃくを手軽に食べられるのが、奥村佃煮「ピり辛赤こんにゃく」(540円)。赤こんにゃくをしょうゆや砂糖などでじっくり煮込み、滋賀県の伝統野菜「弥平とうがらし」でピリ辛に仕上げた商品です。

 かじってみると、普通のこんにゃくより食感がきめ細やかでなめらかで、やわらか。プリプリというより「ウニッ」としっとり。こんにゃく特有の香りやクセも少なめです。甘辛く、ピリッと爽快な辛味の味つけで、ビールのおつまみに最高! クセになるおいしさです。

 むくみ対策に滋賀県のおすすめグルメを上手においしく取り入れてみてくださいね!

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)