パン好き必携の資格として注目を集めている「パンシェルジュ検定」。合格するとパンシェルジュとしてパンにまつわる仕事にいかせたり、特別なイベントや体験会への参加もできます。今回は奈良県のパンシェルジュがおすすめする、ドイツパンをベースにしたベーカリー。外はパリッと、中はモッチリ、ほどよい酸味がきいた、かむほどにおいしいパンが登場。
本場ドイツパンを日本人好みにアレンジした「Erdal」
パン好きの母の影響で、幼少期より日常にパンが欠かせなかったという奈良県在住のmokoさん。パン屋さんとの交流が広いmokoさんがイチオシするのが「Erdal(エアダール)」。ドイツで修業したシェフが、地元の奈良県で2013年にオープンした人気店です。対面式の店内には香ばしいパンがずらり。焼き立てのパンの中から、mokoさんが選んだ3つがこちら。
奈良県のかんきつが楽しめるライ麦パン「フーゲル」
ドイツでは主食のライ麦パン「フーゲル」。こちらでは、ドイツから届くオーガニックのライ麦を店内の工房で製粉した全粒粉を使用。ライ麦パンの特徴であるかみごたえ、香ばしさをいかしつつ、日本人好みのしっとり食感に。ナッツやレーズン、クランベリー、アプリコット、イチジク、そして奈良県最古と言われるかんきつ、大和橘(やまとたちばな)や四季橘(しきたちばな)などさまざまな食感や風味が楽しめます。「パンのうま味と甘味に、かんきつの酸味が好相性で、カシューナッツの食感もアクセントに。そのままでも、軽くトーストしても美味で、翌日もしっとり感が継続! 私はクリームチーズをのせていただくのがお気に入りです 」(mokoさん)
お酒とも相性がよい大人味の「エダマム・ピリ」
ジャガイモを練り込んだ生地のうえに、たっぷりの枝豆とベーコン、クリミーなベシャメルソースをかけて焼きあげたピザパンは、ブラックペッパーがきいた大人味。「もっちもちの生地と、枝豆の食感、ベーコンのうま味が相まってやみつきに。ピザパンは、毎日2~3種類焼きあげられ、全粒粉を使った生地や、季節の野菜を具材にしたものも。訪れる度に違う味に出会えるのも楽しみにひとつです」(mokoさん)
ふわっふわ&しっとり!新食感の「カステロ」
「カステラ業界にテロを起こす」との意味を込め名づけた、パンでもなくカステラでもない新感覚の「カステロ」。奈良県・天理産の平飼い卵をたっぷり使った生地は、驚くほどふわっふわ。食べやすいよう、手のひらサイズにカットして販売されています。 「冷蔵庫で1日冷やすとしっとり感がプラス。3日目がおいしい!というお客さんも多いそう。 生地の底に敷かれたザラメ糖のジャリっと食感(時間が経つと溶けてしまう場合も)も魅力です。今後はアレンジ商品も登場するそうなので期待大です」(mokoさん)。要予約でサイズのオーダーも可。ホームパーティーなどにも喜ばれているそう。
奈良を愛するオーナーシェフのアイデアが詰まったベーカリー
奈良県出身のオーナーシェフ・丸瀬さんが、「地元でおいしいパン屋を開きたい!」という思いからドイツ、神戸の「Ca Marche」での修業を経て、2013年「Erdal」をオープン。「Erdalにしかないパン」、「奈良を感じ取れるパン」をモットーにレシピを考案しています。国産小麦をメインに、「フーゲル」などドイツ産ライ麦を使用。毎週金曜日には、奈良県・天理産の香り豊かな小麦を使ったバケットやハード系のパンも並びます。「丸瀬シェフがつくるパンは、外はパリッと、中はモッチリとした食感のコントラストが特徴的です。また、廃棄パンゼロにも取り組んでおり、売れ残ったパンをお得なセットにして楽天市場の『ハードパン専門店』で冷凍販売も。ウェブのみ販売の『無塩食パン』も気になります! 」(mokoさん)
外装の一部を自ら塗装するなど、お店に愛情をいっぱい注いでいる丸瀬シェフ。「どんなパンか?」を確認しながら選べるよう、対面販売にこだわっています。総菜で使用する野菜など地産地消にも精力的で、店内で採れたて野菜が販売されることも。また、「フーゲル」にも使用されている柑橘・大和橘を敷地内で栽培。「なら橘プロジェクト」の一員として、奈良県産の希少なかんきつを守り、広める活動も行っています。
■ショップ情報
外観はおしゃれ、店内は昔ながらの対面式にこだわったベーカリー。地元客はもちろん、遠方から訪れるなどファンが多い。オンラインショップの商品一つひとつにも、商品の説明が丁寧に記載されている心遣いが嬉しい。直営店の営業日は木~日曜日なのでご注意を。
店名/Erdal(エアダール)
住所/奈良県奈良市朝日町1-2-32
営業時間/9:00~18:00
定休日/月・火・水
協力/パンシェルジュ検定運営事務局
<取材・写真/moko、文/寺川尚美>
◆パンシェルジュ mokoさん(パンシェルジュ1級)
デニッシュ食パンの美味しさに感動しパンラバーに。パン屋巡りやパン教室通いをはじめ、シェフのセミナーやイベント、麦畑にも訪れ、パンライフを満喫中。パンシェルジュを取得後は、栄養面を考慮したパン作りを研究し、シェフと共同でパンの開発、販売を。現在は、パンに関する情報を自身のSNSや「ぱんてな」で発信中。夢は、パンに関わる仕事に就くことと、「モンディアル・デュ・パン」の日本応援ツアーに参加すること。