山田錦を使ったもっちり食パンが人気。地元で70年以上愛されるパン屋さん

パン好き必携の資格として注目を集めている「パンシェルジュ検定」。合格するとパンシェルジュとしてパンにまつわる仕事にいかせたり、特別なイベントや体験会への参加もできます。今回は兵庫県のパンシェルジュがおすすめする、地元で70年以上親しまれているパン屋さん。ひと口食べると幸せ気分になれる、地元の酒米でつくるパンの登場です!

地元産酒米「山田錦」でつくるこだわりのパン

店内

 自宅でパンづくりに励んでいでいる、パン好きな兵庫県在住のWakka(わっか)さん。時間があると、地元のパン屋さん巡りを楽しんでいるそう。そんなWakkaがイチオシするのが、三木市で1949年に創業した「ピストリーナ マツヤマ」。日本酒の原料になる酒米の生産量日本一の兵庫県。こちらでは、三木産「山田錦」を使ったもっちり食感のパンが特徴です。商店街でもなく、駅前でもない立地でありながら、70年以上地元民の心を捉えて離さないパンの魅力とは? 100種類以上並ぶパンのなかから、Wakkaさんが選んだ5つがこちらです。

兵庫県産素材が堪能できる「丹波篠山の黒豆デニッシュ」

黒豆
丹波篠山の黒豆デニッシュ(ハーフ)959円(税込)

「酒米の王様」とも言われる「山田錦」の米粉、丹波篠山産の黒豆、六甲の天然水、赤穂の天塩といった地元兵庫県産の素材に、北海道産の発酵バターを折り込んでつくりあげる高級デニッシュ食パン。お店の看板商品です。「そのまま食べると、層になったなめらかなクラムと黒豆がほんのり甘く、思わずほおが緩んでしまいます。お店のおすすめはトーストにすること。こんがりトーストすることで、食感はモチモチからサクサクに変わり、発酵バターが驚くほど香ってきます。デニッシュづくりではバターの折り込みを3つ折りで行うことが多いですが、こちらのデニッシュは4つ折りでおこなっているとのこと。そのほうがバターの香りがより広がるのだそうです。トーストしてそのままでももちろんおいしいのですが、追いバターをするのも個人的にはおすすめです。あんバタートーストのようになり、少し出された塩気で甘味がより増して、幸せな味がお口いっぱいに広がります」(Wakkaさん)。

トロフィー
店内に飾られたトロフィー

 こちらの商品は、「にっぽんの宝物 兵庫県(北播磨)大会2020-2021」食部門で、グランプリを受賞し、「Japan大会2020-2021」食の職人部門で準グランプリを受賞しています。地元愛あふれる大注目の1品です。

まるでおもちのような「山田錦のパンドミ食パン」

パンドミ
山田錦のパンドミ食パン364円(税込)

「山田錦のパンドミ食パン」は、「山田錦」の米粉を使用したもっちり食感の食パンです。市外からのリピーターも多い定番商品のひとつ。「そのまま食べるとまるでおもちのよう。このもちもち感を引き出しているのが、湯だね製法です。手間も時間もかかるこの製法によって、米粉のもつもちもち感とうま味を最大限引き出しています」(Wakka)。

山田錦の酒米シリーズの菓子パンも必食

アンパン
山田錦のあんパンとクリームパン各230円(税込)

 おやつにおすすめなのが、「山田錦のパンドミ食パン」と同じ生地でつくられているクリームパンとあんパン。「クリームパンには、地元三木市のブランド卵『赤玉のアン』でつくったカスタードクリーム入り。もちもち生地ととろんとしたクリームは柔らかく優しい味わいです。あんパンは、もちもち生地に北海道産小豆の粒餡がたっぷり入っていて、まるで大福を食べているよう」(Wakkaさん)。

ぷちぷち食感がたまらない「山田錦もち麦入りパン」

麦入り
山田錦もち麦入りパン1個180円(税込)

「山田錦のもち麦パン」は、生地に蒸したもち麦を加えた食事パン。もち麦は、食物繊維が豊富な健康食材として近年注目されており、兵庫県でも「もちむぎのやかた」のある福崎町などで多く栽培されています。「お店では、加東市で山田錦の裏作として栽培されたもち麦を使用しています。生地のもちもち感ともち麦のぷちぷち感が楽しく、食べ飽きません。スープにディップしたり、サラダやゆで卵、ハムを挟んでヘルシーなサンドイッチにするのもおすすめです」(Wakkaさん)。

新商品も続々登場!地元愛が詰まったパン屋さん

看板
大きな看板が目印

「ひと口食べて幸せになれるパンを」をコンセプトに、実店舗だけでなく市内の学校給食や病院、各種施設などにパンを提供している地元密着のお店。「親しみやすい定番商品から、デニッシュでおはぎを包み込んだユニークな商品まで幅広く取り扱いがあり、お気に入りを見つける楽しみがあるパン屋さんです。また、地元の食材や新しいものを積極的に取り入れ新商品を開発したり、地元の高校生とコラボして商品を開発したりと、常に挑戦を続けられています」(Wakkaさん)。

フィナンシェ
山田錦のフィナンシェ各200円(税込)

 手土産にも喜ばれているのが、「山田錦」の米粉を100%使用したグルテンフリーの「フィナンシェ」。「試作を何度も繰り返して誕生したこちらは、お店の方によると『一般的なフィナンシェと比べて、砂糖とバターの量が約半分になっている』そう。とはいえ、しっかりバターのコクと甘さを感じられ満足度は高い1品。あっさりとしていて、重くないので、ミルクをたっぷり入れたカフェラテやティーラテにもよく合います」(Wakkaさん)。プレーンと丹波篠山産の黒豆入りの2種類があり、食べ比べても見るのも楽しい。

■ショップ情報

外観

 地元では「学校給食で食べて育った」という人も多い老舗。白を基調とした店内には、新商品を含め、約100種類のパンが並びます。お店までは、三木上の丸駅から徒歩約8分。また、オンラインショップも展開中です。

店名/ピストリーナ マツヤマ
住所/兵庫県三木市芝町4-1
営業時間/9:00~18:00
定休日/日・祝

協力/パンシェルジュ検定運営事務局
<取材・写真/Wakka、文/寺川尚美>

◆パンシェルジュWakka(わっか)さん(パンシェルジュ1級)
自宅でのパンづくりの失敗をきっかけに、もっとパンの知識を身につけたい!と、パンシェルジュにチャレンジ。取得後は、パンの味だけでなく、製法や構成も考えながら食べるように。今後は、地元以外にもたくさんのパン屋さんを巡って、自分のレシピに生かしていきたいと考えている。