オリーブオイルと合わせて絶品ドレッシングに。岩手県で手づくり「のだ塩」

岩手県野田村の「のだ塩」は、昔ながらの手づくり塩。海水の地下水のみを使用して、まきの火力で煮つめたそのおいしさは格別だそう。岩手県出身の俳優、藤原絵里さんが、暑い時季におすすめの「のだ塩サイダー」とともに紹介してくれました。

港の地下水をろ過してつくる「のだ塩」

牛の道

 野田村は、岩手県の沿岸北部に位置しています。三陸海岸では珍しく広い砂浜をもつ「十府ヶ浦(とふがうら)」と、動植物が多く自然豊かな「和佐羅比山(わさらびやま)」から広がる山林に囲まれた小さな農漁村です。「十府ヶ浦」は三陸ジオパークとして、日本ジオパークに認定されています。

 のだ塩は、昔ながらの「薪窯直煮製法」で精製された野田村の名産品です。大昔から、村でつくられた塩は、牛の背に乗せられて内陸部に運ばれ、米などと交換されて、村の生活になくてはならないものでした。

 野田村では今も変わらず昔ながらの製法で手づくりしています。原料は野田港から自然ろ過された地下水のみ。鉄の鍋で4日間じっくり煮詰めたあと、にがり成分が結晶化する前に塩だけをすくい取ります。

 そのすくい取った塩を1日乾燥させて5日間でつくられます。約1.3tの海水を蒸発させて、海水が減ったらたし、減ったらたしを繰り返し、煮つめてできる塩は、わずか20~25kgのみ。まさに手塩にかけた塩です。

のだ塩は甘味のあるまろやかな味わい

ニンジンとツナのサラダ

 この手間ひまかけた工程があるからこそ、ミネラル豊富でうま味、甘味のあるとてもまろやかな塩ができあがります。のだ塩さえあれば、ほかの調味料は必要ないほど、とてもおいしい塩なんですよ。

 新鮮な野菜にオリーブオイルとのだ塩のみで、とてもおいしいドレッシングになりますし、肉や魚を焼くときに、のだ塩を使うだけで素材を生かしつつもとても深い味わいになります。

 ニンジンとツナをオリーブオイルとのだ塩のドレッシングであえたサラダは、シンプルで満足度が高いのでよくつくります。「味つけを教えて」と聞かれるのですが、「のだ塩」だけと言っても信じてもらえないほどです。

 筆者が秘書の仕事をしていた頃、担当の役員がバーベキューが好きで、手土産にのだ塩を持って行ったところ、とても気に入ってくださって、いつものだ塩を使って調理されていました。

まろやかにしょっぱい「のだ塩サイダー」

のだ塩サイダー

 のだ塩を使った商品はいろいろありますが、筆者がいちばんオススメしたいのは、のだ塩サイダーです。暑いと炭酸が飲みたくなると思うのですが、砂糖が入ったものだと、飲み終わったあと、のどが渇いてしまって後悔することが……。

 のだ塩サイダーは強炭酸で、口に入れた瞬間は普通のサイダーとあまり変わりないのですが、あと味が「お、少ししょっぱいかも」と感じます。この塩っ気が、ほかにはなかなかない、くせになりそうな味わいなのです。

 海外の炭酸ドリンクはとくに甘すぎるものが多いので、海外在住の友人はとても驚き、ファンになってお取り寄せしていました。

 カドがない、まろやかなしょっぱさは、すっきりさわやか。暑い日の水分&塩分補給にピッタリです。のだ塩と一緒に贈り物としても重宝されるのではないでしょうか。ふるさと納税の返礼品にもなっていてるので、ぜひ一度、お試しください。

<取材・文/藤原絵里>
<取材・写真協力/岩手県観光協会>

藤原絵里さん
俳優。岩手県盛岡市出身。23年間、岩手県で生まれ育つ。短大を卒業し、地元の温泉旅館の仲居に。着つけや日本文化に興味をもつ。その後、カタール航空のキャビンアテンダントへ転職。約4年、国際線に乗務し世界44か国を訪れる。海外での経験を通して、日本のよさ、岩手のよさを再認識する。現在は、女優として、映画やミュージカルに出演。代表作は速水萌巴監督『クシナ』、榊英雄監督『生きる街』など、多数。日本や東北の魅力を伝えられる作品にかかわっていきたいと思っている。

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