トロトロのゆばが簡単に楽しめる。戻さず使えて便利な「比叡ゆば」

―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(58)】―

女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」で見つけた、ゆばを使ったおいしいレシピをご紹介します。

ゆばが日本で最初に伝わった比叡山延暦寺

ゆばが日本で最初に伝わった比叡山延暦寺

 今回は、日本橋にある滋賀県のアンテナショップ、「ここ滋賀」で見つけた乾燥ゆばをご紹介します。

 ゆばは京都や日光が有名ですが、約1200年前、最澄が中国から滋賀県と京都にまたがる比叡山延暦寺に仏教とともに、ゆばとお茶を持ち帰ったのが始まりといわれています。つまり日本に最初のゆばが伝わったのは、延暦寺、滋賀県でも名産なことに納得です。

 ショップには、生ゆばやおさしみゆば、乾燥ゆばも平ゆば、小巻ゆばなどそろっていますが、目を引いたのは「比叡ゆば」(540円 50g入り/比叡ゆば本舗ゆば八)。いわば切り落としのように形はふぞろいいで、戻さずに使えると書いてあります。高級素材のイメージのゆばですが、これなら日常使いにぴったりです。

比叡ゆば

熱い汁に入れるだけで、シコシコツルツルの食感

比叡ゆば

 みそ汁ならどんな具とも相性抜群。熱いところに入れるだけでOKですが、さらに、お椀に「比叡ゆば」とワカメを入れ、アツアツのみそ汁を注ぎ、仕上げに万能ネギの小口切りをプラスするだけで、ゆばのみそ汁が完成! 簡単に料亭の汁物風に仕上がります。

お味噌汁

お味噌汁

●アレンジレシピ「ゆばとみず菜の煮びたし」

ゆばとみず菜の煮びたし

 いつもは油揚げでつくる煮びたしも、乾燥ゆばでちょっとおしゃれに。青菜のシャキシャキとゆばの食感の相性抜群です。もちろん、ホウレンソウやコマツナでも。つくりたての温かい状態でも、また保存容器に入れて冷蔵庫で冷やしてもおいしくいただけます。つくりおきおかずとしても便利です。

【材料】つくりやすい分量
ミズナ…1袋
「比叡ゆば」…ひとつかみ
めんつゆ…150ml(お浸しに合う濃さに調整)
酒…小さじ2
みりん…小さじ1
サラダ油…少々

【つくり方】
① みず菜はさっと洗ってから、根を切り落とし、4㎝長さに切る。
② 鍋にサラダ油を熱し、①を入れてさっと炒め、めんつゆ、酒、みりんを加える。
③ ひと煮立ちしたら、「比叡ゆば」を加え、1分煮たらできあがり。あつあつでも、粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて冷やしてもおいしい。

ゆばとみず菜の煮びたし

●アレンジレシピ「ゆばうどん」

ゆばうどん

「比叡ゆば」を常備しておけば、ゆばうどん、ゆばそばなど、あっという間につくれます。寒い時季なら片栗粉で汁にとろみをつけてあんかけそばにしても。

【材料】1人分
うどん…1玉
ホウレンソウ…1束
めんつゆ…150ml(かけうどんのつゆの濃さで)
シメジ…1/4パック

「比叡ゆば」…ひとつかみ
ネギの小口切り…適量
七味唐辛子…好み

【つくり方】
① うどんは袋の表示どおりゆでて、流水でしめてから水気をきる。
② ホウレンソウはさっとゆでて水にとって冷まし、水気を絞る。根をとり、3~4cm長さに切る。
③ シメジは、石づきを切り取り、小房に分ける。
④ 鍋にめんつゆを入れて火にかける。煮立ったらシメジとうどんを入れる。煮立ったら、「比叡ゆば」を入れて1分煮る。
⑤ どんぶりにうどんを盛り、上から、ゆばとシメジ入りのつゆをかけ、②のホウレンソウとネギをのせる。

ゆばうどん

とろとろ玉子とじのゆば丼があっという間に!

ゆば丼

 大豆のうま味と栄養素がギュッとつまった乾燥ゆば。通常は一度水で戻してから料理に使いますが、「比叡ゆば」は薄いので、そのまま汁に入れても大丈夫なのが魅力。常備しておけば、いつでもおいしいゆば丼がつくれます。少し多めに入れてゆばの食感も大いに楽しみましょう。

●アレンジレシピ「とろとろ玉子のゆば丼」

【材料】1人分
ご飯…ご飯茶碗1杯分
A
だし汁…150ml
しょうゆ…小さじ2
みりん…小さじ1

砂糖…小さじ1
「比叡ゆば」…軽く2つかみ
片栗粉…小さじ1
卵…1個
ショウガのすりおろし…小さじ1
万能ネギの小口切り…少々

【つくり方】
① ご飯を丼に盛る。
② フライパンにAのだし汁と調味料を入れて火にかける。
③ 煮立ったら、「比叡ゆば」を加え、1分ほど煮る。ゆばがやわらかくなったら、片栗粉を同量の水で溶いて加え、軽くとろみがついたら、卵を溶いて全体に流しかけ、ふたをする。
④ 卵が好みのかたさになったら、①の丼にのせ、ショウガと万能ネギを添える。

「比叡ゆば」は日本橋にある「ここ滋賀」で購入しました。このほかにも煮物や水でさっと戻してからサラダになどいろいろに使えます。

外観
滋賀県アンテナショップ「ここ滋賀」

撮影・文・料理制作/坂口明子

―【アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案】―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。