一見ブルーベリーに見えるおいしそうな果実。これはじつは「アロニア」という知る人ぞ知るスーパーフードで、岩手県盛岡市の特産品です。アロニアのスムージーが毎朝欠かせないという、盛岡市出身で俳優の藤原絵里さんが紹介してくれました。
抗酸化力トップクラスのフルーツ「アロニア」
岩手県盛岡市砂子沢(いさこざわ)の特産果実、アロニア。ブルーベリーのような色形の直径1センチほどの小さな果実で、北米原産のベリー系、バラ科の小果樹です。海外では北米やロシア、スコットランドで栽培されており、日本では1976年から栽培されています。
このアロニアのすごいのは、ブルーベリーの3倍のアントシアニン、5倍のポリフェノールを保有しているといわれ、食べものトップクラスの抗酸化力をもっているところ。知る人ぞ知るスーパーフードなのです。
砂子沢は盛岡市の中心部から車で約20分ほど離れた山あいの静かな集落。清流・根田茂(ねだも)川が流れ、豊かな自然に囲まれた場所です。空気と水がきれいで、米やそばの栽培も盛んです。
アロニアは寒さに強いので、砂子沢の涼しい気候がピッタリなんです。収穫の時期は8月末から9月初旬のわずか2週間ほど。毎年収穫体験もしているようなので、コロナが落ち着いたら筆者もぜひ、お手伝いに行ってみたいと思っています。
生で食べにくいアロニアをスムージーでおいしく
アロニアもブルーベリーのように甘いかと思いきや、じつはポリフェノールが多く含まれるために独特の渋さやえぐみ、酸味が強すぎて、生で食べるには向かないといわれています。
盛岡市ではそんなアロニアを特産品としてもっと盛り上げるため、甘酒やクッキー、ジャムなどに加工したスイーツがたくさん開発されています。
今回の筆者のオススメは、アロニアをフレッシュな状態で、かつ自宅で味わえるスムージーキット。このスムージーは「SOME(ソーメ)」という会社が開発し、2022年3月に発売されたばかりの新商品で、甘みたっぷりのフルーツとアロニアの渋さのバランスが最高なんです。
凍ったままミキサーにかけるだけ。アレンジもお好みで
キットは「アロニアスペシャル」「ケールベース」「レッドミックス」の3種類があり、いちばんのオススメは、アロニアの果実が丸ごと入っているアロニアスペシャルです。
ケールベースとレッドミックスは、メインのフルーツと野菜の色をいかすため、アロニアはトッピング用に粉末状で添付されており、これはこれで味変にピッタリ。商品はすべてが無添加、無加糖、無着色です。
フルーツや野菜はアロニアのほかに、北上市紫波町産のビーツ、花巻市産のイチゴ、盛岡市産のモモ、軽米町産のナガイモ、八幡平市産の甘酒など。ほとんどが岩手県産品です。
目を引くかわいいパッケージも盛岡市のデザイン会社に発注しており、まさに「岩手を飲み干すローカルスムージー」というコンセプトどおり。
アロニアスペシャルは、アロニアとビーツの濃い赤紫色がとても美しく、私は朝ご飯にするとテンションが上がります。仕事で撮影が続いてロケ弁が多くなると野菜が不足し、栄養バランスが崩れてしまうので、栄養補給にもぴったりなんです。
袋から出してミキサーにかけるだけなので、忙しい朝にも手軽です。筆者は豆乳を少しだけ加えて、ジェラート風に濃い目につくり、食べるように飲むのが好みです。もっともっと日本じゅうに盛岡のアロニアが広まったらうれしいです。
<取材・文/藤原絵里>
<取材協力/SOME>
藤原絵里さん
俳優。岩手県盛岡市出身。23年間、岩手県で生まれ育つ。短大を卒業し、地元の温泉旅館の仲居に。着つけや日本文化に興味をもつ。その後、カタール航空のキャビンアテンダントへ転職。約4年、国際線に乗務し世界44か国を訪れる。海外での経験を通して、日本のよさ、岩手のよさを再認識する。現在は、女優として、映画やミュージカルに出演。代表作は速水萌巴監督『クシナ』、榊英雄監督『生きる街』など、多数。日本や東北の魅力を伝えられる作品にかかわっていきたいと思っている。