カツオの腹皮や心臓も。髪の悩みに試したい鹿児島グルメ

最近なんだか髪がパサつく。そのうえ抜け毛も増えてきた…。そんな髪の悩みに、薬膳アテンダントの池田陽子さんが、「食べるヘアケア」で健やかな美髪をかなえる方法を教えてくれました。鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」で見つけたおすすめグルメを紹介します

髪や肌のために血を補うことが大切

かごしま遊楽館
鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館 さつまいもの館」

 意外かもしれませんが、中国伝統医学の「中医学」では髪は「血」と関係があるとされています。古来から「髪は血のあまり」=「血余」といわれ、血に余裕があれば髪の状態や量もよく、血が不足してしまうと髪がパサついたり、やせて細くなったり、コシがない、抜け毛などの原因に。血が不足している人は、普段から顔色が悪い、立ちくらみ、めまい、貧血といったトラブルもみられがち。さらには美容面でも顔色が悪くなり、肌のくすみ、カサつきを招きます。パサついた髪ばかりか、顔面のつややかさまで失うという残念な事態にならないように、しっかり血を補う必要があります。

 血を補って美髪力をアップするのにおすすめなのがカツオです。カツオは血を補うことで髪の健康を守り、皮膚にツヤを生む作用もある、「ヘアケア&スキンケア魚介」でもあるのです。黒砂糖も造血パワーのある食材。白髪や抜け毛なと髪の老化にも威力を発揮し、冷えの改善やアンチエイジングにもおすすめです。また、落花生も血を補う効果が高いナッツ類です。脳疲労にもよく、頭をたくさん使ったという日にはぜひ取り入れたい食材です。

 鹿児島県アンテナショップ「かごしま遊楽館」から、美髪に役立つグルメをピックアップして紹介します。

芋焼酎のおつまみに最高な「かつお腹皮の燻製」

かつお腹皮の燻製
マルミツ水産「腹身で呑む」(350円)と「心臓で呑む」(350円)

 カツオ節生産量日本一を誇る、鹿児島県枕崎市。江戸時代中期より製造が始まったといわれています。枕崎漁港では近年、年間5万tものカツオが水揚げされ、伝統の技でつくられたカツオ節は、料理人たちから高い評価を得ています。カツオの町・枕崎で愛されているグルメといえば「かつおの腹皮」。腹皮といっても「腹の皮」ではなく、腹の身の部分をさします。

 カツオ節の原料となる身を取って残った、もっとも脂がのった部分、いわば「トロ」は塩焼きや煮物などで親しまれています。「かごしま遊楽館」でも、そんなカツオの腹皮を使ったグルメが好評です。

腹身で呑む
芋焼酎との相性もばっちり

 枕崎市・マルミツ水産「腹身で呑む」(350円)は、鮮度バツグンのカツオの腹皮を燻製にした商品。鹿児島でも屈指の透明度、そしてサンゴ礁の生息地としても知られる南さつま市坊津町産の窯炊き塩を使い、独自のうま味だれに漬けこみ、香辛料でスパイシーに仕上げています。バリっと脂がのった腹皮は、とんでもなくパンチがあって、スモーキー&ワイルドな味わい。

 ビールにもハイボールにも合いますが、なんといっても鹿児島が誇る芋焼酎に最高の相性! ぜひマリアージュを楽しんで。さらに地元で「珍子(ちぢんこ)」とよばれる、カツオの心臓を燻製にした「心臓で呑む」(350円)も、またまた芋焼酎がすすむ「濃い」おいしさです。

喜界島の酒蔵がつくる複雑な味わいの「純黒糖」

純黒糖
「陽出る國の黒いダイヤ」(550円)

 同じく鹿児島県・奄美群島の特産品である「黒糖」。江戸時代に中国から製造方法を伝えられ島津藩が奨励したことを由来とし、今も奄美を代表する一大産業です。地元ではお茶請けとして登場し、料理の味つけにも欠かせません。そして奄美ならではの「黒糖焼酎」の原料としても使われています。

純黒糖
まるでチョコレートのような味わい

 黒糖焼酎「朝日」で知られる喜界島・朝日酒造。自社農園で農薬・化学肥料・除草剤不使用で育てたサトウキビなどを使用した酒造りを行っています。「陽出(ひいづ)る國(しま)の黒いダイヤ」(550円)は、自社サトウキビ100%で醸した「陽出る國の銘酒」の原料。製糖も自社工場で行い、水飴や砂糖を加えた黒砂糖が多いなかサトウキビの絞り汁だけを煮つめた純黒糖で、原料の特長を味わってほしいと販売がスタートしました。

 香り高い黒糖焼酎の原料となるピュアな黒糖は、単に「甘い」というものではありません。口に入れると、キレのある甘さ、ほろ苦さ、酸味があり豊かな味わいが広がります。あと味はスッキリ。まるで上質なチョコレートのようです。お茶うけに、そして黒糖焼酎のおつまみにぴったりです。

黒糖と落花生が絶妙なマッチング! 奄美大島の「がじゃ豆」

がじゃ豆
喜久屋の「がじゃ豆」(350円)

 かごしま遊楽館には黒糖を使ったさまざまな商品が並んでいますが、ダントツ人気なのが奄美大島・喜久屋の「がじゃ豆」(350円)。がじゃ豆は、落花生と黒糖を使った奄美大島では定番のお菓子。喜久屋のがじゃ豆は、独自の製法で奄美産の黒糖を落花生にたっぷりまぶしてコーティング。香り高く仕上げてあります。

がじゃ豆
お土産に最適!

 シンプルなお菓子ですが、やみつきになる味わい。香ばしい落花生の風味と、コクがありながらも、ベタつきがない黒糖が絶妙なマッチング!  そしてほっこりおだやかな風味。食べ始めるとついつい、あともうひとつ…と止まらなくなります。素朴で懐かしく、優しさがあふれる南の島のおやつは、お土産として買う人があとを絶たないのがうなずけるおいしさです。

 ヘアケアにぴったりの鹿児島グルメ。お酒のおつまみになるものから、お茶うけやお土産に最適なものまで、気軽においしく試してみてはいかがでしょうか。

*掲載している価格はすべて税抜きです

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)