和歌山県の県産品コンテスト「プレミア和歌山」の令和3年度受賞品を紹介するレセプションが開催されました。受賞したのは伝統の味から工芸品まで、手にしたくなるものばかりです。
野菜を漬け込んだ保存食、金山寺味噌
今年14回目を迎えた、和歌山県が優良な県産品を認定・推奨する制度「プレミア和歌山」。和歌山県の隠れた逸品を知ることができる注目の制度です。
コロナ禍で自粛していた会場でのリアルレセプションを今年は開催。応援団として活動している泉麻人さん(コラムニスト)、荻野アンナさん(作家)、幸田真音さん(作家)、鈴木光司さん(作家)、弘兼憲史さん(漫画家)、山本一力さん(作家)が登壇しました。
過去の受賞には農水産品、加工品や工芸品のほか、お祭も。今回特別賞を受賞したのは、1873年頃創業・太田久助吟製の「金山寺味噌」。野菜などを漬け込んでつくられる金山寺味噌は、約750年前に中国から和歌山県由良町に製法が伝わりました。
天保12年(1841年)に建てられた蔵で醸造し、この蔵にしかいない酵母菌が金山寺味噌をつくっています。製法は、すべて手づくり。米、大豆、裸麦といった穀物原料に麹をつけて、そこに瓜、丸ナス、ショウガ、シソを漬け込んだ長期保存食品。 伝統の製法を守り、丁寧にひとつひとつ手作業でつくられたみそは、ご飯にのせたり、野菜につけたり、おにぎりにしたりと、常備したい一品です。
串本町の本まぐろ希少部位3点セット
本州最南端に位置し養殖漁場が盛んな串本町。水産品が有名な町から生まれた品が奨励賞を受賞しました。
「本まぐろ希少部位3点セット」(串本食品)は、本マグロからわずかしか取れない頭肉、カマトロ、ほほ肉を1度に味わえるセットです。養殖された本マグロを鮮度の高いまま急速冷凍し、超低温冷蔵庫で保存しています。まさに、口に入れた途端にとける、納得のおいしさ。
串本町の「紀州梅まぐろ梅」(岩谷)は、贈答品としても人気が高く多くのメディアでも紹介されています。
紀州南高梅の種を取り出し、中に甘酢みそで味つけした那智勝浦産のマグロのほぐし身を詰めた、唯一無二の梅干し。梅が破れないよう熟練の職人だけが手作業でつくっている繊細な1粒です。直径が約3cmの立派な大きさは、酒の肴はもちろん、お茶漬けも美味。
イチジクと釣り竿も奨励賞を受賞
奨励賞は、有限会社ロハスが運営しているロハス農園のイチジク「いちじくプリンセス」と、紀州へら竿和人の「竹製バスロッド」が受賞しました。
イチジクはとても繊細で、熟度の見極めや物流の難しさがあり、食べ頃をベストな状態で提供できるのは全体の1割にも満たないそう。そんなイチジクを樹上完熟のタイミングを常に確認しながら収穫し、品質を保つためにお姫様のように特別な梱包をして発送していることからこの名前に。
国指定の伝統工芸品「紀州へら竿」の材料と伝統技法を守り、和の技術で洋の釣り竿を実現した竹製バスロッド。伝統工芸士の手による芸術品のような釣り竿は、驚くほど軽い! 竹のしなりは、ルアーをやさしく遠く飛ばし、ルアーが泳ぐ感覚やフックしたときの魚の力をダイレクトに手のひらに感じられる逸品です。
まだまだある、和歌山県の名産品
和歌山県にはまだまだ魅力的な商品がたくさんあります。梅の生産量がダントツ1位だけに、本格梅酒のなかでもGI和歌山梅酒といわれ品質が保証されている梅酒は46種も! また、最近では花粉症予防として注目されている果実のじゃばら製品にも注目が注がれています。名品がたくさんある和歌山県の名産・特産品、今後も要チェックです!
<撮影/山田耕司、取材・文/カラふる編集部>